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6月21日 原付西日本第5夜

藤村 | 2000. 6/23(FRI) 22:29


 まずはお詫びです。

ここ数日、システム上の異常が発生し、HPの更新、みなさまの書きこみの登録ができない状態が度々起こりました。

7月5日ごろより、システムの容量が大幅に改善される予定です。

「どうでしょう」休止期間中もこのHPは、活発な活動を続けていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

さて、原付西日本も5週め。

「姫だるま」さん、なかなかの美人でございましたでしょう?
本当にやさしくて、なんともいえない「いい顔」をしてるんだ、これが。

「後藤さん」という女性が、ひとつひとつ手作りしているものです。
「後藤さん」も本当にいい方で、我々はお茶をごちそうになり、ぽかぽかと気持ちのいい庭先で、ひとしきり「だるま」談義に花を咲かせてしまいました。

「お見合い」のシーンを編集しながら、「あぁ、なんてのんきな番組なんだろう・・・。草っぱらにゴザをしいて、だるまのお見合い・・・うん、いいじゃないか、実に・・・」そんなことを思ったのでした。
嬉野くんも「いまどきこんな害のない番組ないぞ、藤村くん」と申しておりました。

 そして、対決第3弾。

 魔神のセオリーもいよいよ仕上げ。

 ここまで2連敗の挑戦者。常人であれば、3度目の喧嘩は売られても買わないはず。
 しかし、甘味に悶絶する己の姿に「敗者の美学」を見出してしまった彼にとって、もはや勝敗など関係なく、「己の勝手な虚像の美学」を貫くことこそが、その目的であったに違いない。

「オレは、美しく敗れ去る・・・」彼は、そう胸に秘め3度目の対決に挑んだ。

 絶対的な存在である魔神に、果敢に立ち向かう勇気ある男・・・。

 例えば、我々の前に突然王女があらわれ、こう言う。
「ここにある5個のまんじゅうを先に食べた男を、この国の王に迎える!」
「ウオーッ このオレ様に勝てる男などいるものかーッ」
全身毛むくじゃらの魔神が吼える。
「誰か、この魔神を倒すことのできるものはおらぬのか!」
「王女様!わたくしめが、その醜い魔神、見事討ち取ってみせます!」
 群集の中から、ひとりの勇気ある若者が名乗りを挙げる。彼だ。

そして戦いの火ぶたがきっておとされる。

・・・しかし、勇気ある若者は、3つめのまんじゅうを、口にほおばったところで、息絶える。

「ウオーッ これで王女はオレのものだーッ!オレ様がこの国の国王となるのだーッ ウオーッ」

・・・本当に美しき王女は、あの醜き魔神を王として迎えるおつもりか・・・

人々がかたずを飲んで見守るなか、王女は、ゆっくりと、そのまんじゅうを口いっぱいにほおばったまま息絶えた若者に歩み寄り、そっと口づけをする。

すると、若者は、ふっと息を吹き返し、また猛然と4つめのまんじゅうに手をのばす。

しかし、王女は、その手をやさしく押さえ、こう言いました。

「もういいのです。わたしは、この国で一番まんじゅうを食える男を、王にするつもりなどありません。この国で一番勇気ある男を王として迎えます。」

ワーッ ワーッ 新しい国王の誕生だー!

人々は沸きかえり、その国は、永遠に繁栄しました。
そして、魔神は、重い糖尿をわずらい、まもなく死んでしまいました。

・・・きっと、彼の頭のなかには、こんなストーリーが出来あがっていたに違いない。

それこそ、彼の追い求めていた「美学」だったに違いない。

 しかし、本当の魔神は、そんな「虚像の美学」の道具にされることなど、決して許しはしない。

魔神のセオリー  最終章。

 それは、挑戦者に「ハンディ」を与え、そのかわり彼の「プライド」を奪うこと。「美学」を奪い去るのだ。

「ハンディ」を喜んで受け入れた段階で、彼の脳裏からは、「王女さまの口づけ」は消え去り、「こりゃ、勝てるかもしれないぞぉ」という即物的な欲求が芽生えたはずだ。

 勝てるはずはないのだ。

 だから、勝負はすでに彼が「ハンディ」をもらった瞬間に決まってしまった。もし彼が、大泉審判の提案をはねのけ、「そんなものはいらん!オレは堂々と最後まで戦う!」と言ったのであれば、彼は「勝負より大切なもの」を魔神から奪い取ったに違いない。

しかし、残念ながら彼の「美学」も「勝負」も「プライド」も、すべて6個のゆでもちとともに魔神の胃袋へと消え去っていったのである。

さて、いよいよ来週は「原付西日本最終回」。最後の最後にストーリーが急展開! ドキドキして下さい。