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適正化か?切り捨てか? 介護保険で"要支援"の介護が変わる

2016年8月10日放送

2015年度から介護保険の利用者のうち、
比較的症状が軽い要支援1と2についての制度が変わります。
全国一律のサービスではなく、市町村ごとの事業になります。
道内で該当する人はおよそ10万人。
今回の制度変更には、膨らみ続ける介護費用を抑える狙いがあります。
そのため、受けられるサービスが減るのではないかという不安が広がっています。

最も大きなポイントは、介護サービスの負担率や料金を
各自治体が自由に決められるようになったことです。
札幌市はすでに、独自の料金改訂を公表しています。
これまで、時間や回数に関わらず月ごとに定額としていた、
要支援の人のデイサービスやホームヘルパーの一律料金を廃止します。
札幌市は「利用者にとって選択の幅が広がる」としていますが、
料金引き下げは事業所にとっては死活問題です。
札幌市などでリハビリに特化したデイサービスを運営する事業者は
「運営が厳しくなる事業所が出てくると思う。高齢者が行き場を失うのが、
一番あってはいけないことだと思う。」
と、不安を漏らしました。利用者を増やすために、今後は週末の営業も検討しているといいます。

来年度からの制度変更には、もう一つ大きなポイントがあります。
これまで特定の事業所にしか出なかった介護報酬を、
NPOや有償のボランティアにも出せるようにします。
ねらいは、ボランティアなどの活用で、費用を抑えることです。

しかし、20年前からお年寄りの生活支援を行っているNPO法人
「札幌微助人倶楽部(びすけっとくらぶ)」では、
今後、札幌市から新たな介護制度に基づく生活支援サービスの提供を求められても、
請け負うのは難しいと考えています。
専門家も、NPOやボランティアなどを頼るにも限界があると指摘します。

ボランティアやNPOを育成することも任されてしまった自治体。
上手くいかなければ、住む場所でサービスの格差が生まれる可能性もあります。
来年度を皮切りにサービスの仕組みはどんどん変わります。
今後、どんな問題が起こるのか、
自分の住む地域の動きを利用者側もしっかりチェックしていく必要がありそうです。

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