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あなたとHTB


このページは平成25年10月27日放送分から引用しています。

タイトル

オープニング

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日高沖でししゃも漁始まる

大野アナ

10月。1日に日高沖のシシャモ漁が解禁になりました。早朝、日高町の厚賀漁港から13隻の漁船が一斉に出漁しました。漁場で漁師が200m程の網を手繰り寄せると、かかったシシャモが次々と船の上に、銀色に輝く体を躍らせます。シシャモ漁は来月中旬まで行われ、主に道内向けに出荷されるということです。

遠藤雅也アナ

おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。

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大野・遠藤両アナ

大野アナ

冒頭の映像は10月1日の昼ニュースでお伝えしました、日高沖のシシャモ漁解禁の様子です。シシャモは北海道の太平洋沿岸の一部でしか獲れない魚で、シシャモ漁は秋から木枯らしの吹く冬にかけての風物詩となっています。

遠藤アナ

きょうの「あなたとHTB」は、9月26日の第457回放送番組審議会で審議いたしましたテーマ、「次世代テレビ時代 地上波テレビの生き残り策」について詳しくお伝えいたします。

大野アナ

地上派デジタル放送に完全移行してから2年余り経ちましたが、インターネットの普及、そしてソーシャルメディアの登場などテレビを取り巻く環境は大きく変化しています。たとえば、映像コンテンツはテレビで見るものだけではなく、パーソナルコンピューターやスマートフォンなどで、「いつでも、どこでも、好きな時に」見ることが出来るようになりました。2020年に東京でオリンピックが開催されることが決まりましたが、それまでには現在のフルハイビジョンの16倍の解像度を持つ「スーパーハイビジョン」が登場するとされています。

遠藤アナ

文字通り、テレビはアナログからデジタルに変わり、さらにインターネットやソーシャルメディアと融合、連携する次世代テレビへと更に進化していく激動期を迎えているというわけです。

大野アナ

初めに、今回の審議会に出席された放送番組審議会委員の皆さんを紹介します。
内田和男委員長。新谷朋子副委員長。平島美紀江委員。伊藤千織委員。大西昌美委員。烏日娜委員。真弓明彦委員。作間豪昭委員。西川祥一委員。以上9名の委員の皆さんが審議に参加されました。

それでは、「次世代テレビ時代 地上波テレビの生き残り策」のテーマ審議で頂いた委員の方々の意見を紹介します。

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遠藤アナ

まず審議に先立ち、樋泉実社長が挨拶し、審議テーマについてHTBはどのように考えるのか、HTBの基本姿勢や目指すものについて説明を行いました。

HTBはテレビを取り巻く環境の変化を想定して1990年代から布石を打ってきました。地上波テレビがデジタル化したことで一番大きな変化はローカルと呼ばれていた「地方」が「地域」になったことです。言い換えると東京から見た北海道ではなく、アジアの中の北海道になったということです。HTBは自らを「地域メディア」と位置付けています。放送、通信など出口はこだわりません。まさにコンテンツ勝負の時代だと思います。地域メディアが情報を発信していく意義には2つあります。1つめは多様性の担保です。デジタル化は情報の寡占化を生む危険もあります。これはローカル局の責務だと思います。2つめは地域の発信力、競争力を高めること、これも地域免許制度で成り立つ我々の責務です。地域メディアは東京のダウンサイジングではもはやありません。東京キー局の経営モデルに処方箋を求める時代ではないと思っています。それぞれが地域の豊かな価値を深堀りし、広く発信する時代が到来しているのだと実感しています。

樋泉社長は以上のように述べました。

大野アナ

引き続き行われたテーマ審議で、委員の皆さんからは次のような意見を頂きました。

☆ローカル局としての軸足をしっかり捉えた質の高い番組を制作すること。待ちの姿勢ではなく、あらゆる可能性にチャレンジし先鞭をつけていくことが、企業価値を高め、次世代の若者を獲得することにつながる。

☆インターネットやユーチューブによる視聴は自ら見たいジャンルを検索する能動的な行為である。一方、テレビは見たいと思っていないのに偶然見ておもしろい世界があったと気付く偶発性にある。しかし、今は、その偶発的な面白さが視聴者の求める多様性のなかで埋没しているではないか。

☆多チャンネル化が進む中で、各局が視聴者ニーズを捉えた番組を提供しているのか疑問。19時~22時のゴールデンタイムは、バラエティ、スポーツ、ドラマと、ひと昔前と変わっていない。視聴者は個性的でわがまま、自分のこだわりに合う番組を求めている。テレビ局は店舗のない「TSUTAYA」を目指すべきではないか。マスを目指さず、こだわりを持った視聴者が満足できる番組をいかに多く作り、それをストックしてオンデマンド、ケーブルTV、海外販売など市場を広げていくことがカギになるだろう。将来の民間放送は無料から事実上の有料放送化が進んでいくことを前提に考えるべき。

☆オリンピック決定中継を未明までテレビにかじりついて見る理由は、今起こっていることに参加し、他の視聴者と一緒に決定の瞬間を共有したいというドキドキワクワク感があるから。流行語にもなった「おもてなし」を始め、印象的なシーンが翌日には全国に拡散した理由は、テレビ映像の印象や感動を視聴者がネット上で表現し発信した人が多くいたからに違いない。

遠藤アナ

★地上波テレビの生き残り策は「面白い、質の高い番組を制作すること」に尽きる。テレビはインターネット、ソーシャルメディアと連携し、人々を共感と感動に巻き込んでいくもっと豊かなメディア体験へ進化していく大きな可能性がある。

★良質で特徴のある番組制作で、地域に根差し、世界に発信するテレビ局を目指してほしい。地域の放送局ならではの、ツイッターやフェイスブックなどと連携した双方向番組にチャレンジして欲しい。

★テレビの役割としてやはり「報道」が王道ではないか。テレビを見てSNSを利用する背景には、人々の「共感したい」「誰かと繋がっていたい」という心理があるから。昔はテレビの前だった「お茶の間」が、今はネットにさまざまな場を得て広がった感がある。

★インターネット等と比べて、地上波テレビはやはり国民への影響が大きい。権力のメディアへの監視・介入は大きな問題をはらんでいるが、放送内容に多様性やバランスをとること。放送法があるのは、テレビがパブリックなものであることを求められているからだ。情報弱者、経済弱者にとっても、地上波テレビはこれからも多様性と多面性のある情報提供者であるべきだ。

大野アナ

テーマ審議でのこうした意見に対して、最後に樋泉社長は、

この環境変化をHTBは面白い時代、地域メディアにとってチャンス到来と思っています。デジタル化は広さとの戦いだった北海道をコンテンツの宝の山にしてくれました。アジアのなかの北海道と考えれば北海道は可能性に溢れていると実感します。しかし我々情報発信だけでは出来ません。地域のプレイヤーと一体となって初めてできるものです。発信内容も観光情報だけではなく、生活ぶりや文化を盛り込んだものに変化してきました。
今日のお話を励みにしていきたいと思います。

このように答え、審議会を締めくくりました。

遠藤アナ

この審議会で頂いた放送番組審議会委員の皆さんの発言要旨を受けて、10月24日木曜日にテレビ朝日で開催された系列24社放送番組審議会委員代表者会議で、HTBからは以下のように発言しました。

大野アナ

技術革新で情報を入手するデバイスが変化したり、またやインターネットとの融合がどのように進んだとしても、無償で国民に情報を提供するという地上波テレビの役割は生き残らなければならない。特に経済的理由も含めて情報弱者という格差を生んでは、民主主義社会は成り立たない。視聴者である国民への影響は大きく、パブリックな側面も求められている。情報の多様性、多角性を担保して、情報が寡占化しないようにすることに地域メディアの役割がある。

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☆具体的には、先のオリンピック開催都市の決定中継をテレビにかじりついて観るのは、今起こっている決定的瞬間を一緒に共有したいというドキドキ、ワクワク感があるからだ。また、翌日にはこの印象的シーンが全国に拡散した理由は、テレビ映像の印象や感動を観てこれをインターネットで発信した人達が多くいたからであろう。テレビが投げたサーブを、インターネットやSNSがレシーブしてトスを上げ、共感の輪が社会全体に広がっていくという両者のイメージを浮かべることが出来る。

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☆「水曜どうでしょう祭」は、全国から5万人近い人たちが集まり、地域に多大な経済効果を創出した。この取り組みは、一つのロールモデルとして、メディアの枠を超えた、テレビ放送の近未来の在り方を示している。一方通行的、中央集権的な放送のイメージとは異なり、北海道という「地域」から発信されたコンテンツを軸として様々な媒体とともに多方面にアメーバ状に広がっていく。このような現象が日本全国で起こることで、もっと面白いことが起こるのではないかと地域メディアの可能性を予感させた。

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☆情報機器の機能の進歩は、伝達情報量の多さと伝達速度の速さを著しく高めている。しかし、情報の信頼性や持続性がそれに伴って高まっているとは言えない。ツイッター等が発信・交換する情報の本源的提供元は、今でも主として新聞やテレビからの情報によっている。つまりソーシャルメディアはマスメディアの後追いをしている。一方で、ソーシャルメディアのローカルな事象が広範囲に共通性を持ち社会性がある場合には、マスメディアが後追いをすることになる。その意味で両者は対立するというより共存、相互依存していると言える。

遠藤アナ

そして、最後に、
地上波テレビの生き残り策は、「面白く、質の高い番組を制作すること」に尽きる。そしてこれがインターネットやSNSなど他媒体と連携し、多くの人々を共感と感動の輪に巻き込んでいくのではないだろうか。今はまだ経験したことの無いもっと豊かなテレビとメディアとの共存体験への大きな可能性に期待したい。
HTBは以上のように発言しました。

きょうは9月26日に行われた第457回放送番組審議会で「次世代テレビ時代 地上波テレビの生き残り策」というテーマ審議の内容と、10月24日にテレビ朝日で開催された系列24社放送番組審議会委員代表者会議について、まとめてお伝えしました。

「あなたとHTB」、次回の放送は12月22日、日曜日の午前5時5分からとなります。それでは、きょうはこのへんで失礼いたします。

過去の放送より