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musicる TV Mrs. GREEN APPLEからコメント!いう゛どっと楽曲制作の裏側も

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6月5日放送 「未公開VTR&NG集!」その1

藤村 | 2002. 6/ 6(THU) 15:02


 昨夜の衣装の話だ。

 収録の数日前。

 スタイリストの小松から「今度の衣装どうすんの?」と電話がかかってきた。
 
 そう言われて、私は正直困った。
 恒例の「ミスターネタ」は、もう品切れだ。
 いくら考えても「ミスター梅介」と「ミスターオクレ」しか思い浮かばない。
 ビジュアルはどちらも似たりよったりで、だいいち華がない。

 やや考えて、私は開き直った。

 「もういいよ。全身タイツだけで。あとは何かテキトーなかぶりものでお茶を濁そう」

 とにかく「んなもんで悩むのもあほらしい」と思ったのである。

 「そう。じゃ、わかった。」

 さすがカリスマ・スタイリスト小松さん。

 「なら私に任せて」と言わんばかりに、きっぱりとした口調で電話を切った。

 (なにか秘策でも・・・)

 少なからず私には、そんな期待を抱かせるカリスマの口調だった。

 そして収録当日。

 小松が、巨大な袋をかついで現れた。

 「おぉ!それはなんですか!小松さん!」

 「じゃま!じゃま!どいて!どいて!」

 通路をふさぐ私を押しのけて、

 「あぁ!もう!」

 なんて言いながらカリスマは、ドカッと、その巨大な袋を床に降ろした。

 「なんすか?これは」

 「えぇ?・・・もう、とにかくいろんなもん持ってきたから」

 「おぅ」

 「あとは藤やん選んで!」

 「おれが?」

 「だってもう、めんどくさいんだもん。」

 結局、小松もあれこれ悩んだあげく、「あほらしい」と気づいたんだろう。

 見るからに「手当たり次第に持ってきた」という無秩序な衣装のラインナップである。

 「すげぇ・・・いくつあんの?」

 「わかんない」

 乱暴だ。自分が用意した衣装の数さえ把握していない。

 しかし、私は、カリスマの「本当の意図」を汲み取った。

 「なるほど!小松さん。何回かお色直しをするわけだ!だからこんなにたくさん用意したわけだな!」

 「全然そういう意味じゃないけど」

 「いや、そうでしょう。そうじゃなかったらこんなに用意しないでしょう」

 「だって本当に、めんどくさかったんだもん」

 カリスマは正直に告白したが、方向は決まった。

 CMごとにお色直しをして、とにかく「数で勝負」である。

 収録現場に、十数種の衣装がズラッと並んだ。

 さながら「フリーマーケット」のようである。

 「なにごとだ」と、困惑の表情を浮かべる出演陣を前に、

 「お二人はですね、この中から、ご自分のインスピレーションにビビっときた衣装を選んでいただいて・・・」

 「インスピレーションなんてねぇよ!」

 すかさず、大泉さんはゴネたが、もう1人の方は、「わかりました!」とばかりに、早くもパンツ一丁になり、緑色の全身タイツを手に取った。

 「じゃ、ぼくは仮面ライダーで」

 言いながら、社長はへんてこな仮面ライダー風ヘルメットをかぶった。

 「あっ!仮面ライダー取られた!」

 ゴネながらも、大泉さんも仮面ライダーを狙っていたようである。

 「くそっ・・・じゃ、こっちの鉄腕アトムにするか」

 しぶしぶ大泉さんは、アトムのヅラを手に取った。

 「小松・・・肌色の全身タイツは?」

 「無いよ」

 「裸でやれってか!」

 「黄色でいいじゃない」

 「黄色?・・・黄色か?」

 「しょうがないじゃん。ないんだもん」

 カリスマのきっぱりとした態度に押されて、大泉さんは、不本意ながらも黄色の全身タイツを着込んだ。

 「おっと・・・これはなに?」

 まっ赤なマントが大泉さんの目に止まった。

 「アトムのマント・・・」

 カリスマの声が少し小さくなった。

 「おい鉄腕アトムって・・・マントなんかしてたか?」

 「してないですよ」

 あちこちから疑惑に満ちた声が上がった。

 「マントしてなかったっけ?うそ・・・してたんじゃない?」

 言いながらも、カリスマだって、さすがに気づいたはずだ。

 アトムは黒いパンツとブーツ。マントはしていない。

 しかし、大泉さんは、マントのひもを結びながら、

「いや、そうなんじゃない?だって小松が用意したんだもん」

 そう言って、小松に見せつけるように、勢いよく、真っ赤なマントをひるがえして見せた。

 「いッ!いや!これは違うだろ!」

 「違う!違う!」

 誰の目にも明らかだった。

 明らかに、そこに立つ大泉さんは、鉄腕ではなかった。

 「いや、そうなんだって!小松が用意してんだから」

 「いッ!いや・・・」

 「そうなんだよ」

 「そっ・・・そうか」

 「そうでしょう。だって小松が用意してんだもん」

 そう言って大泉さんは、さらに追い討ちをかけるように、真っ赤なマントとともに置かれてあった、これまた燃えるような赤いパンツをはいて、小松の前で、ポーズをとった。

 「よし。」

 こうして大泉さんは、カリスマの創造した「新鉄腕アトム」となって、収録に臨んだのである。

 さて、次回も「CMごとのお色直し」がございます。

 次回も・・・スゴイぞ。