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HTB 北海道テレビ放送 会社案内

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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第487回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2016年9月29日(木)
15:00~17:00

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審議テーマ

HTBノンフィクション「選挙?マジか!~18歳、初めて投票した夏~」

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出席委員
平本健太 委員長
作間豪昭 副委員長
渡辺淳也 委員(レポート参加)
福津京子 委員
高橋留智亜 委員
森田良平 委員
古郡宏章 委員
遠藤香織 委員
喜多洋子 委員
鳥居マグロンヌ 委員
会社側出席者
代表取締役社長 樋泉 実
常務取締役 國本昌秀
取締役 森山二朗
役員待遇コンテンツ事業室長 川筋雅文
報道情報局長 東 直樹
編成局長 福屋 渉
CSR広報室長 岡 仁子
番組担当プロデューサー 渡辺 学
番組担当ディレクター 雑崎 徹
番組審議会事務局長 斎藤 龍

【会社報告】

  • 台風関連の放送対応について
  • 日本民間放送連盟賞 特別表彰部門 放送と公共性で、「イチオシ!」内「老いるショック」シリーズが優秀賞受賞、青少年向け番組で、HTBノンフィクション「おはよう。いただきます。さようなら。~弁華別小 最後の一年~」が優秀賞受賞
  • 映文連アワード2016、TOYAから明日へ「とけてゆくスイス~氷河×光×地球の未来~」が優秀企画賞受賞
  • 「HTBイチオシ!まつり」、58001人にご来場いただき盛況裡に終了

【審議番組についての委員意見要旨】

<評価点>

●番組の目標が「18歳のリアル」に選挙という営みがどう映っているのかをきちんと正面から捉える、というものであったとすれば、その視点からはいい番組だったと思う。

●番組タイトルが、内容に合致していた。友達に語りかけるようなナレーションとともに、とても成功していると感じた。18歳の目線を疑似体験し、この夏の選挙を振り返るきっかけとなったいい番組だった。

●しっかりと若年層の考える過程を密着して取材したという点で、意識把握をしようとした努力はすばらしいものがあると思う。やや不自然だが、一人一人の自発的行動を追跡した点においても問題ないと感じた。

●対照的なスタンスの18歳の2人の若者にフォーカスしてテーマに迫った手法は、内容が整理された印象があり、わかりやすく視聴者に伝えようという制作側の工夫を感じた。男性と女性、都市と地方、戸惑い派と積極派という2人による対比的な展開は、目配りの面でもよかった。意識の高低など、一つの尺度で評価しないところは参政権を扱う番組として適切であったと考える。

●島田さんと川口さん、こんなすてきな2人によく出会えたなと感じた。子どもたち一人一人のコメントが今の大人社会をよくあらわしている、また、若者の言葉をよく拾い上げているなと思った。

●島田さん、川口さん、この2人がすばらしい役回りを果たしてくれていた。島田さんが長谷川候補の立会演説を聞いていた場面は、最後には候補者らと一緒に選挙カーの前に立ち、頑張ろうとこぶしを突き上げる。18歳の若さがとてもよく伝わるエピソードだった。川口さんは、共産候補の事務所で、自衛隊をなくした後の国防ってどうするのですかと質問していたが、ナレーションにあったように、まさに直球と感じた。

●島田さんも川口さんも優等生といえる。残り6割の若者、そして残り5割の日本人全体と、政治をどう考え、どのようにこの国を進めて行くべきなのか、深く考えさせられる番組だった。その中で、「自分で情報を集めないとどうしようもないなと思った」という川口さんの言葉に一筋の光明を見いだした思い。

●最後の締めくくりで川口さんは、「選挙が終わってしまったら政治の意識が薄まっていく、ずっと見ていかなきゃと思った」と言い、島田さんは、「いろいろなことを調べてみて、意外と政治がおもしろいと思った」と言った。2人から投票後にこんな言葉が引き出せたのはすばらしいと思う。

●きょうは何の日かという街頭インタビューに、「納豆の日」と答えた若者が印象的。18歳といえば、親や周りの影響を強く受けるだろう。18歳を取り巻く大人がどう選挙に向き合っているかが18歳、19歳が選挙にどう取り組むかの結果につながると感じた。

●若者に語りかけるナレーションが、番組を引き立てていた。

●18歳のリアル、18歳の意識の変化を見せながらも、実は大人に政治にコミットする姿、政治にコミットすることの意味をもう一度思い出させる番組としても成立していた。

<要望・改善点>

◇タイトルの「選挙?マジか!」に少し違和感を覚えた。「マジ」が入っているからといって、若者が特に番組を見たくなるか疑問に思う。

◇ちょっと上から目線なナレーション、若者はこうであるというような決めつけが番組全般にあることに不快感を覚えた。政治の問題を掘り下げるときのスタンスのあり方についてもう少ししっかりと考える余地がある。

◇島田さんも川口さんも、1人で調べるという姿を追っていたが、もっと家族の中で語られたり、仲間の間で語り合っていないのかなと疑問に思った。

◇対比的なやり方ではなく、例えばテレビ局が川口さんにレポーター役を担わせた上で選挙を取材し、彼女のコメントや感想を挟むという進め方のほうが、18歳の見た選挙としてのインパクトがあったかもしれない。

◇これは年代の問題なのではなく、日本の国民の問題なので、特に18歳などの未成年層にのみクローズアップされる問題ではありません。同じような質問を他の年代にしたところで、同じ回答も返ってくるだろう。

◇この番組が誰に何を訴えたかったのか、やや不明確な感じを受けた。これは選挙権年齢の見直し、引き下げがさほど大きなテーマとして社会に受け取られておらず、一般的な関心が高くないため、制作側の問題意識がいま一つ見る側に伝わりにくかったという事情もあったかもしれない。

◇北海道内の若年層の意識調査をやるべきだった。

◇なぜ投票に行かなかったのですか、それとも、投票に行けなかったのですか、どうしたら投票に行こうと思いますかという質問をしてほしかった。

<提言>

★投票に行かない人、行けない人の真実を深く掘り下げて取材してほしい。本当の意味での民主主義とは、望ましい選挙制度にするためにはどうすべきかを問う番組づくりをしてほしい。

★平時の政治について若者が、どのような意識でいるのかを掘り下げるようなテーマでの取材も必要なのではと考える。

★テレビ局においても、今後も若者やその他世代も含めた主権者を定点的に観測し、そこに垣間見えるものを通じて、社会を映し出すような番組作りに取り組んでほしい。

※次回の放送番組審議会は10月27日(木)開催予定です。