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あなたとHTB


このページは平成27年2月22日放送分から引用しています。

タイトル

オープニング

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音更町 馬追い運動

森さやかアナ

白い息を吐きながら雪原を走る体重1トンもの巨体を揺らす馬、およそ100頭。十勝の音更町の家畜改良センター十勝牧場で、30年ほど前から続く馬追い運動です。これは冬場の運動不足解消や安全な出産を促すために妊娠している馬や育成馬を対象に行われています。

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森・遠藤両アナ

遠藤雅也アナ

おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。

森アナ

冒頭にご覧いただきましたのは、1月13日の昼ニュースで放送した十勝の音更町の牧場で行われている馬追い運動の模様です。この馬追い運動は、今月一杯まで続き、一般の人も見学できるということです。

遠藤アナ

きょうの「あなたとHTB」、1月23日の第470回放送番組審議会で審議いたしましたHTBスペシャルドラマ「UBASUTE」についてです。

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UBASUTE

森アナ

HTBでは1996年からほぼ一年に一本のペースでスペシャルドラマ制作に取り組んでいて、この「UBASUTE」は第18作目となります。今回は、晩秋の札幌を舞台に、「ゆとり世代」と呼ばれ、自己肯定感が持てず閉塞感を抱える一人の若者と、家族から離れ老人ホームで孤独に直面する女性の交流を描く物語です。報道・ドキュメンタリー畑出身のディレクターが初めて演出を担当し、自ら脚本も手掛けました。

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。

森アナ

◇完成度の高いドラマだった。柱となる登場人物は多くないが、かえってすっきりしたわかりやすさに繋がっていた。何よりブログやネット空間をツールとした今の時代とマッチした設定で、すんなりと感情移入して見ることができた。

◇今まさに社会問題化している若年層の就職難と、高齢化社会が抱える課題を、SNSをリアルな表現方法として活用したところに新しさを感じた。

◇高齢者とその家族の関係、非正規雇用の問題、ネットカフェ難民など、現在の社会が抱える問題が無理なく盛り込まれていた。脚本を自ら手掛けた演出の海野ディレクターが普段から社会への問題意識を持ち続けているからこそだと思う。

◇「ニート」と「高齢化社会」。日本の二つの大きな問題を取り上げたこのドラマは、テーマ性が非常にタイムリーだ。また、二つの世代の問題を上手くドッキングさせて一つの解決に導いていて、どの世代でも共感を生み、考えさせられる内容が多かった。

◇「働き方」「生き方」「人との関わり方」など個人的にも関心があるテーマが詰まった作品だ。深く掘り下げ過ぎるとネガティブになりそうな内容も、自分事と捉えやすく、わかりやすく描かれていた。

◇ネットカフェと高級老人ホームという主人公二人の居場所の設定が興味深く、世代間格差そのもので、いろいろな見方が出来るドラマだった。全体として、非常に厳しい現実をしっかり描きながらも、映像も含めてとてもきれいな作品に仕上がっていると思う。

◇冬馬とトシエが共通に抱える「他者との関わり」について、上手くいかなくても、恐れず、積極性を持つ必要性を痛感した。十分に制作者の意図が伝わってくる良い番組だった。

◇世代間の壁をきちんと表現した上で、トシエの別人格「ダイアナ」を通すことで会話が成立していく組み立てが面白かった。ダイアナという架空のフィルターを通すことで、冬馬が心を開いていく過程を楽しく見ることができた。

◇穏やかで優しいトシエを演じた草村礼子さんと、どこにでもいそうな普通の若者、冬馬役の大和田健介さんは、まさにハマリ役だった。シナリオに無駄がなく、展開のテンポも巧みで、緊張感と安らぎを感じる部分のバランスが良かった。また、子供たちの演技力にも驚かされた。

◇物語のプロットが非常に自然だった。冬馬役の大和田さんは、ゆとり世代と呼ばれる若者のいらだちや不安感を上手く表現していて、いい役者だと思った。トシエ役のベテラン女優、草村さんは存在感があり、演技も気持ちが良かったし、ダイアナという架空のキャラクターである波瑠さんは天女のような雰囲気をうまく醸しだしていた。

遠藤アナ

◇ダイアナの励ましで冬馬が立ち直り、前向きに歩み出す過程が見どころだが、物語の展開に大きな不自然さはなく、作品の完成度は高い。また、晩秋の札幌の情景がとても美しく、魅力的に描かれていて、札幌市民として嬉しい限りだった。

◇企画・脚本・演出の海野ディレクターが、報道記者やドキュメンタリーのディレクターとして培った経験が創作のベースになっていた。その上で、冬馬像やトシエ像が作られていて、主人公の人物像始め周囲の群像もとてもリアリティーのあるものになっていた。

◇「ただ生きているのは死んでいると同じ」「人を助けることは自分を助けること。誰も助けられない人は自分も救えない」「私を必要としているのは、今は彼だけ」「夢が人生をつくる」など、思わず書き留めておきたい珠玉の表現やセリフが数多くあった。

◇最近の若い世代と働き方や生き方の話をすると、収入などより「幸福度」「フィット感」「社会の役に立っているか」などの優先順位が高い。その純粋さに驚かされる一方で、「幸せ」の順位が高くないと、生きる希望が持てないのだろうとも思う。幸せと感じる力を強くするには、やはり人と関わりながら、自ら成長していくことしかないのだと、改めて気付かされた。

◇冬馬が、若く美しい女性を想像して会ったダイアナが、品のいいおばあさんだと知ったときどんな気持ちになるのだろう。切ない思いを抱きながら番組を見終わった。このようにドラマの登場人物に感情移入できることは、やはり素晴らしい作品なのだと思う。

◇トシエが「自分がダイアナ」と明かした後にどんな会話があったのだろうか。色々と思いを馳せることができる含みのあるエンディングがとても良かった。

森アナ

一方、改善点・疑問点として

●冬馬の人物像については、「ゆとり世代」という言葉がキーワード的に使われているが、自分の周囲ではあまり聞かない言葉でやや違和感を覚えた。

●冬馬の家族が全く登場しないことが気になった。ゆとり世代の親子関係を描くことで、もう少し冬馬の人物像を丁寧に伝えれば、トシエという二人の主人公の対比がさらに際立ったのではないだろうか。

●タイトルと内容がフィットしていない印象が見終わった後もぬぐえなかった。「UBASUTE」はとてもインパクトのある響きを持つ言葉なので使い方が難しいと感じた。

遠藤アナ

また、今後の要望として、

これからも、20年近く積み重ねてきたHTBならではのドラマ制作力を活かして幅広い年齢層が楽しめる作品を制作して欲しい。
出会った後の冬馬とトシエを描くような続編の制作も期待したい。

というご意見を頂きました。

森アナ

これに対して、企画・脚本・演出を担当した海野祐至ディレクターは、
「私はこれまで報道やドキュメンタリーの制作にずっとかかわってきました。全く経験したことのないドラマの演出をするにあたって、これまでのようにプロの脚本家にお願いするのではなく、普段から今の社会に感じていることを題材にしてドラマを作りたいと考えて、自分で脚本を書くことにしました。ドラマ自体はフィクションですが、頭の中で空想したものではなく、実際に私自身が現場を取材した現実を基に、ドキュメタリー制作で言えば構成を組み立て、それがシナリオになり、そこに登場する人物の台詞になりました。世代は違っていても人は分かり合える。物事の捉え方は違うかもしれないが、お互いを想い合うことが、小さいことかもしれませんが、幸福感につながるのではないか、という思いをドラマに込めました。」と答えました。

遠藤アナ

また、数浜照吾プロデューサーは、 「ドラマとして何か明確な答えを示すのではなく、私たちが生きる上で、何かしらのヒントになればと考えて制作しました。これからも、視聴者の皆さんが自分自身の事として見て頂けるようなドラマを作っていきたい。」と述べました。

森アナ

委員の皆さんから頂いたご意見は、今後の番組作りの参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

遠藤アナ

さて、HTBでは、20代から50代の男性、女性合わせて15人の方々に「番組モニター」を行っております。ここで、HTBスペシャルドラマ「UBASUTE」の番組モニターで頂いたご意見もご紹介いたします。

森アナ

◎番組全体を通して、見覚えのある札幌市内の各所で撮影されていて、背景も含めて楽しむ事ができた。特にラストの冬馬とダイアナが出会う旭山公園はとても美しく、遠景に映る札幌市内中心部のビル群とのコントラストがとてもきれいだった。冬馬がかつての会社の上司から、「ゆとり君」と厳しく罵倒されるシーンは、ゆとり世代ど真ん中の私の心に深く響いた。

◎北海道ローカル放送の一度だけで終わってしまうのが勿体ない。全国の全ての世代に見て欲しいドラマだと思った。母親と一緒に視聴したが、番組中も番組が放送された後も、お互いの考えについて話し合ったりできた。介護などの問題を一緒に考える時間を与えてくれた良いドラマだった。

◎最近のドラマに多く見受けられる派手で叫ぶような演出が一切なく、全体的に静かであり現実的で、自然と物語の中に引き込まれた。ドラマというよりは映画を見ているような感覚で、ストーリーに抑揚があり、先が気になって夢中になって視聴できた。

遠藤アナ

◎今どこかに住んでいる誰かの人生の一部分を見せてもらったような気がした。非常にシンプルで分かりやすく、ストレートに作り手の思いが伝わってきたように感じた。自然とこれまでの自分の人生や考え方と照らし合わせながら見ていて、冬馬の成長とともに色々なことを考えさせられ、見て良かったと思った。特に冬馬とトシエが色々な人と積極的に関わっていく中で、生き生きと前向きに変化していく姿が印象的だった。世代間の意識の違いと関わっていくことの大切さも実感できた。

◎あまり有名な役者さんも出ていなくて、全く期待せず見たが、余韻が心地よい素晴らしいドラマに出会ってしまった。見覚えのある札幌の街並みを舞台に、まさに今起きていることを正面から取り上げ、そこにドラマならではの夢も盛り込まれている。映像が本当に美しい。音楽のセンスも抜群だ。後半に進めば進むほど、画面に太陽の明るい光が溢れたようになっていった。今の世の中を考えるヒントを満載しながら、小さな奇跡、素敵な夢をちりばめた美しい作品だった。

森アナ

「番組モニター」の皆さまから頂いた評価は、「とてもよかった」が10件、「よかった」が4件、「不満だった」が1件でした。

こうした視聴者の皆さまから頂いた評価を受け止めて、次回のドラマ作りの励みにさせて頂きたいと思います。「番組モニター」の皆さま、ありがとうございました。

遠藤アナ

ここで平成27年度の「番組モニター」募集についてのお知らせです。

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森アナ

HTB番組モニター係へのお問い合わせは、広報お客様センターへお問い合わせ下さい。どうぞ宜しくお願いいたします。

「HTBモニター係」TEL:011-820-5536 広報お客様センター(平日:午前11時~午後5時)

遠藤アナ

「あなたとHTB」、次回の放送は、2月26日に審議いたします、「TOYAから明日へ パタゴニア 氷河 風 地球の未来」ほかについて、放送番組審議会委員の皆さんの意見を紹介いたします。「あなたとHTB」、次回の放送は来年4月26日(日)午前5時5分からです。

過去の放送より