番組向上への取組

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番組審議会だより

 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第475回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2015年6月19日(金)
15:00~16:45

画像
審議対象番組

第20回プログレス賞最優秀賞受賞作品・朝日放送制作「知る重み~出生前診断 家族の葛藤~」
2014年12月28日(日)26:40~27:35

出席委員
平本健太委員長
作間豪昭副委員長
閔 鎭京委員(レポート)
渡辺淳也委員
福津京子委員(レポート)
高橋留智亜委員
森田良平委員
古郡宏章委員(レポート)
遠藤香織委員(レポート)
喜多洋子委員
会社側出席者
代表取締役社長樋泉 実
常務取締役田中英也
取締役寺内達郎
役員待遇CSR広報室長国本昌秀
編成局長川筋雅文
報道情報局長東 直樹
CSR広報室部長岡 仁子
番組担当プロデューサー藤田貴久(朝日放送 報道局報道企画担当部長)
番組審議会事務局長四宮康雅

【会社報告】

  • HTBスペシャルドラマ「UBASUTE」が北海道映像コンテスト2015でテレビ番組部門の最優秀賞を受賞
  • HTB詐欺撲滅キャンペーン「今そこにある詐欺」が第52回ギャラクシー賞報道活動部門選奨受賞。

【審議対象番組についての委員意見要旨】

<評価点>

◇出生前に障がいについて知ることの重みが非常によく描かれており、その妊婦や家族の苦悩または葛藤について理解することができた。

◇巧みなカメラアングルにより、人の心理を深く理解できたこと、物事を多角的にアプローチしながら客観性を保った点、ナレーション、出演者の音声、音楽、テロップが、適宜、使い分けられ、それぞれの役割を引き立たせた構成などを高く評価したい。

◇ダウン症の子を持つ先輩お母さんに話を聞きに行くシーンが良かった。保育園のことや兄弟との関係など具体的に聞いたことで今後の子育てが視聴者も一緒にイメージでき、深く共感できた。

◇生まない選択をしたご夫婦が、エコーの写真を見て、顔のよくわかる写真のプリントをお願いしていた。ほんの短いシーンだが、ご夫婦の気持ちを思い、涙が溢れた。

◇生まれてくる我が子に障がいがあることをあらかじめ知ることの重みを視聴者に伝えたい、視聴者に問題提起をして何事かを考えさせたいという番組の狙いについては、間違いなく成功しており、非常に訴えるパワーのあるすぐれた作品。

◇インタビューを受けてくださる生の声を拾えていることが一番衝撃だった。出産する側、出産しない側の意見や考え方がよくわかり、これを見た視聴者に非常に伝えるものが大きい、すばらしい作品。

◇多くのご両親の率直な気持ちや決断の理由、現在戸惑いを隠せなく、苦しんで選択、決断する方々の気持ちが丁寧に描かれている。中絶後に苦しむ方々の視点から見ると、この番組は共感を覚え、また80%の方が中絶を選んでいる事実は、幾ばくかの精神的な負荷を軽減するのではないかと思う。

◇タイトルカットが出るまでのプロローグが出色だった。医師と向き合う母親が「この年になってやっと授かったから、正直産みたいのです」といった後、「済みません」と泣き崩れるシーンは、これからこの番組で何を取り上げようとするのか、番組が訴えたい出生前診断をめぐるいくつものテーマが浮かび上がってくるようだった。

◇我が子の命の選択という極限の判断を強いられる、それぞれの夫婦に肉迫していた、同じ取材者の立場から敬意を表したい。説明的な部分はできるだけ省き、それぞれの夫婦をクローズアップすることで、リズムと緊張感が生まれていた。

◇知ることの意味が問われている、そして夫婦で決めたことを尊重して、それをサポートするのが私たちの役割なのだと思った。不安と闘う世の中で、いかにさまざまな人のサポートが必要かも問う優れた番組だった。

◇出生前診断そのものに対して、倫理的、宗教的な問題点を指摘し、批判的な声もあるが、生まれる前にさまざまなことを知ることで対応できることが多くなってきた今、出生前診断を一つの選択肢として、さらに、どのように妊婦や子どもへのケアを整備していくのかということを考えていかなくてはいけないのではないかと強く感じた。

◇命にかかわる重たくデリケートな問題を取り上げたる場合、プライバシーへの配慮など、大きな問題が立ちはだかる。事実を伝えるドキュメンタリーとして、現在の出生前診断に直面した家族の苦悩を数組も取り上げることができたのは、ひとえに取材力の高さがあったからであろう。

◇ドキュメンタリーには、今社会にある不正を問い質し、告発し知らしめる、という方向性のものと、主観を交えずに取材対象に寄り添い、その姿を追い続けて、評価は視聴者に委ねる、という方向性のもがあるように思う。今回の作品は、後者のアプローチに立つ、大変優れた番組である。

◇本なら読まなかったであろう、この思いテーマを、放送番組であるからこそ、構えることなくすっと視ることができ、多くのことを知ることができた。

◇クリニックの夫先生が出生前診断を受ける夫妻に対して、冷静に、でも、どことなく温かく接する様子が印象に残った。また、先生がおっしゃる、産むにせよ中絶するにせよ、夫婦2人がとことん話し合って決めることで、その是非は第三者には評価できないのだという言葉が記憶に残った。

◇多くの方々が匿名ではなく、実名で、しかも顔を出して出演している。極めてデリケートなテーマであるにもかかわらず、人々が実名で出演することで説得力がぐっと強まった。また、結びのナレーションである医学の進歩によって知ることの意味が問われているという言葉が非常に重みを持って伝わってきた。

◇相田翔子さんのナレーションは、落ちつきと思いやりが感じられ、重いテーマの中で救いになっているように感じた。

<疑問点・改善点>

◇ダウン症の小児の親子について触れていたが、中高生を持つ親子の様子も知りたかった。成人の健常者と同様な生活がなかなかできないことに対して、親はどこまでサポートができるのか、面倒を見られるのか等を知ることにより、選択の幅が広がるのではないだろうか。

◇医学、医療の進歩に当事者へのケアや社会的なサポートがついていけてない現状への切り込みや出生前診断専門医へのさらに突っ込んだインタビューを聞きたかった。医師の方にとってみても告知する葛藤があるのではないか。

◇とてもよい番組でありながら、根本的に大切なことが抜けていると感じた。そもそも、これは、胎児の人権とは、障がい者に国民の我々はどこまで人権を守れるかという社会問題だと考えるが、何も触れていないことに不満を覚えた。

◇極めて優れた、格的な社会ドキュメンタリーにもかかわらず、ABCもHTBも深夜の編成だった。つくり手が本当に世に問いたい内容であるならば、思い切って、もっと多くの視聴者を見込める時間帯に放送することができないものなのだろうか。

◇民間放送は、営利企業であり、利潤を追求するのは当然であるが、同時に、大きな影響力を持つ放送メディアであるからこそ、自身が正しいと考えること、あるいは、自身が社会に向けて発信しなくてはならないと信ずることに関しては、利潤追求の論理とは別に、すなわち信念あるいは使命感に基づいて、自信を持って確実に発信すべきと思う。

<提言>

◇障がい者サイドから考えた出生前診断の問題点、胎児の障がいの面から中絶を合法化させようとする胎児条項をめぐる論議、採血だけで検査が行えるようになった新方式をめぐる状況など、幾つもの深くて重要なテーマを、息長く追跡していただくよう期待したい。

※次回の放送番組審議会は、2015年7月23日(木)です


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