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高齢者の貧困~年金だけじゃ足りない もみじ台団地~

2015年9月28日放送

札幌市厚別区の市営住宅「もみじ団地」に住むリキエさん・84歳。
60代で夫と離婚し、一人暮らしをしています。
月の収入は7万5千円ほどの年金だけです。
リキエさんは魚や果物、お菓子はめったに買いません。
贅沢はできないといいます。また、自宅で湯釜にお湯をためたこともありません。
「たまにザブッと肩まで入りたいなって思うよ。」

切り詰めても、光熱費は毎月1万円ほど。冬はさらに暖房費1万円がかかります。
家賃が4320円なのが救いですが
医療保険などを払うと、食費や交際費に使えるのは4万円あまりです。
道内に住む2人の息子も生活が苦しいため、頼ることはできないといいます。
それでも、生活保護は肩身が狭くていやだというリキエさんです。

「もみじ台団地」には現在およそ1万人が住んでいます。
そのうち4割近い3800人ほどが高齢者です。
団地の中にあるスーパーで月に一度開かれる「よろず相談会」では
生活費に困るという相談がいつも寄せられます。

福祉のまち推進センターの佐久間さんは「健康状態など不安が多いなか、
経済的な不安も加わり、鬱っぽい状況になったりする人もいる。」と話します。

内閣府の調査では平均年収の半分以下で暮らす、貧困世帯の割合は
年齢とともに増える傾向にあります。
特に多いのは高齢者の単身世帯で、
男性の38.3%、女性の52.3%が貧困状態にあるといいます。
1人で暮らす高齢女性の半数以上が貧困にあえいでいるのです。

月7万5000円の年金で暮らす佐藤さん。
要支援1に認定されているため、介護サービスを受けることもできますが、
出費を抑えるため、利用していません。
苦しい家計で真っ先に切り詰められるのは交際費。
人と会わなくなった高齢者が自宅で亡くなり、気づかれないケースは、
もみじ台団地でも 毎年のように起きています。

「貧困」による「孤立」を少しでも食い止めようと、
もみじ台地区では社会福祉協議会や介護予防センターなどが協力し、
さまざまな無料イベントを開いています。
交際費を削る→知り合いが減る→自宅にこもる→孤独死という負の連鎖を止めるため、
少しでも地域のお年寄り同士で交流してもらうのが狙いです。
歌が好きなリキエさんも民生委員に誘われ初めて参加し、
「楽しかった!演歌が聞けて死んでもいいと思ったよ」と喜びを口にしました。

20年後の2035年、日本は3人に一人が高齢者になり、
そのうち一人暮らしは20%以上になると予想されています。
貧困に苦しむ高齢者はますます増えていくとみられています。

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