番組向上への取組

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番組審議会だより

 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第468回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2014年10月17日(金)
15:00~16:40

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審議対象番組

HTBノンフィクション「対岸の原発 函館市はなぜ国を訴えたのか」

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出席委員
平本健太委員長
作間豪昭副委員長
烏 日 娜委員(レポート参加)
閔 鎭京委員
渡辺淳也委員
福津京子委員
髙橋留智亜委員
森田良平委員
古郡宏章委員
会社側出席者
代表取締役社長樋泉 実
常務取締役田中英也
取締役寺内達郎
役員待遇CSR広報室長国本昌秀
編成局長川筋雅文
番組担当プロデューサー山田佳晴
番組担当ディレクター古川 匡
番組審議会事務局長四宮康雅

【会社報告】

  • 古郡宏章様に委員委嘱
  • 「HTBイチオシ!まつり」5万人に来場いただき無事終了
  • 「CEATEC Japan 2014」に出展
  • 「LOVE HOKKAIDO」ハワイ州でレギュラー放送スタート

【放送番組基準の改正について答申】

HTB放送番組基準の一部改正(民放連の放送基準改正に伴うもの)について妥当であるとの答申を得た。

【審議対象番組についての委員意見要旨】

【評価点】

◇3.11を思い出させる重いテーマだった。海産物が豊かで観光が盛んな北海道第三の都市が、対岸で原発事故が発生した場合、消滅する可能性があること知り、暗澹とした気持ちになった。また、福島県南相馬市の病院長の言葉「よっぽど東京に送電したかったんだろう。腹が立つ!」は、東日本大震災での辛苦がこめられた象徴的な一言だった。

◇函館市が訴訟を起こしたことは、原発設置の方針が覆されることがなくても、国の原発の安全対策強化に繋がるのであれば、無駄ではないと思えた。

◇東日本大震災から3年半が過ぎ、その悲惨さと、引き起こされた福島原発事故の重大さが、日々の忙しさのなかで少しづつ風化している中で、30分という短さの中でも、あらためて原発問題という大きなテーマを認識するきっかけとなった。

◇番組のキーワードともいえる「23キロメートル圏内」が何度も繰り返され、映像でも示され、函館市と大間原発、福島原発と南相馬町の距離を実感として捉えることができた。

◇よい意味での緊張感を強いられながら見た、力作である。函館市が原告となった大間原発差し止め訴訟を主軸に、大飯原発の運転差し止めを求めた福井地裁判決、川内原発の運転再開を認めた原子力規制委員会の決定などの動きも紹介し、国内の原発をめぐる現状がわかりやすく理解できる構成になっていた。

◇漁業補償金や原発マネーによるインフラ整備、2005年当時の公開ヒアリングの映像などを適宜挿入し、丁寧な説明がなされている。また原発事故が起きた際の国道の渋滞予想は、何気ないイメージ図だが、考えさせられるものだった。

◇函館から見た大間原発の近さ、そして、環境総合研究所が示した地図の、大間原発からまっすぐに北へ伸びる放射能の赤い帯に衝撃と驚きを感じた。「こんなに近い」「このように広がる」とひとめでわかる映像の力に圧倒された。

◇工藤函館市長の必死の訴えに「自治体に生命は無く、存立を維持する権利はない」「そもそも裁判を起こす資格はない」と答えた国の非情な反応に怒りが込み上げてきた。函館市が直面している問題を、北海道全体の問題として注視していかなければという強い気持ちがわいてきた。

◇東日本大震災翌月に入社された古川ディレクターの「函館は大間にとって地元ですか?」と投げかけた質問が全てを語っている。視聴者として、一番聞いてほしい言葉だった。30分に制作者の想いをそこかしこに感じ、とても丁寧な取材だった。

◇タイトルが秀逸である。対岸にある大間原発は、果たして函館市、北海道にとって、対岸の火事なのかどうか、古川ディレクターから視聴者に投げかけられた大喜利のお題のように受け止めた。

◇ニュースで聞きなれている大野アナウンサーのナレーションは、番組のトーンに大変マッチして、情緒的な不安を一方的にあおるような表現がなかったことを高く評価したい。

◇函館市が国を訴えたことは地方分権を進めるにあたり、国が自治体をどれほど尊重し、権限を譲るかに繋がっていると考える。番組の中に、国と自治体の関係性を示唆するポイントが多く含まれていた。

◇大変重いテーマに真正面から取り組まれ、非常に密度の濃い番組を完成させた制作担当の皆さんに敬意を表したい。冒頭部分での函館市長へのインタビュー紹介により、訴訟提起に至った市長の考え方の道筋がシンプルに理解できた。

◇函館市が提起した訴訟を軸に、函館市と南相馬市、また函館市の訴訟と今年5月の福井地裁の大飯原発運転差し止め判決とを上手く対比させており、とても良い構成だった。

◇冒頭に、函館山からの市街の映像からカメラがぐるっとパーンし、ズームし、大間原発を映し出す映像、これによって両者の距離的な近さを実感し、心を鷲掴みにされた思い。

◇30分の中にどれほどの情報を入れ、どこまで迫るのかという疑問を持ちながら見たが、場面の切り替えが速く、盛り込まれた情報も豊富で、わかりやすく描かれていた。サブタイトル「函館市はなぜ国を訴えたのか」の看板に偽りのない、優れたドキュメンタリーだった。

【疑問点】

◆原発は日本全国に点在するが、なぜ、函館市だけが原発や国を訴えることを決断したのだろうか?地元でなければ訴える権利がないのだろうか?

◆国や電源開発などのスタンスについての説明がほとんどなかったのはなぜか?また質問に対してのコメントを避けようとする映像だけでは視聴者に、悪印象のみを与えるおそれはないか?

【改善点】

●仕事で疲れた人や、子育てや介護に追われる人たち、問題の概要を知らない人たちにとって、情報量が多く、また展開が速く、理解に苦労するのではと感じた。もう少し整理し、説明を丁寧にしてほしいと思った。

●原発と周辺自治体の関係性について、工藤市長は「30キロメートル県内の自治体は防災計画策定だけが義務づけられている」と述べているが、この番組の肝の部分なので、「原発の建設や稼働について事前同意を求められるのは10キロメートル圏内の自治体だけ」という説明も必要だったと思う。

●大間でも建設が決まってから、それなりに議論があったはずで、そのあたりをもう少し掘り下げた上で、函館市による訴訟によってどのような波紋が大間住民に起きたのかを追求して欲しかった。

●学者コメントの場合、テロップに専門分野が表示された方が分りやすい。

●函館と大間、両岸から迫る見方があってもよかったのではないか。両岸の声や考え方が交わるところがあるのか、あくまでも平行線なのか、読み取れなかったことは残念。

【要望】

※原子力施設をつくるための地元自治体との交渉について大学院で研究した古川ディレクターの貴重な経歴と経験をいかし、これからも常にホットイシューなテーマでありつづける原発問題をライフワークとして取り組んでいただくよう期待している。

※多様な意見のあるテーマに関しては、関係者、当事者のさまざまな考え方や声を注意深くかつ公平に取り上げていただきたい。視聴者自ら考えてもらう、投げかけ、問いかけも、報道機関の大きな役割である。

※裁判は始まりと終りが重点的に報道されることが多いが、裁判の経過を丁寧に描く続編があれば、道民にとっては対岸の問題だが無視できない問題であるとの警鐘を鳴らし続けることが出来るのではないか。

※次回の放送番組審議会は、2014年11月27日(木)です


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