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ミエルヒ撮影日記

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横綱

2009年10月24日(土)

劇団グリングで青木豪の芝居を支える横綱女優萩原利映さんが現場に入って幾日経ったでしょう。
さっきね、萩原さんの演技見てたら、もらい泣きしてしまってさ。道端でね。
したらさ、
ぼんやり思ったんだよ。
役者ってなんだろうって。
名優たちの芝居をそばで見ているうちにね、役者とか演技とかいうものが、なんだろう、だんだん分かんなくなってきたんだね。
きっと役者ってあれなんだろうね。カメラの前に立つその瞬間に、胸の中で溢れるものを、表にこぼせる人のことを言うんだろうね。そうすると演技って、溢れるものをこぼすことってことになる。
何を言いたいかというとね。
役者の胸を溢れさすためにはね、役者は、入れる。溜めるということをその前のどこかで、絶対してるんだということだと、不意に思ったんだよ。

つまり、現場に入って、自分の中に何も入っていかない人は、結局カメラの前で何も溢れさすことはできないから、演技はできないということになるのかもしれない。
そんなことを、萩原さんと立ち話するうちに、ぼんやり思い付いてしまったわけです。
萩原さんは、タバコ好きだもんで携帯灰皿も特大です。
ありがとう萩原利映!
もう出番は終わったから帰っても好いんだよ。
帰りたがらないようだけど。

嬉野 雅道