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2011年12月に放送した「チィ先生のちいさな音楽隊」がニューヨークフェスティバルで銀賞を受賞しました。

この国の人たちの素朴さと温かさが本当に本当に好き。裸足で駆け回る子どもたちは、本当に貧しいのか?そんなことを考えさせられる日々。自分の力は本当にほんっとーにちっぽけだけれど。人として、一人ひとりの人と真剣に向き合うこと。それを一瞬も忘れぬように、毎日を思いっきり楽しく、せいいっぱい駆け抜けよう。うん。

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  • 番組概要
  • 田中千草さん
  • 人間力大賞

「チィ先生のちいさな音楽隊」とは

この番組は、北海道出身の女性が一人カンボジアに渡り、
地元の小学校の先生として子供たちに音楽を教えながら、
子供たちの自立のために孤軍奮闘するドキュメンタリーです。

カンボジアは世界最貧国のひとつに数えられる経済的に貧しい国。
長年続いた内戦や紛争で国は疲弊してしまいました。国中のあちこちに地雷が埋まり、衛生環境は悪く、親に捨てられた子供たちの多くが、ストリートチルドレンとして物乞いで日々を送っています。

田中千草さんは、
青年海外協力隊で小学校教師として派遣されたのがきっかけで、今もカンボジアの子供たちのために教育に携わっています。
「彼らは貧しいけれど不幸ではない」と、田中さんはキラキラと目を輝かして学校に来る子供たちを見つめてそう言います。
「子供たちが成長して自立できるように、そして将来的には国がしっかりと自立できるようになるには教育が大切。今は教育のシステムがまだまだ回復していないけれど、少しでもお役にたちたい」と願います。

田中さんが子供たちの自立のために選んだのが音楽。
音楽の授業がなかったカンボジアに、日本の家庭で使わなくなった楽器を送ってくれるよう働きかけ、授業で使っています。また年に数度、日本に戻って講演を行い、その講演費を活動資金にあてています。手書きの楽譜でドレミから教え、やがて小学校に小さな音楽隊ができました。音楽隊は街をパレードして募金活動を行います。カンボジアでは何をやるにも自分たちで稼がなければなりません。集めたお金で小学校に音楽室ができました。

今、田中さんはさらに大きな音楽祭を考えています。
音楽が自立の一助となり、そして何より子供たちに、それを教える教師たちに自信を与えることにつながるのです。

番組スタッフは田中さんのカンボジアでの活動に密着しました。
本当の支援とは何か、どのような手助けが必要とされるのか、
上から目線ではなく、ただ物を建てるだけではない、
人々の自立につながる支援とは。
その答えが田中さんの活動の中にありました。

田中千草さん(33)

1978年北海道根室市生まれ、芦別育ち。
2007年1月より2年間JICA青年海外協力隊小学校教諭としてカンボジアへ派遣。
配属先となったシェムリアップのワット・ボー小学校は児童数5000人、総教員数100名というカンボジア一のマンモス校。
2009年1月に任期を終え帰国したが、1万人を越える子供達・親などの「残ってほしい」と願う署名に心を打たれ、同年4月より再び個人として無償で赴任。
現在は、様々な事情で親と住めない6人の子どもたちの面倒を見ながら、校長補佐として学校運営の助言、教員の指導、さらには小さな頃から習っていたピアノの経験を活かして、今まではなかった「音楽の授業」開始すると共に、それを行うための楽器の支援などを日本から募っている。
また、カンボジア・アナコット基金代表として、様々な事情で学校に通えない子供たちの里親探しにも積極的に取り組んでいる。

カンボジア・アナコット基金
http://anacott.web.fc2.com/fp/fp_application.html

人間力大賞

http://www.ningenryokutaisyo.jp/index.html

田中千草さんは今年度の人間力大賞のグランプリに選ばれています。番組では9月に東京で行われた授賞式の様子も紹介します。
人間力大賞は、「青年版国民栄誉賞」として環境、国際協力、医療・福祉、文化・芸術、スポーツ、その他の分野で積極果敢な活動・挑戦を続けている人間力あふれる若者に与えられる賞です。
日本青年会議所(日本JC)が1987年より主催し、未来を担う20歳から40歳までの「日本の力」の礎となる地域に潜在する「光り輝く傑出した若者たち」を発掘し、全国へと発信していくことで、受賞者の活動を更なる飛躍につなげ、日本の明るい豊かな未来と世界平和実現を目指しています。
1987年より昨年まで12人のグランプリが選ばれていますが、その中で北海道関係者は2005年度も植松勉さんが受賞しています。