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HTB 北海道テレビ放送 会社案内

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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第464回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2014年5月29日(木)
15:00~16:55

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審議対象番組

「平成ノブシコブシの帰省なうスペシャル2014」
2014年3月8日(土)16:30~17:25放送

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出席委員
平本健太 委員長
作間豪昭 副委員長
真弓明彦 委員
閔 鎭京 委員
西川祥一 委員
渡辺淳也 委員(レポート参加)
福津京子 委員
髙橋留智亜 委員
会社側出席者
代表取締役社長 樋泉 実
常務取締役 田中英也
取締役 林 亮一
役員待遇CSR広報室長 国本昌秀
報道情報局長 寺内達郎
編成局長 川筋雅文
CSR広報室部長 岡 仁子
番組担当プロデューサー 多田  健
番組審議会事務局 南部由美

【会社報告】

  • HTB役員人事案について
  • 「とよひら子どもユメひろば」5月26日開催
  • テレメンタリー2013年度優秀賞、HTB制作「ひと口の怖さ~食物アレルギーと闘う子どもたち~」、「12億円の弁明~震災復興 疑惑のNPOを追う~」が受賞。
  • ギャラクシー賞報道活動部門奨励賞、道内各地の小学校訪問での詩集サイロの朗読とHTBノンフィクション「先生、あのね・・・」の上映、小学生による詩の制作授業など、一連の活動が受賞。

【委員の意見要旨】

◇杉村太蔵さんのパートでは、よく通った銭湯、懐かしの下宿、思いを寄せていた同級生の登場と、よい意味で予定調和的な内容。冒頭で石川さんの名前を出し、最後にご本人が登場する構成は、杉村さんの驚きをさらに大きいものにしていた。

◇前半は杉村さんの軽いキャラクターと平成ノブシコブシのかけ合いが漫才のようでおもしろく、後半は高橋ジョージさんの重厚なエピソードでしみじみとさせ、前後半のコントラストにより、最後まで飽きることなく見ることができた。

◇杉村さんの軽いながらも品を漂わせた絶妙な話術により、番組を引っ張っていく力に改めて感心し、引き込まれた。平成ノブシコブシも見届け人としてしっかり機能していた。

◇ツッコミどころ満載キャラとしての地位を確立した感のある杉村さんに平成ノブシコブシがきれいにツッコんでいくという枠組みに安定感があり、心の中で同様にツッコミながら、安心して笑って見ることができた。

◇杉村さんがお世話になった場所や人々、思いを寄せた女性を順にたどる構成に目新しさはないが、このようなジャンルの番組において、視聴者が見たいところを外さないことは重要。予定調和的な構成は、番組のコンセプトに沿っていた。

◇高橋ジョージさんの発する言葉が心に残る。ホルモン屋で「俺の孤独を支えてくれた味」、放火事件への関与が疑われ、足が遠のいていた郷里への帰省を振り返り、「自分の中でぱきんと音がした感じ」など、紆余曲折あった人生のひだひだをうまく表現して、胸に迫るものがあった。

◇高橋さんのシーンは、多くの視聴者の共感を得たと思う。思春期に誰もが持つ嫌な思い出、失敗や後悔、誤解や挫折など、青春時代の苦い経験があるから今の自分があると感じた方もいただろう。

◇「ロード」の歌詞からかいま見えるが、過去にさまざま背負っているであろう高橋さんを帰省させる企画が成立した段階で、この番組の成功は決まっていたように思う。キャスティングまでの経緯などに興味がある。

◇最後に、全校生徒がお帰りなさいと歓迎する中、高橋さんが市長からドリームアンバサダーの委嘱を受ける場面など、故郷に対する過去のわだかまりとの決別をシンボリックに表現しており、感動的だった。

◇帰省とは、懐かしく、うれしく、恥ずかしく、そして、つらく、切なく胸の痛いものだと、対照的な二つの物語を見て、改めて感じた。

【改善点・疑問点・要望など】

◇国体優勝の実力を持つ杉村氏がテニスを断念した理由、国会議員を目指したわけ、輝かしいスポーツ選手としての過去と政治家からタレント稼業への変遷など、人生の紆余曲折にもっと焦点を当ててもよかった。

◇何年ぶりに訪れるという表現、例えば40年ぶりに戻ってきた中学校、17才で上京し、30年以上も帰省しなかったなど、瞬間で理解させるテレビの特性からするとわかりにくいと感じた。○○年ぶりにこだわる必要はなかったのではないか。

◇杉村さんのバスのシーンで、スタッフがカメラに映り込んでいたが、余りよい印象を受けなかった。

◇高橋ジョージさんの胸に残る固くて冷たいしこりが番組内でどのように解けていくのか見届けたい思いで映像を追いかけたが、担任の先生や喫茶店のマスターからその答えが語られることはなく、少し物足りない思いが残る。

◇放火の疑いをかけられた過去にわだかまりを持ちながら、ミュージシャンとして生きていく道を教えてくれた地元からPR大使を命じられるシーンで歌う「ロード」には、故郷への思いを語る肝が凝縮されているはず。そのスペシャルな「ロード」をCDに切りかえることなく、音が多少悪くとも、最後まで聞きたかった。

◇高橋さんのパートに、平成ノブシコブシが絡んでいれば、高橋さんの重い言葉を受けとめる視聴者との間のある種の緩衝剤になったと思う。ドキュメンタリーかバラエティーか、スタンスが曖昧な番組の場合、高橋さん一人で引っ張るには少々力不足だったと感じる。

◇番組のもととなった若手を巻き込み新しいことにチャレンジするという「HTB深夜開拓魂」の趣旨を踏まえ、バラエティーのある種のお約束であるドタバタやお涙頂戴シーンを一度リセットし、新たな試みを探る事も選択肢ではなかったか。

※次回の放送番組審議会は、2014年6月26日(木)です。