番組向上への取組

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番組審議会だより

 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第494回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2017年5月26日(金)
15:00~17:00

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審議番組

テレメンタリ―2017「偽りの捜査 20年目の再審が封印した真実」

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出席委員
平本健太委員長
作間豪昭副委員長
古郡宏章委員
遠藤香織委員
喜多洋子委員
鳥居マグロンヌ委員
深江園子委員
斎藤 歩委員
稲井良介委員
会社側出席者
代表取締役社長樋泉 実
常務取締役國本昌秀
取締役森山二朗
役員待遇コンテンツ事業室長川筋雅文
報道情報局長東 直樹
編成局長福屋 渉
CSR広報室長岡 仁子
番組担当プロデューサー山田佳晴
番組担当ディレクター高野 圭
番組審議会事務局長斎藤 龍

【会社報告】

  • HTB 北海道onデマンド会員数の状況
  • 新企画「あなたと選ぶ重大ニュース 朝日新聞×HTB 北海道150年」スタート
  • 北海道大学とのコラボレーションについて

【審議番組についての委員意見要旨】

<評価点>

●何が問題なのかを自分が正しく理解していなかったことに気付かせてくれた番組。

●人間として怒りと悲しみがわいてきて、とても惹きつけられる番組構成だった。

●経緯の解明を行わない検察、事実に蓋をすることを急いだ乱暴な裁判。新聞だけでは、そうした読み解きができなかった私にとっては、新しい知識だった。この番組の意義は、これに尽きるといってもよい。

●事件を「偽りの捜査」に絞って、ある意味大鉈を振るって乱暴に構成し直したことで、いい番組になっている。事件の法律的な争点が解らなくても、この番組を見れば、当時の道警が組織として事件を作り上げた上で事実を隠蔽し、偽証をし、それを封印し続けたということが理解できる。

●極めて中身の濃い、充実した秀作。限られた時間だからこそ、無駄をそぎ落とし、最も印象に残る取材対象者の言葉や場面を厳選して盛り込もうと、番組の作り手の皆さんが苦心し、工夫した成果であろう。

●「20年前・・・ベタ記事で報じるだけの小さな事件だった」というナレーションに引き込まれた。その後、車はトンネルを抜ける。すると20年前に引き戻され、文字通りタイムトンネルを抜け出たような感覚を覚えた。

●この番組のおかげで、アンドレイさんの事件の真相が分かった上に、警察のおとり捜査や偽証などがいまだに起きているという事実を知り、これらを防ぐように対策が必要だと実感できた。

●事件に関係した人物を登場させ、それぞれの立場で事件を回想させるという手法は、ドキュメンタリーとしては定番で手堅い作り。また道警幹部OBに対する突撃取材も、十分なコメントは得られなかったものの迫力がある。こうした取材力に、頭が下がる思い。

●稲葉氏へのインタビューも解りやすかったと思う。また、当時捜査協力者であったパキスタン人に対するインタビューはこの番組の白眉だった。よく所在を探り当てて、成功させたと思う。

●アンドレイさんが、「罠にはまった」と感じた瞬間の恐怖。小樽の埠頭での詳細な描写を、証言で描いたのはとてもよかった。

●再審請求審における「およそ犯罪捜査の名に値しない」との言葉は、極めて責任回避的でしらじらしいものだが、これを重苦しいBGMとともに文字だけで見せたのは、とてもいい演出だった。

●共謀罪に関わる組織的犯罪処罰法の成立可能性が日々高まりつつあった放送時点において、警察の成果主義という組織的論理によって、犯罪のでっちあげや冤罪が半ば制度的に産み出され得る可能性を示唆するエンディングもきわめて不気味で効果的だった。

●アンドレイさんが無罪となれたことに本当に安堵した。当然のことが当然であるべきなのに、そうはならない国に住んでいることに恐怖を覚えた。

<要望・改善点>

◆番組の副題に照らして、「20年間封印された真実が本当のところ何だったのか」についての突っ込みがやや足りないことが残念。

◆あと一歩、どうにも歯がゆい感覚が残った。警察内部で起きた過剰な成果主義ゆえに起きた事件の「全体状況」を示し、事件に対する異常な取扱い姿勢から、この事件が作られたのではないかという「疑い」を改めて述べて欲しかった。

◆去年の2件の交通違反切符の偽造に関する有罪判決と、警察組織上層部まで関与した組織的な犯罪のおそれがあるアンドレイさんの事件を同列で扱ってしまっていいのか疑問が残る。

◆パキスタン人が本当に反省しているかよく分からなかった。もっとジャーナリスティックなインタビューにより、彼の真意を聞き出してほしかった。

◆今回の番組では、検察と裁判所という、主要な関係主体に対する取材がほとんどない。また裁判所が、最初の公判の際に、不法なおとり捜査の可能性に対して、結果的には十分に配慮しなかった点も、もう少し丁寧に言及されるべきだった。

◆番組において強調されていたのは、検察側が争う姿勢を示さず、即日無罪となったことで、法廷において違法捜査の審理がなされなかったという事実だった。番組タイトルは、「捜査」ではなく「裁判」がむしろ適当ではなかったか。

◆検察官が、自らの立証を放棄することで弁護人の立証を封じ、またもや事実を隠蔽した。この不当性、不正義について、是非、もっと突っ込んで欲しかったというのが弁護団であった私の正直な気持ち。

◆人生の2年間を奪われたことに対するアンドレイさんへの賠償について触れてほしかった。

<提言>

☆今の日本にある、政府や警察などの組織での隠ぺい体質をあぶりだす続編を是非制作していただきたい。メディアの追求するパワーに期待する。

☆事実は単体でなく、常に前後背景の中に存在するのだという「観る側の想像力」が働くよう喚起することは、今のテレビ番組には大切だ。

※次回の放送番組審議会は6月29(木)開催予定です。


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