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HTB 北海道テレビ放送 会社案内

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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第3日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第457回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2013年9月26日(木)
15:00~17:00

画像 画像
審議テーマ

「次世代テレビ時代、地上波テレビの生き残り策」

出席委員
内田和男 委員長
新谷朋子 副委員長
平島美紀江 委員
伊藤千織 委員
大西昌美 委員
烏日娜  委員
真弓明彦 委員
作間豪昭 委員
閔 鎭京 委員(レポート)
西川祥一 委員
会社側出席者
代表取締役社長 樋泉 実
常務取締役 田中英也
取締役 林 亮一
取締役 吉田 元
役員待遇CSR広報室長 国本昌秀
編成局長 川筋雅文
CSR広報室部長 岡 仁子
番組審議会事務局長 四宮康雅

【会社報告】

  • 9/6~8「水曜どうでしょう祭」は4万7千人超のファンに来場いただき無事終了
  • 平成25年度日本民間放送連盟賞特別表彰部門の青少年向け番組で、HTBノンフィクション「ありがとう いのち~みんなきみが大事~」が最優秀賞受賞
  • 札幌オータムフェストに「HTBマルシェ」出店
  • 広報お客様センターマンスリーレポート2013年8月

【委員の意見要旨】

◇情報機器の機能の進歩は、伝達情報量の多さと伝達速度の速さを著しく高めているが、情報の信頼性や持続性がそれに伴っているとは言えない。ツイッター等が発信・交換する情報の本源的提供元は、今でも主として新聞やテレビからの情報に依る。つまりソーシャルメディアはマスメディアの後追いをしている。他方で、ソーシャルメディアのローカルな事象が広範囲に共通性を持ち社会性がある場合には、マスメディアが後追いをすることになる。その意味で両者は対立するというより共存(相互依存)していると言える。

◇ローカル局としての軸足をしっかり捉えた質の高い番組制作、待ちの姿勢ではなく、あらゆる可能性にチャレンジし先鞭をつけていくことが、さらに企業価値を高め、次世代の若者を獲得することに繋がる。

◇良質な番組コンテンツ作成と記事や番組に対する品質管理は極めて重要。テレビがインターネットとの親和性に富みスマート化に進むことは視聴者の個人情報流出のリスクを抱える。番組制作過程、番組内容、システム管理、視聴者の反響などをしっかりと評価でき、リスク管理を確実に遂行できる体制と、そのための人材育成は不可欠であろう。

◇HTBの掲げる「新しい価値を創造し、アジアに際立つHOKKAIDOをつくる」というビジョンはとても素晴らしい。すでに様々な取組みをスタートさせていると聞くがその成果を大いに期待したい。素晴らしさだけでなくHOKKAIDOの裏に潜むさまざまな課題を理解し、訴求していくことも地域発展のために必要。

◇インターネットやユーチューブによる視聴は自ら見たいジャンルを検索する能動的な行為であるのに対し、テレビは見たいと思っていないのみ偶然見ておもしろい世界があったと気付く偶発性にある。が、その偶発的な面白さが視聴者の求める多様性のなかで埋没していると感じる。

◇余計なトークや笑い、過剰なテロップ表示のない落ち着いて視聴できる番組、必要な知識が多く含まれている番組を望む。近年はゴールデンタイムに長時間番組が編成されることが多いが、じっくり見る価値のある番組はほとんど無い。過去に多く見られた1時間程度で完結する質の高い番組が復活して欲しい。

◇多チャンネルが進む中で、各局が視聴者ニーズを捉えた番組を提供しているのか疑問。19時~22時のゴールデンタイムは、バラエティ、スポーツ、ドラマと、ひと昔前と変わっていない。視聴者は個性的でわがまま、自分のこだわりに合う番組を求めている。テレビ局は店舗のない「TSUTAYA」を目指すべきではないか。マスを目指さず、こだわりを持った視聴者が満足できる番組をいかに多く作り、それをストックしてオンデマンド、ケーブルTV、海外販売など市場を広げていくことがカギになるだろう。将来の民間放送は無料から事実上の有料放送化が進んでいくことを前提に考えるべき。

◇東日本大震災の一連の報道でテレビが伝えた衝撃的な映像の力、まさに今起こっていることを、瞬時に多くの視聴者に届ける、リアルタイムの情報発信力にあらためて瞠目した。

◇オンデマンド放送が盛んになっていくと思うが、今起こっている事象の即時性を共有する報道と、自分が見たい時に見たいコンテンツを繰り返し見ることができるオンデマンドの娯楽性とは質が違う。

◇未明のオリンピック決定中継をテレビにかじりついて見る理由は、今起こっていることに参加し、他の視聴者と一緒に決定の瞬間を共有したいというドキドキワクワク感があるから。流行語にもなった「おもてなし」を始め、印象的なシーンが翌日には全国に拡散した理由は、テレビ映像の印象や感動を視聴者がネット上で表現し発信した人が多くいたからに違いない。テレビが投げたサーブを、インターネットその元にいる多くの人々がレシーブしトスを上げ、共感の輪が社会全体に広がっていくイメージが浮かぶ。テレビとネットはお互いを補完する関係として共存できる。

◇地上波テレビが生き残るためには、手段が変化しても、根源は「質の高い、視聴者が求める番組を作れるか」にかかっている。HTBが目指す、アジアの北海道を目指すためには、道民が求めるもの、全国の視聴者が求めるもの、海外の人々が求めるものは間違いなく違う。視聴者から多様な情報のフィードバックを得て、今後の番組制作の糧にすべき。

◇「水曜どうでしょう祭」には、全国から5万人もの人々が集まり、地域の多大な経済効果まで創出した。「水曜どうでしょう」とHTBの取り組みは一つのロールモデルとして、メディアの枠を超えた、テレビ放送の近い未来の在り方を示している。東京で発信された番組を地方の人々が受け取るという、一方通行的、中央集権的な放送のイメージが、札幌から発信されるコンテンツを軸として様々な媒体とともに多方面にアメーバ状に広がっていく。このような事象が日本全国のあちこちから起きることで、もっと面白いことが起こるのではないかと予感させてくれるもの。

◇地上波テレビの生き残り策は「面白い、質の高い番組を制作する」ことに尽きる。そてインターネットなどの他媒体と連携し、人々を共感と感動に巻き込んでいくのか、今はまだ経験したことのないもっと豊かなテレビとメディア体験へ大きな可能性があると期待。

◇テレビはリアルタイムで楽しむことが非常に重要だと思うが、最近は個人のライフスタイルやニーズに合わせて、テレビは録画で見ればよいとの風潮が広まっているのはとても残念。テレビにしかできないことは譲らず、それを視聴者に理解してもらう地道な努力を続け、テレビの確固たる位置づけを確立してほしい。

◇良質で特徴のある番組制作で、地域に根差し、世界に発信するテレビ局を目指してほしい。地域の放送局ならではの、ツイッターやフェイスブックなどと連携した双方向番組にチャレンジして欲しい。
☆テレビの役割として「報道」が王道。テレビを見てSNSを利用する背景には、人々の「共感したい」「誰かと繋がっていたい」という心理があるから。昔はテレビの前だった「お茶の間」が、今はネットにさまざまな場を得て広がった感がある。

◇地上波テレビの生き残り策とのことだが、では地上波テレビは生き残るべきなのだろうか。インターネット等と比べて、地上波テレビはやはり国民に訴求する影響力が大きい。権力のメディアへの監視・介入は大きな問題をはらんでいるが、放送内容に多様性やバランスをとることを自己規律せよと放送法があるのは、テレビがパブリックなものであることを求められているからだと思う。情報の多様性が薄まったり、情報格差が生じることは、経済的尺度ではない”しあわせ”の格差を生むことにつながる。情報弱者、経済弱者にとっても、地上波テレビはこれからも多様性と多面性のある情報提供者であるべきだ。

※次回の審議会は、2013年10月18日(木)です。