TOP > HTBについて - 番組審議会だより
番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第486回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2016年7月28日(木)
15:00~17:00
審議テーマ
「テレビ朝日系列の報道について 思うこと・望むこと」
出席委員
平本健太 | 委員長 |
作間豪昭 | 副委員長 |
渡辺淳也 | 委員(レポート参加) |
福津京子 | 委員 |
高橋留智亜 | 委員 |
森田良平 | 委員 |
古郡宏章 | 委員 |
遠藤香織 | 委員 |
喜多洋子 | 委員 |
鳥居マグロンヌ | 委員 |
会社側出席者
代表取締役社長 | 樋泉 実 |
常務取締役 | 國本昌秀 |
取締役 | 森山二朗 |
役員待遇コンテンツ事業室長 | 川筋雅文 |
報道情報局長 | 東 直樹 |
編成部長 | 伊藤伸太郎 |
番組審議会事務局長 | 斎藤 龍 |
【会社報告】
- 「北海道新幹線で行こう 東北・北海道 大人旅」北海道映像コンテスト2016で優秀賞受賞
- 参議院選挙特番報告
- 水曜どうでしょうキャラバン2016
- HTBイチオシ!まつり、8月26日~28日開催
【審議対象番組についての委員意見要旨】
●「報道ステーション」の時間帯の番組にはもっと物議を醸すようなところをあえてついたりするようなところがあっても良いのではないかと感じている。「報道ステーション」に限らず、当り障りのない淡々とした構成が番組の中立性を担保するとは思えない。一つのニュースに対して独自の視点やさまざまな切り口を視聴者に提供することでその番組の特徴や魅力が生まれるものと思う。様々な立場の視聴者に判断や思考の材料をより多く届けられるのではないか。
●テレビ朝日は自主自律がなされているが、言論の自由という意味では物足りない気がする。「報道ステーション」は、古館さんが出演していた頃は見ていた。「それ、それ私も思った」と、共感する内容も多くて、かゆいところを突いて、時々、専門家にも鋭く突っ込んでいく姿勢がとても楽しく、報道としてスパイスがありすぎたのかもしれないが、そういうスタイルが好きだった、
●高市総務大臣の発言に対し、新聞は相当に反応し、日弁連も政府見解の撤回と報道の自由の保障を求める意見書を出している。しかし、テレビそのものは、この件についての取り上げ方は低調だったように思う。そんな中、「報道ステーション」は問題点も含めてきちんととりあげていた。伝えるべきものを伝えるためには、相当な覚悟を持って番組制作をしなければならない時代に入ってきたと思う。そういう時代において報道を自主規制するのではなく、しっかりした取材に基づいて伝えるべきことはきちんと伝えるという報道姿勢を求める。
●日本には、フランスにはほとんどないインフォテインメント番組が多い。最初は新鮮に感じたが、芸能界やや行列のできる店、また「ド根性野菜」などの話題を大きく取り上げれば、国民があまり考えなくなるではないかなといつも思ってしまう。「報道ステーション」については、外国人の発言は字幕表示で問題ないが、朝やお昼の番組では、外国人の声が吹き替えになっていることが多い。その吹き替えがなぜかアニメや映画のような声になっていて不愉快に感じることがある。
●視聴者がテレビに期待することのひとつに間違いなく質の高い報道がある。正確・迅速、公正・中立といった言葉が浮かぶが、ニュースワイドや報道番組のパッケージへの期待だと思う。以前の「報道ステーション」は、キャスターの非常に鋭い反応ぶりや強烈な発信力に感心する一方で、どこか綱渡りのような緊張感というか、際どさを感じる部分があった。過激な意見や奇矯な言説は、長い目で見て報道への信頼性の獲得とは別の方向に番組を進めてしまうのではないか。
●最近は、世界のテロ事件だけではなく、国内で悲惨な事故が多発し、悲惨な映像とともに分刻みに放送されている。悲しみや不安な気持ちのまま明るい話題やスポーツニュースが流され、キャスターや出演者たちが表情やコメントを切りかえているのを見て、違和感と嫌悪感さえ覚えることがある。番組の中に多くのものを取り込み過ぎなのではないかと感じる。私自身はこの流れにはついていけず、テレビ離れの原因になっていると思う。
●「報道ステーション」は、キャスターが交代してから見ていなかったが、今回視聴し、コメントが単調で、いい人過ぎて、何か物足りない感じをもった。今後要望することは、政府の動きを淡々と伝えてほしいということ、そして、小学生や中学生が取り組んでいることや、子どもが主役のニュースを多くしていってほしいと思った。
●報道番組でありながら、どんどんバラエティー寄りになっていると感じ、閉口することがしばしばある。7月27日の「スーパーJチャンネル」では、しんみりしたシーンでいきなりCMに入った。派手なCMが流れた後、続きの映像が流れる。これが今風なのかもしれないが、正直、気持ちの切りかえがつかず、ついていけない。バラエティー番組で、CMを挟んで視聴者を引きつけるような場面であればよいが、情報番組などではCMごとにコーナーを分けたほうが安心して見ることができると思う。
●昨今、政府・政権与党は、放送法第4条第1項第3号の政治的に公平であること等を根拠に、放送事業者への牽制を強めている。しかし、そもそも報道とは、国民の知る権利との関係からも、権力を監視し、批判する構造をとらざるを得ないものだ。ここに言う政治的公平とは、第3条の何人からも干渉されないということを前提に、むしろ、放送事業者が権力に支配され、あるいは、おもねるような報道をしてはならないという意味として理解すべきである。報道は何よりも国民の知る権利に奉仕しているのだという強い矜持を和ずれず、その報道の価値は、最後は国民が決めるのだということを信じて、力強く、粘り強く、繰り返し、事実を伝えてほしい。
●本来は別々の報道機関であるテレビ局と新聞社は、基本的には独立しているべきで、いわゆるクロスオーナーシップは、一般にマスメディアの集中排除原則からして適切ではないと考えられている。一般に弊害は、放送と新聞が相互批判できなかったり、相互の問題点についての報道を回避したりする点にある。テレビ朝日系列の報道には、こうした弊害を乗り越えて、放送と新聞とがお互いに適正なプレッシャーを与え合いながらもネットワークのパワーを適切に発揮し、間違った権力に大きな声で否と言いつつ、良心的な報道をしてもらいたい。
※次回の放送番組審議会は9月29日(木)開催予定です。