番組向上への取組

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あなたとHTB

このページは平成27年6月28日放送分から引用しています。

タイトル

オープニング

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森・遠藤両アナ

遠藤雅也アナ

おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。

森さやかアナ

「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。

遠藤アナ

きょうの「あなたとHTB」、最初は4月23日の第473回放送番組審議会で審議いたしました「壇蜜古画スペシャル 遠ひ記憶への旅立ち」についてです。

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壇蜜古画スペシャル 遠ひ記憶への旅立ち

森アナ

始めに、評価点からです。

◇今回のスペシャル版を含めた壇蜜古画シリーズは、映像、キャステイング、雰囲気も魅力的だが、なにより企画が素晴らしい。廃墟を見て楽しむというのは理解されにくい番組内容だと思うが、制作者側にこだわりと心の余裕がなければ成立しない企画だととても印象的だった。

◇真冬に美唄の山奥で撮影された番組であることに大変驚いた。除雪されていない場所まで撮影などの機材を運ばなければならない。そのような現場で壇蜜さんのロケを行うには相当苦労があっただろう。そのことだけでも映像的な価値があると思う。

◇タレントで女優もする壇蜜さんは、周りにいる人はもちろん、視聴者さえも自分のテンポの中に巻き込んでいく才能のある人だと感じていた。話し方や動作の間の取り方が絶妙で、間合いの使い方が上手い壇蜜さんの魅力を引き出していた。

◇壇蜜さんの声やナレーションは抑制がきいていて非常に味わい深く、映像とマッチしていた。普段テレビで見るイメージとのギャップも番組に魅力を与えていたのでないか。知性的な女性だなと思い、知らなかった一面を見た気がした。

◇かつて炭都として栄えた美唄市我路地区の質店、浴場の煙突、映画館は、視聴者がイメージする以上のたたずまいで、どれもそのままアート作品の様だった。

◇一服の絵のような静ひつな映像、ゆったりと動く独特のカメラワークが良かった。廃墟の映像は見るものにいろいろなことを想像させ、また、音楽もとても美しかった。

◇廃墟を歴史的建造物としてとらえる「深夜開拓魂」時代と変わらない美しい映像だった。傾きながらもなお雪の重みを受け止める建物の姿、廃校となった教室が氷の中に埋もれている様子など見どころが多くあった。

◇番組での廃墟の映像も、廃墟を撮り続けている萩原義弘さんの写真も、人が作った建物が自然に吸収されてゆく様を切り取っていた。同時にまた、その昔いきいきと豊かに人々が暮らしていた時間が止まったままのように、かつての活気を雄弁に物語っていた。

◇街づくりに携わる仕事をしているので、「まちは生まれまちは死ぬ」という言葉にどきっとした。そうならないために、自分に何ができるのか考えさせられた。人口減が進む北海道で、この番組を通して「廃墟」の持つ意味をもっと深くとらえておく必要があると感じた。

遠藤アナ

◇番組の中に「現在は立ち入り禁止です」「所有者の許可を得て撮影しています」というお断りのテロップが入っていたことに、制作者の誠実さを感じた。テレビ番組の持つ影響力を考えたとき、演出として多少興ざめであっても、放送倫理の観点からも正しい選択だったと思う。

◇全身黒ずくめの衣装の壇蜜さんが我路駅に立つ姿は、 松本零士さんの伝説のアニメ「銀河鉄道999」に登場する謎の旅人、メーテルのようだった。過去と現在をつなぐ超越的な存在としての“いにしえへの旅人”という存在感を非常にうまく表現していた。

◇壇蜜さんの言葉にある「寂しいというより心に響く光景」に共感しつつ、一緒に旅した気持ちになる素晴らしい番組だった。

◇「形はなくなっても人の思いは残る」と言う写真家の萩原義弘さんの言葉が文字通り番組の本質を表現していた。また、「これだけ多くの人々が働き、日本の土台をつくった産業ですから、人々や施設、産業のことを忘れないで欲しい」という言葉。オープニングのナレーションにあった「死を迎えた建物」という廃墟は何を象徴しているのか、視聴者として深く考えるきっかけになった。

森アナ

一方、疑問点・改善点として

●レギュラーの「壇蜜古画」を見ていないと、何を伝えたい番組なのか、壇蜜さんが何をしているのか初見では全くわからなかった。

●旧三菱美唄炭鉱周辺もふくめた、かつての我路地区の街全体の俯瞰映像がもう少しあった方がよかったのではないか。

●番組では「人が作ったものが自然に吸収される」と表現していたが、いま地方では、急増する空家の問題が顕在化している。人間がつくりだした人工物が放置され、長いスパンで見ても土に還らないものもある。自然環境の視点から大丈夫なのだろうかと気になった。

●今回、レギュラーではナレーターに徹していた壇蜜さんが出演し、ナレーションのベースが男性となっていた。そのことで、「深夜開拓魂」時代に持っていた独特の空気感を失ってしまい、廃墟を訪ねる単なるドキュメンタリーのようになってしまったようで残念だった。

また、今後の要望として、

北海道では、もう知る人も少なくなった街の歴史など、掘り起こせば面白く、興味深いことはまだたくさんあると思う。これからもHTB独自の切り口で制作した番組を今後も期待したい。
というご意見を頂きました。委員の皆さんから頂いたご意見は、今後の番組作りの参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

遠藤アナ

次に、5月29日の第474回放送番組審議会で審議いたしましたHTBノンフィクション「道を創るものは…」についてです。

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HTBノンフィクション「道を創るものは…」

森アナ

この番組は、第18回統一地方選前半戦で、40年ぶりの与野党一騎打ちとして全国的にも注目された北海道知事選を追ったドキュメンタリーです。選挙結果は与党の推薦を受けた現職の高橋はるみさんが、実質的な野党共闘で臨んだフリーキャスターで新人の佐藤のりゆきさんを制して、道政史上初となる四選を果たしました。両候補の一年間に亘る長期取材に加え、選挙結果の動きを追いこんで、4月12日の投開票日当日の深夜に放送いたしました。

遠藤アナ

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。

森アナ

◇放送時間直前の両候補者の当落の様子までを追い込んで番組を制作し、深夜ではあるが選挙戦の興奮冷めやらぬうちに放送したことに敬意を表したい。

◇全国的にも注目されていた道知事選の道のりを30分の枠にコンパクトにまとめたものを見ながら、そうだ、そういえばこういうことがあったとおさらいをすることができた。

◇開票直後に知事選を振り返り、迅速に報道するテレビならではの速報性と継続的な取材に基づいて視聴者に考えさせるドキュメントの両面を持った充実した内容だった。候補者や両陣営関係者にかなり近づいて丁寧に取材していることがうかがわれ、折々の関係者の表情や肉声をよくとらえていた。

◇30分番組としてコンパクトにまとまっていて、知事選とはこういうことだったのかと理解することができた。また、2人の候補者に対して、どちらかに偏ることなくフェアな編集であったと思う。

◇北海道民の気質では選挙で未来を変えることは無理なのか、ともやもやした気持ちが残る選挙だった。番組の後味も同様だったが、番組を見終えて、制作者の意図はそこを視聴者に考えて欲しかったのではないかと気づいた。

◇両候補の生の言葉を密着取材でうまく反映していた。さらに、第三者のコメントも入れて、選挙で政治家がどのように考え、行動しているかがしっかりと伝わってきた。過度のスキャンダル的な要素を前面に押し出す番組よりも好感が持て、人間の誠意やエネルギーを感じる取材だった。

◇投開票日の当日、新知事が決まったタイミングで、選挙戦を振り返るという意味で意義のある番組だった。また、両候補を長期間にわたって丹念に追っていた成果も、例えば取材対象者の取材者に対する信頼感として映像に表れていた。

◇冒頭のナレーションの「椅子は譲らなかった。なぜ届かなかったのか」という言葉に引きつけられた。選挙の経過をわかりやすくまとめただけではなく、道を創るのは政治家を選んだ私たちにも責任があるのではないかという問いかけをしているところが素晴らしかった。

遠藤アナ

一方、改善点・疑問点として

●40年ぶりの一騎打ちや前人未踏の四選が強調されていたが、これらが選挙戦の重要な論点だったのだろうか。有権者の関心の的になっていたのか疑問だ。その意味で、報道する側の問題意識や番組としてのフォーカスの仕方が有権者である道民の意識とずれていたということはないだろうか。

●全体にそつなく流れに沿ってまとめられていたが、目新しい内容は見受けられなかった。若年層における政治への無関心、低迷する投票率への危惧も、この番組のコンセプトの一部であれば、有権者の声をもっと取り上げてほしかった。

●開票直後以外に番組の放送タイミングの選択肢はなかったのか。あるいは、スピーディーな報道よりも重視すべきものはなかったのか。せっかく1年間という時間をかけて取材されてきたものが、深夜の一瞬で放送されてしまったのは惜しい。

●両陣営のマニフェストの比較が少し浅かったように感じた。原発、教育や人口流出防止策はもちろんのこと、道内の課題は道民が共有するものなので、さらに具体性を持った内容を報道してもよかった。

森アナ

また、今後の要望として、

地方自治は民主主義の学校であるとも言われる。地域のテレビ局は、その学校で使われる使いやすい教材を提供するという立場にある。有権者である道民に対し、選挙の事前にも事後にも、十分な情報を提供することは、テレビ局の大事な役割だ。

というご意見を頂きました。ありがとうございました。

遠藤アナ

「あなたとHTB」、次回の放送は、6月19日に審議いたしました、大阪の朝日放送制作のドキュメンタリー「知る重み~出生前診断 家族の葛藤」などについて、放送番組審議会委員の皆さんの意見を紹介いたします。「あなたとHTB」、次回の放送は8月23日(日)午前5時5分からです。



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