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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第495回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2017年6月29日(木)
15:00~16:30

画像
審議番組

「“眠れる食資源”を掘り起こせ!~道北の小さな町・天塩町の快進撃~」

出席委員
平本健太 委員長
作間豪昭 副委員長
遠藤香織 委員
喜多洋子 委員
鳥居マグロンヌ 委員(レポート)
深江園子 委員
斎藤 歩 委員
稲井良介 委員
高橋多華夫 委員
会社側出席者
代表取締役社長 樋泉 実
常務取締役 國本昌秀
取締役 森山二朗
役員待遇コンテンツ事業室長 川筋雅文
報道情報局長 大羅富士夫
編成局長 福屋 渉
CSR広報室長 岡 仁子
番組担当プロデューサー 勇 寿憲
番組担当プロデューサー 山﨑秀一
番組担当ディレクター 山田吉則
番組審議会事務局長 斎藤 龍

【会社報告】

  • 高橋多華夫氏に放送番組審議委員委嘱
  • HTBがANN月間賞受賞
  • 黒龍江省電視台・HTB友好提携30周年記念式典を実施
  • SNSの複合的展開について

【審議番組についての委員意見要旨】

<評価点>

●「眠れる食資源」というタイトルがよい。冒頭から天塩町に何があるのかと強い興味を持った。

●地方創生人材支援制度の具体例と小さなまちで頑張っている人々の姿を紹介してくれてとてもよかった。

●過疎化や高齢化が進む天塩町に人脈と行動力を持った若くて異色の齊藤副町長がやってきたことでかつてない動きが始まっていくさまを、限られた尺の中、テンポよく描いている佳作。

●ベテラン町議の自宅で料理をする様子も盛り込むなど、密着のうたい文句が決して大げさではないよく取材された内容。

●ドローン空撮なども美しく、23分強の番組を一気に見終えた。

●冒頭の崖っぷちのまちという言葉が心に刺さり、次いで逆転のストーリーを予感するナレーションに期待が膨らみ、原稿もナレーターもドラマチックで引き込まれた。

●道内各地の自治体がうらやむような内容だった。サクセスストーリーが実に順序よく、わかりやすく実例を示し、東京のしゃれたセレブ達をうならせている表情やイタリアレストランのシェフのコメントなど説得力のある構成。

●日本の政策上で何を目的とし、誰が奮闘しているかを具体的に見つつ、地域住民にも中央にもスポットがある点がとてもおもしろく感じた。

●この番組はサクセスストーリーの紹介番組としても、天塩町のあるいは天塩町の産品のPR番組としても成功していた。

●このまちでは本当においしいものは売っていないなど、共感できる言葉、視聴後も考えさせられる言葉が幾つも引き出されていた。

●短い番組の中に、現在の天塩町の映像だけではなく、江戸時代の北前船の港として栄えたことや大正時代のまち並みの写真を紹介していたのも、まちについてのイメージを膨らませる上でよかった。

●地域住民の思いだけではなく、外務省キャリアの奮闘、地域おこしへの全員の思いをしっかりと見ることができた。第三者的な政府主導とするだけで効果的なまちおこしが短期集中でできるのかもしれないなと感じた。

●岸谷五朗さんのナレーションも聞きやすくて番組によくマッチしていた。

●最も興味を引かれたのはサケの山漬けだった。初めて知った食材で、漁師しか食べていなかったと紹介されており、なるほどと納得した。

●天塩の知られざる食資源をみずからのフットワークで掘り起こし、自身のネットワークを最大限に活用して、それらを磨き上げ、付加価値を飛躍的に高めようとする齊藤副町長のバイタリティーには頭が下がる思い。

●アップテンポなBGMは、深刻さとは正反対の明るさを付与することに効果的。

<要望・改善点>

◆地方はよい素材=原石を供給してくれればそれでいい。あとは中央にいる一流の我々が一流の技で磨き上げ、原石に高い付加価値をつけるというある種の見下し感がかいま見えた。

◆一流が少し強調され過ぎているのではないか。一流と言われている人たちだけではなく、普通の若者たちとコラボする場面などがあればよかった。

◆サケの山漬けやサフォークが今後も持続的に大消費地の需要に応えられるのだろうか。数件の成功例だけで本当にその地方の創生につながるのか、シジミをどのように大消費地に運ぶのかという輸送手段やコスト問題などがとても気になった。

◆全てが齊藤さんにかかっているという印象を受けた。彼が天塩町から離れたらどうなるかが少し気になった。番組を見る限り、彼の仕事を継ぐ人材が育成されているかはわからなかった。

◆地方創生人材支援制度が地域に何をもたらしたのか、足りない部分は何か、どうすればよりよい制度に改善していけるのかといったことについても問題提起ができるのではないか。

◆海がある以外、天塩とカラブリアの類似点がわからない。気候が全く違い、地形も天塩が平らなのに対しカラブリアは絶壁で有名。その言葉を信じて訪れたらがっかりするかもしれない。

◆道民であればサフォークが羊の品種であることはわかるが、北海道以外の人たちにもわかるように簡単な説明を加えたほうがよかった。

◆真の地方創生とは地方が食材を初めとする資源の単なる供給基地になることでは決してないはず。こうした視点が加味されていると番組の奥行きが一層増したのではないか。

<提言>

☆快進撃を終わらせないためにも今後の番組制作においてさらに問題の根本を掘り下げてほしい。

☆このような番組が広く視聴されることで、地方を活性化させるためには何が必要なのかを考えるきっかけが視聴者や行政の間で共有されるようになることを期待したい。

※次回の放送番組審議会は7月27(木)開催予定です。