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高齢者が戻ったマチ 廃校を施設に変えた看護師の挑戦

2017年4月 4日放送

日高地方浦河町野深地区。
去年10月、廃校になった小学校がサービス付き高齢者向け住宅「ルピナス館」として
生まれ変わった。
立ち上げたのは30年以上看護師だった55歳の女性。

漁業と牧畜の1次産業の従事者が多い浦河町の高齢化率は28.4%。
1次産業は仕事柄、早朝から夜まで家をあけ、家族が高齢者の面倒をみることが
できないことが多い。
そのため町内の施設は常に満床。100人以上の高齢者が待機していると言われている。
施設を求め札幌や苫小牧、帯広などに移り、住み慣れた町を離れなければならないことも。

認知症の82歳の男性(要介護度2)はおととし、十勝の広尾町のグループホームに入所。
町内に受け入れ施設が見つからなかったからだ。
浦河町から広尾町までは車で2時間以上。
家族は男性と会えるのが2ヵ月に1度ほどだった。
しかし、ルピナス館の完成で、浦河町に戻すことができたと家族は喜んだ。

93歳の女性(要介護度2)は昆布漁師の妻。
後を継ぐ息子の大変さを理解し、ルピナス館に入ることを承諾した。
息子たちも町内に施設ができてよかったと胸をなでおろす。

一念発起でルピナス館を開いた女性は自分の経験を生かし
在宅酸素や点滴、インシュリン注射など一般的な高齢者施設で難しいとされる対応も行う。
医療依存度が高い高齢者を受け入れることがなければ、たとえベッド数だけを増やしても
浦河町を離れなければならないケースは減らないと考えたからだ。

廃校を取得する資金には退職金を充てた。
莫大な改装費のため、銀行の融資を受けた。
「借金だらけです」と女性は話す。
しかし、住み慣れた町で安心した老後を過ごしてほしいという気持ちと、周囲の援助が
女性の挑戦を後押ししている。

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