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あなたとHTB
このページは平成24年12月16日放送分から引用しています。
タイトル
オープニング
12/4 衆議院選挙公示
大野恵アナ
12月。4日に第46回衆議院議員選挙が公示されました。東日本大震災以降初となる本格的な国政選挙です。3年4か月ぶりに行われる総選挙。道内ではTPP交渉やエネルギー政策などが争点となっています。投票日はきょう16日で即日開票されます。
11/18 札幌で初雪。旭川では観測史上一番遅い初雪
道内各地で冬の便りです。先月18日、札幌など各地で初雪が観測され、このうち旭川では観測史上最も遅い初雪となりました。旭川での11月18日の初雪の観測は平年より26日遅く、1888年からの観測史上最も遅い記録になりました。この他、札幌、室蘭、函館、釧路でも初雪が観測されました。
遠藤雅也アナ
おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。
大野・遠藤両アナ
大野アナ
冒頭にもお伝えいたしましたが第46回衆議院選挙はきょうが投票日です。先月16日、電撃的な解散があり、今月4日に公示、きょうが投票日で即日開票されます。3年4か月ぶりに政権を選択する大きな節目の選挙。テレビ朝日系列では今夜7時56分から「選挙ステーション」で選挙結果について詳しくお伝えいたします。ぜひご覧ください。
遠藤アナ
足元が滑り易くなっていますので、気を付けて投票をお願いいたします。
それではきょうの「あなたとHTB」。最初に10月18日に開催された第448回放送番組審議会で審議いたしました「報道特番 浅漬けの罠 追跡0157集団食中毒事件」についてお伝えします
大野アナ
この集団食中毒による道内外の発症者は169人にも及び、そのうち4歳の女の子を含む8人が死亡しました。普段の食卓のあがる浅漬けによる集団食中毒は、食の現場に大きな波紋を投げかけました。
遠藤アナ
それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。
報道特番 浅漬けの罠 追跡0157集団食中毒事件
大野アナ
◇番組前半で、時系列に事実だけを伝える構成により事件の経緯を整理し理解することができた。寿司店の誤発注が原因で消毒液が薄まったという見解。亡くなった女児を診察した医師がO157を疑わなかったことなど新たな事実に驚いた。
◇一般の視聴者や関係者に強く注意喚起を促し警鐘を鳴らす意味で重要な役割を担った番組だった。北海道大学・一色教授の「日本古来の発酵食、漬け物が今はサラダと同様の食品になっている」との一言が最も印象深く、それこそが「浅漬けの罠」だと合点がいった。
◇関係者の証言や社内資料、生産工程など、それぞれの映像で当日実際に起こったことを浮き彫りにしていた。このような報道特番を発覚から約ひと月でつくりあげた制作者の並々ならぬ努力に敬服した。
◇食中毒の事例を取り上げるだけに止まらず、同業他社による取り組み事例や野菜生産現場での工夫なども取り上げていた。浅漬けイコール悪ではなく生産業者や一般家庭などでの工夫により今後も美味しく楽しめると紹介。消費者への安心感、生産者への責任感を与える意味合いでも効果的だった。
◇加工食品が増加の一途をたどっている今、その安全性がどれだけ重要かということを再認識できた。事件発覚からひと月後の放送は、道民の不安解消と安心・安全な食生活の確保に大いに役立った。
◇消費者自らができる具体策について明確に語られ食中毒のリスクをいかに減らすことができるか詳しく説明されていた。短い尺の中でテンポよく過不足のない内容で大変分かりやすかった。
◇普段はニュースとして断片的に伝えられる事案を深く掘り下げ、ひと月で番組にまとめ上げたスピード感が良い。浅漬け製造会社社長への単独インタビューも特筆すべきで、社長がことの重大さに気づいていないことをうかがわせる内容だった。
◇浅漬け製造会社社長、被害者、診断した医師など取材対象者が多岐にわたっており加えて情報公開制度を活用していた。浅漬け製造会社は保健所から5回の改善指導、洗浄消毒の不足を認めていたこと。それにもかかわらず改善を怠っていたなど、ずさんな実態が具体的に語られていた。深く丁寧な取材に敬意を表したい。
◇一般には、浅漬け製造過程に問題がありとの報道だったが、番組では菌が野菜に付着していた可能性についても触れられていた。さまざまな可能性や裏側にひそむ問題点について目を配り、検討し指摘することは、どんな社会問題についても必要な視点だと感じた。
◇高齢者施設・医師・保健所・業界団体設立の動きなど、この問題にまつわる複数の情報が視聴者に幅広い視点を与えていた。浅漬け製造会社幹部による記者会見や、社長への単独インタビューからこの事件が企業に与える影響や企業体質などが垣間見えて大変興味深かった。
◇原因と対策について焦点が絞られ非常にまとまっていた。実際の野菜の消毒やカットなどの製造過程や、実際に女児を診断した医師の取材など分かりやすかった。
◇浅漬け製造会社社長が「自分は51年間同じやり方でやってきた」と何度も繰り返していた姿が印象的だった。地球温暖化で食中毒が発生しやすい状況、免疫力が低下した高齢者などの増加を背景に、浅漬けの保存方法を考えなおす必要があると痛感した。
◇大変ショックな出来事を緊急報道する局の姿勢、事件発覚からたった一か月でほぼすべての問題点がコンパクトに整理されていた。情緒に傾くのを避けた淡々とした構成、冷静に分析を試みる視点に大いに好感を持った。
遠藤アナ
一方、改善点としては、
◆感染源の可能性として動物の糞便による土壌汚染が取り上げられていたが、見方によっては感染源が産地にあるという印象を強く持つ方も少なくないだろう緊急報道特番という特性から何をどのように扱うかは難しい判断であることは承知しているが、産地への配慮がもう少しあればよかった。
また、今後の要望として、
この事件に限らず緊急報道特番で取り上げた問題については、1回きりではなく、ぜひ追跡取材し深い検証をお願いしたい。今後も、公平な視点にたった質の高い番組を積極的に発信して欲しい、というご意見。
大野アナ
生産者、料理人、消費者という三者のかけ橋となるような番組を今後に期待したいという、ご意見を頂きました。
今後の番組作りの参考にさせて頂きます。ありがとうございました。
遠藤アナ
次は、11月の放送番組審議会で審議いたしました、HTBノンフクション「ひとりじゃないよ~そらぷちが描いた虹~」についてです。
大野アナ
今年の夏、滝川市の丸加高原に”そらぷちキッズキャンプ”が本格稼働しました。ここは小児がんや先天性の障がいなど重い病と闘う子供たちのための常設キャンプ場です。HTBが継続して取材し続けてきた「そらぷち」。今回は一人の少女の成長を通して、キャンプ場完成までの8年間を描いたドキュメンタリーです。
遠藤アナ
それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。
HTBノンフクション ひとりじゃないよ~そらぷちが描いた虹~
大野アナ
◇冒頭の、小西美咲(こにしみさき)さんと母親の2ショットの場面が印象に残る。幼少期の3年をリハビリ施設に預けざるを得なかった母の苦悩、複雑な胸の内。それらをしっかりと映像に捉えていた。横山医師の死について敢えて病状などに触れずに番組を進行させたことが構成に好影響を与えていた。
◇「自分の居場所」という言葉が障がいをもった方たちにとっての大きな問題なのだと痛感した。居場所を作るために、私たち一人ひとりがどのように行動すべきか。横山医師が一番訴えたかったことがきっちり描かれていた。
◇横山医師の遺志を引き継いだスタッフの献身的な努力。キャンプに参加した子供たちの笑顔や成長の様子など重くなりがちが題材を明るく前向きで感動を与える内容としてまとめていた。
◇美咲さんや子どもたち、スタッフの方々の言葉がプロジェクトの素晴らしさを伝える大きな役割を果たしていた。長期にわたり取材を続けたスタッフの苦労の成果ではないか。ナレーションの背景説明は、わかりやすくコンパクトで番組の雰囲気に溶け合っていた。
◇「出来ないと言われることが多いが、出来るようにしてくれる人が一杯いる。出来るようになる場所がある」という美咲さんの言葉。正にプロジェクトの創設意義を表していて強い印象を与えるものだった。
◇全編にタイトルである「ひとりじゃないよ」というキーワードが強いメッセージとして貫かれていた。横山医師の思い。その遺志を多くの人たちが集って実現していく。奇をてらわない構成で素材の圧倒的な力、映像の力、テレビの力を感じた。
◇「子供たちの心を癒す臨床心理士になりたい。いつかこの身体で産んでくれてありがとうと言えるような人間になりたい」という美咲さんの言葉に強い感銘を受けた。
遠藤アナ
一方、改善点としては、
◆施設運営の困難さ、ボランティアに頼らざるを得ない苦しさなど、もう少し時間を割いて問題提起して欲しかった。
◆なぜ滝川市なのか。資金面はどうなっているのか。スタッフの体制、参加費用、病院との連携など。それらの情報が語られず消化不良の印象だ。詰め込み過ぎの感が否めず次回はテーマを絞って伝えていただきたい。
また、今後の要望として、
これだけ取材期間が長いと制作者の思い入れが強くなるのは分かるが、視聴者目線でもっと客観的な視点があってもよかった、というご意見。
大野アナ
難病を持つ子供たちのために日本初となる素晴らしい施設が北海道にあり、滝川市をはじめ多くの人たちのご苦労のもとで運営されていることを全国に伝え続けることが支援になる、というご意見を頂きました。今後の番組作りの参考にさせて頂きます。ありがとうございました。
遠藤アナ
最後に、HTBからのお知らせです。
大野アナ
HTBの開局45周年と札幌市とドイツ・ミュンヘン市の姉妹都市提携40周年を記念して、「ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」が来日します。
札幌公演は来年4月14日に札幌コンサートホール Kitaraで行われます。指揮は、今年9月音楽監督に就任したロリン・マゼール氏。ソリストに迎えるのはヴァイオリニストの五嶋龍さんです。チケットはKitaraチケットセンター、市内各プレイガイドで発売中です。
遠藤アナ
次回2013月2月の「あなたとHTB」では、新年1月の放送番組審議会で審議いたします番組についての放送番組審議会委員の皆さんの意見をご紹介いたします。
「あなたとHTB」、次回の放送は2月17日日曜日の午前5時5分からとなります。
大野アナ
皆様、良いお年をお迎えください。