北海道テレビ:HTB online 医TV

2017年10月26日14時30分

著者名:HTB医pedia編集部

がん診療における緩和ケアについて考える

  

「公益財団法人日本対がん協会」では、1960年から毎年9月を「がん制圧月間」と定め、「がん検診」の受診喚起や、がんの正しい理解を得るために、全国の組織をあげて取り組んでいます。
今回は、「がん診療における緩和ケア」について紹介します。

厚生労働省による「第三期がん対策推進基本計画」では、「がん治療」の目標に、患者の希望を取り入れた医療を推奨しており、「がん治療」も、患者の年齢、仕事、出産など様々な背景を考慮し、生活の質(QOL:quality of life)を重視した治療方法に変化してきています。
「がん診療における緩和ケア」とは、がん治療に伴う「身体的」、「心理的」、「社会的」な問題に加え、死の恐怖を抱えるといった「スピリチュアル」な問題まで緩和させ、「がんと共に生きる」ことを目指しています。

「札幌医科大学付属病院 腫瘍センター緩和ケア管理室」では、「麻酔科医師」、「精神科医師」、「薬剤師」、「看護師」、「臨床心理士」、「医療ソーシャルワーカー」が一堂に会する、定期的なカンファランスを実施することで、「がん患者」の抱える、様々な問題に対応しています。
中でも、「精神科」は、「がん治療における緩和ケア」として、患者の不安を軽減させることのみならず、「せん妄」と言われる「意識混濁」による危険行動が起こらないように、精神的に落ち着いた状態を維持するべく、サポートしています。また、「札幌医科大学付属病院」では、「がん患者」同士の交流の場として、「ヨガ教室」、「街を歩こう会」などを開催し、生きがいのある生活を支援しています。

「がん」と診断される以前のように、継続して生活を送れるように支えるのが、「がん診療における緩和ケア」です。今日では、様々な研究から早期からの「緩和ケア」が推奨するようになっています。
北海道内の「がん診療連携拠点病院」と認定された病院には、「緩和ケア科」が設置されていますので、「がん治療」にあたって、身体的に辛い症状や精神的に不安なことがあれば、お近くの「がん診療連携拠点病院」の「緩和ケア科」を受診し、相談してみてください。

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