北海道テレビ:HTB online 医TV

2017年10月26日14時33分

著者名:HTB医pedia編集部

がん遺伝子外来 北海道がんセンターの取組み

  

「公益財団法人日本対がん協会」では、1960年から毎年9月を「がん制圧月間」と定め、「がん検診」の受診喚起や、がんの正しい理解を得るために、全国の組織をあげて取り組んでいます。
今回は、患者個々の病態に適した、個別化治療を行うための「網羅的がん遺伝子解析」について紹介します。

以前のがん治療は手術による「外科療法」が中心でしたが、近年、抗がん剤による「化学療法」や「放射線療法」等の研究や技術が進歩し、がんの種類やステージによっては手術と変わらない効果が認められています。中でも、「化学療法」は、従来であれば、胃がん=Aという抗がん剤、肺がん=Bという抗がん剤、というように「がん」の発症した臓器別に、抗がん剤を投与していましたが、現在の「化学療法」では、患者個々の「がん細胞」の遺伝子を解析し、遺伝子レベルで「薬剤」を選択するという方法がトレンドとなってきており、これを患者個々の病態に即した個別化医療=「プレシジョン・メディシン」といいます。

「北海道がんセンター」では、「がん遺伝子外来」を開設し、「がん」発症の原因となった遺伝子を網羅的に解析することで、患者個々の病態に即した精度の高い個別化治療に取り組んでいます。

「北海道がんセンター/がん遺伝子外来」での「網羅的がん遺伝子解析」は、正常細胞をがん細胞に変異させる遺伝子=「ドライバー遺伝子」を、網羅的に160種も発見することで、「保険診療で効果が期待できる治療薬の特定」または、「先進医療(保険診療適用外)で効果が期待できる治療薬の特定」というように、「遺伝子異常別の治療薬の選択」を、患者に提示することが出来ます。
また、「北海道がんセンター」は、がん治療の「拠点病院」であることから、「がん」に関する情報が集約されている共に、全診療科の医師が参加する「症例検討会」の開催によって、各種症例の情報の共有を進め、がん治療の支援を行っています。

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