番組向上への取組

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あなたとHTB

このページは平成27年10月25日放送分から引用しています。

タイトル

オープニング

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西野・遠藤両アナ

遠藤雅也アナ

おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに、
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。

西野志海アナ

きょうは、森アナウンサーにかわって、西野志海がお伝えいたします。

遠藤アナ

きょうの「あなたとHTB」は、
9月24日の第477回放送番組審議会で審議いたしました
「狂走の果てに 砂川5人死傷 飲酒運転の悲劇」についてです。

西野アナ

改めてHTBの放送番組審議会の委員の方々を紹介いたします。

平本健太委員長、
作間豪昭副委員長、
閔鎭京委員、
渡辺淳也委員、
福津京子委員、

高橋留智亜委員、
森田良平委員、
古郡宏章委員、
遠藤香織委員、
喜多洋子委員の合せて10名です。

遠藤アナ

9月の審議対象番組の内容を紹介します。

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狂走の果てに 砂川5人死傷 飲酒運転の悲劇

西野アナ

6月5日の夜、
砂川市内の国道12号で飲酒運転の乗用車など2台が
猛スピードで信号を無視して交差点に進入し、軽ワゴン車に衝突。
軽ワゴン車に乗っていた一家5人が死傷した
痛ましい事故があったのは記憶に新しいところだと思います。
危険運転致死傷の罪で起訴された2人の男は
仲間と飲酒運転を繰り返していたことが
取材とともに浮かび上がりました。
また、この事故を受けて
「飲酒運転等の交通死亡事故を撲滅する決議」を行った
砂川市議会の議員が、
翌月に飲酒運転で衝突事故を起こして逮捕される事件も起き、
社会に大きな波紋を広げました。
この番組は、飲酒運転の悲劇を再検証したドキュメンタリーです。

遠藤アナ

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介いたします。

西野アナ

始めに、評価点からです。

番組全体として、しっかりとした周囲からの現場検証がなされていて、
道路事情が分かりやすく説明されている。

飲酒運転がなぜ起きるのかなども含めて
その経緯と結果がよく伝わる映像だった。

飲酒運転という罪の大きさも十分に理解できる内容で、
飲酒運転は絶対してはいけないと
強く考えさせるきっかけになっている。

6月の事故発生から2ヶ月で、よくここまで取材できたと感心した。

大野恵アナウンサーのナレーションも
トーンを抑えて番組内容やテーマともマッチしていた。

なぜ、このような痛ましい事故が起こってしまったのか、
なぜ事故を防ぐことができなかったのか。

この事故の悲劇を冷静に考えようとする
制作者の真摯な姿勢が感じられるドキュメンタリー番組だった。

冒頭の100キロの衝撃力を再現する映像は
とてもショッキングだった。

また事故を再現して夜の道を走るCG映像が
リアリティーに満ちていた。

今年、北海道で一番ショッキングかつ
悲惨なニュースを取り上げた見応えのある力作だ。

30分の番組で、事故の様相にとどまらず
数多くのインタビューを通じて、
その背景まで掘り下げた丁寧な番組づくりを高く評価したい。

優れたドキュメンタリーこそ
多くの人たちが見られる時間帯に放送して欲しいと
審議会でもたびたび要望が出ていた。

今回は飲酒機会が増えるお盆の時期、家族や親せきが集まり、
視聴率の高い時間帯に放送したことを評価したい。

一向になくならない悲惨な飲酒運転やひき逃げ事件について、
限られた時間内にまとめ上げた。

制作者の使命感を感じることができたし、
局の意気込みも感じる英断だと思う。

大きな事件や事故を速報で終わらせるのではなく、
きちんとフォローアップする必要があると
審議会でも指摘されてきたが、その課題に応える番組だったと思う。

砂川市民のひとりが、「みんなわかっていても
見て見ぬふりをしている」と本音を吐露していた。

こうした生の声は今回の事件の本質を物語っていて、
地元テレビ局だからこその取材パワーを感じた。

亡くなられた永桶ご夫妻の長女、
恵さんの生前の動画は、
彼女の明るさや誠実さがよくわかるものだった。

同級生の話や告別式の場面を通して、
友達や知り合いを亡くした側の悲しみも十分に伝わった。

遠藤アナ

電話取材に答えていた事故を起こした車の同乗者の言葉には
反省の色がなく、罪を逃れようとする気持ちがにじんでいた。

視聴者に、飲酒運転は犯罪であり、運転を止めなかった同乗者も
共犯者であるとの意識改革を促すものだった。

飲食店関係者ら地元の人たちへのインタビューもふんだんに交え、
ある意味で飲酒運転が常態化している問題点を伝えていた。

昨年7月の小樽飲酒ひき逃げ事件の遺族が、
砂川の事故現場を訪れた場面も取材していて番組に厚みを与えていた。

地域社会全体で飲酒運転は絶対にしない、
許さないという意識を変えていくことは簡単ではないが、
変えなくてはならない。

札幌と地方都市との経済格差、倫理観の違いを理由にするのではなく、
できることをこつこつと実行していく必要があると強く感じた。

目撃者、両被告の知人、地元の人たちなど、
多数の人物へのインタビューを中心に構成されていた。

通り一遍の事件取材を超えたものであり、
よくぞここまで取材したなと足で稼いだ取材の集積に唸らされた。

加害者の親戚や知人など、加害者の背景事情にも踏み込んで取材し、
一人の被告が親思いと言われる人物であること。

もう一人の被告も仕事熱心な人物であることを報じていた。

ネットでは殺人鬼などと表現される両被告に対する報道として、
大変冷静で公平であり、
誰もが加害者になり得ることを浮き彫りにしていた。

西野アナ

一方、疑問点・反省点として、

被害者や家族のプライバシーに
あそこまで時間を割く必要があったのか、やや疑問を感じた。

また、加害者である二人の被告の生い立ちは新しい情報だったが、
今回の事故の理解に不可欠な要素だったのだろうか。

ドキュメンタリーに
あらためて織り込む必要性は薄いのではないかと思った。

車で来ている客に飲酒を止めることができない飲食店、
見て見ぬふりの住民など、飲酒運転は地域社会全体の問題でもある。

番組では個人を中心に問題を投げかけていたため、
個別の事例として終わってしまっていた。

小樽、砂川と
連続で悲劇的な飲酒運転事故が起きているのはなぜなのか。
個々の意識の甘さだけで片付けられる問題だったのか疑問だと思った

「事故を起こした車の同乗者が初めて語った」という
ナレーションが冒頭にある。

しかし、残念ながら
事故内容に関わる発言は引き出せておらず物足りない中身だった。

遠藤アナ

飲酒運転がなくならない原因を
視聴者にしっかり突きつけるような取材や構成にしてほしかった。

半ばあきらめている市民たち、
飲酒運転で逮捕された砂川市議会議員でさえ他人事のような無責任さ。

また、人口減少による不況、両被告の生い立ちなど
取材対象が絞られていなかった。

いったい何が原因だったのかがぼやけてしまった。
これからどこに向かって解決の道筋をつければよいのか、
わからないまま終わってしまった。

2007年6月、道交法が改正され、飲酒運転ほう助罪という
飲酒運転者の周辺に対する罰則法ができたことも
ぜひ紹介してほしかった。

両被告は飲酒運転による危険運転ではなく、
高速度運転か赤信号無視による危険運転で起訴されたと思う。

そうであれば、番組名とのマッチングがいささか気になったし、
この点を正確に報じるべきだった。

なぜ飲酒危険運転で起訴されなかったのか。
事故後、時間が経ってから出頭する場合、
アルコールの影響により正常運転が困難だったという立証が難しい。

飲酒運転での起訴が難しいことにも番組で触れていくという視点も
あったのではないか。

西野アナ

また、今後の要望については、

交通事故による外傷や後遺症など
被害者側が受ける苦しみもまた大きい。

速度規制モニターや
アルコール検知モニター付の自動車の導入など
海外で講じられている対応策も今後、ぜひ取り上げてほしい。

飲酒運転を撲滅するための有効な方法とは何なのか、
報道として長期的に追い続けるテーマではないかと思う。

海外の事例、具体的に効果を上げた施策など、
さまざまな視点を含めた続編に期待したい。

事件や事故の背景や問題点をドキュメンタリーとして伝えることは
テレビ局の使命。テレビメディアの力を示す大きな武器だと思う。

番組審議会委員の皆さんからは、
評価点、反省点、今後の要望としてこうしたご意見を頂きました。

遠藤アナ

これに対して、番組を担当した山田佳晴プロデューサーと、金子陽チーフディレクターは次のように答えました。

西野アナ

番組の狙いとしては、様々な証言を積み重ねることで、
この悲劇はどのようにして、
どういう背景で起こったのかを伝えたかった。

二人の被告の生い立ちの部分は、
もともと悪い人間がとんでもないことをしたという
単純な図式ではない。

誰もが飲酒運転を犯してしまう罠があることを
考えてもらいたいという意図だった。

飲酒運転に対しては厳罰化の流れがあるにもかかわらず、
現実には飲酒運転での危険運転致死傷罪の適用は難しい。

捜査関係者を取材していても、非常にはがゆいものがあった。

そうした司法の現実という問題を
もっと番組として押し出すべきだったと思う。

番組の構成としてそこに触れないままで終わったことは
次回の反省点としたい。

北海道の地方都市は、
車がなくては生活が成り立たない車社会でもある。

飲食店など地域社会の人々が見て見ぬふりをしていたことも
現実としてはある。

飲酒運転は絶対にやってはいけない、
許してはいけないことだというハードルが低かったのかもしれない。

飲酒運転をなくすためには、第一は私たち自身の問題だが、
地域社会全体で取り組む必要もあると思う。

限られた時間の中で当事者、
特に加害者の関係者に取材する難しさもあったので、
引き続き問題意識を持って取り組んでいきたい。

遠藤アナ

番組に寄せられた視聴者の皆さんの感想もご紹介したいと思います。

とても丹念に取材し、編集されていたと思う。
事故の関係者への取材、
特に加害者側への取材は厳しい状況とは思うが、
このまま許されることのないように、今後も取材を続けて欲しい。

事故を起こした車の同乗者に対する責任の追及も、
今後の飲酒運転撲滅への課題ではないだろうか。

残念なことだが、道民は飲酒運転が非常に重い罪なのだという
遵法意識が低すぎるのではないか。
取材スタッフには、これからも視聴者の心に訴えかける
ノンフクション番組の制作を期待したい。

西野アナ

番組審議委員の皆さんから頂いたご意見、
また視聴者の皆さんからのご感想は、今後の番組作りの参考とし、
生かしていきたいと思います。ありがとうございました。

遠藤アナ

「あなたとHTB」、次回の放送は、
今月22日に審議いたしました、9月19(土)に
北海道ローカルで放送しました
「派閥意識調査バラエティ あなたは何派?」などについて、
放送番組審議会委員の皆さんの意見を紹介いたします。
「あなたとHTB」、次回の放送は
12月20日(日)午前5時5分からです。


過去の放送より


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