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DVD第1弾「原付ベトナム縦断」制作ウラ話。

藤村 | 2003. 3/10(MON) 17:47


 水曜どうでしょうDVD全集第1弾「原付ベトナム縦断1800キロ」が、2003年3月5日、遂にリリースとなりました。

 元旦の予約開始からおよそ3ヶ月、みなさん、ようやく実物を手にしましたね。
 ちょっとお手数ですが、実物を手元に持って来ていただけますか?
 それを見ながら、いくつか制作ウラ話をしましょう。

 まず、パッケージ。全体が透明のプラスチック製ですね。で、表面の部分が、ビニールの袋状に加工されていて、その中に「カブに乗る二人のイラストをあしらった表紙」が一枚、挟み込まれています。コレ、市販されているほとんどのDVDが採用しているパッケージです。

 でもね、最初の構想は、こうじゃなかったんですよ。

 もっと高級感あふれる「デジパック」という、厚紙製のパッケージを採用するつもりだったんです。見たことありますかね?ちょっと「本」みたいな体裁のDVD。昨年発売された「ET」なんてのは、コレです。

 実は、嬉野くんがね、「アメリ」っていう映画のDVDを買いましてね。それがこの「デジパック仕様」だったんだけど、これがオシャレでねー。先生、映画の中身より、このパッケージに相当惚れ込んじゃいましてね。もう、うるさいぐらいに言うんですよ。

 「藤村くん、コレですよコレ!いいでしょう?ねぇ。コレ!いいよね?いいなぁコレ。」

 もうね、こうなるとダメですね。私がなんと言おうと、先生の頭の中はもう「アメリしか認めん!」という状況になっておるわけです。

 正直言えばね、ぼくなんかは、パッケージにあんまりコダワリってないんですよ。なんなら、プラスチックの方が丈夫だし、乱暴に扱ったって破れないし、いいかなって思ってたんですよ。やっぱ、「どうでしょう」の場合、映画のDVDと違って、何回も何回も見るわけでしょう。それこそ回しすぎて発火するっちゅうぐらいに。

 でもね、それを先生の前で言うと、すっごく悲しそうな顔をするわけですよ。

 「藤村くんは、丈夫ならなんでもいいのかい?」ってね。
 「いやいや、そうじゃないけど、現実的には、コストだってあるわけでしょう。」
 「藤村くんは、安ければいいのかい?」
 「いやいや・・・」

 もうね、何を言ったって無駄。そこへきて、DVDのオーサリングを担当する福嶋くんってのが、「ゴッドファーザー全集」だの「黒澤明全集」だの、ドえらい高価なDVDを持って来て、「コレいいでしょう。コレで行きましょうよ」なんて油を注ぐわけ。したらもう、先生の頭ん中は、黒塗りの表紙に、黄金色に輝く「水曜どうでしょう全集」の文字が刻印された、百科事典みてぇな「堂々たるデジパック仕様のDVD」しかあり得なくなってくる。なんなら、表面は「職人による漆塗り加工」ぐらいの豪華さだ。

 でもね、先生の夢も、やはり「現実」の前では無力だった。

 デジパックの見積もりを取った結果、プラスチックの比じゃなかった。これ一本ならまだしも、今後何十巻と同じパッケージで作り続けることを考えれば、諦めざるをえなかった。

 「先生の落胆ぶりや如何に!」と思ったが、最終的には、

 「質実剛健!いいじゃない!なんべん開いたって、いっくら投げつけたって壊れないプラッチック!問題なし!要は中身!」

 涙ながらにそう言い放って、先生はデジパックに別れを告げた。

 だから、諸君もアレだぞ、今さら「先生のおっしゃるような黒塗りのデジパックの方が良かったです」とか言うなよ。次回、またモメるからな。

 で、表紙のデザイン。これも、当初の「黒塗りに、黄金色の」という仏壇みてぇな表紙から一転、「カブに乗るマヌケなおふたりのイラスト」になった。これは、これで、かなり先生も気に入っている。

 そしてコレ、「写真」じゃなく「イラスト」というのがミソだ。写真だと、その時々でイメージが変わっちゃうし、その企画を一発で表現できるような、いい写真があるとも限らない。でも「イラスト」ならば、全集に「統一感」が出るし、ある意味「なんでもアリ」だ。

 次回作は「サイコロ1」「粗大ゴミ」「闘痔の旅」の3本立て。果たして、どんなイラストでくるか。乞うご期待!

 さぁ、長くなったな。じゃ今度は、パッケージを開いていただこう。
 いきなり目に入ったよね。例のステッカー。

 「一生どうでしょう買います!」

 いいですね、この「押しの強さ」。「買います!」って、もう勝手に宣言させちゃってるもの。でもね、実はここらへん、意味が深いよ。ぼくらの気持ちがビシッと表れてる。

 「1枚買ったからって、安心してもらっちゃぁ困るぞ。本当の勝負は、これからなんだぞ」「おまえらも一生なんだぞ!」ってね、ある意味、脅しですよね。もう抜けられないっていう。

 是非ね、これを「常に目につくところ」に貼っておいていただきたい。

 学生諸君なら、机の前。主婦のみなさんは、冷蔵庫。サラリーマンなら、会社のデスク。トイレでもいいよ。ただ、間違っても、「ケータイに貼ろう」なんて思っちゃいけないよ。だいたいデカ過ぎて貼れないだろ?

 「ヤダァー!ケータイに貼りたかったぁー!」なんて思ってるヤツ。のはははは!貼らせないよ。

 あれはな、わざとあの大きさにしてあんだよ。ケータイに貼れないようにだ。だってな、ケータイに貼られたら、すぐボロボロになって剥がれるだろ?んで、テメェんとこの子犬かなんかの写真にアッサリ替えちゃうだろ。こっちだって、そんぐらいお見通しなんだよ。

 なんせ「一生」だからさ。んなにすぐ剥がれるような所に貼られちゃ困るわけよ。ぬふはははは!

 さぁ、壁に貼れ!冷蔵庫に貼れ!トイレに貼れ!

 どうだ?こっちはそこまで考えて作ってんだ。ぅおっと!奥さん。冷蔵庫から剥がそうとしちゃぁいけねぇな。もう手遅れなんだよ。無理に剥がしたら冷蔵庫倒れるぞ。のはははは・・・おっと!トイレのも剥がすなッ!壁ぬけるぞ。ふははははは!むぅははははは!

 さて、次にオレンジ色の冊子を見てもらおうか。細かい、チャプターが書かれてあるやつだ。

 初めてDVDを買った人に説明しておこう。DVDってのはね、ビデオと違ってボタンひとつで、シーンの頭出しができる。その頭出し可能な「シーン」をあそこにズラッと書いたわけ。まぁ「目次」だ。それが「チャプター」。

 ぼくなりに考えて、細かな状況説明よりも、その時言った代表的な「セリフ」を書いておいた。きっと、この方がどんなシーンかわかりやすいと思ってね。さらに今回は「未公開シーン」が多いので、それも全て明記しておいた。放送版との違いを、ハッキリと確認できるように。

 やっぱりね、「放送版の方が、スッキリしてていい」と思う人もいるだろう。おれもそう思う。そういう時は、スキップボタンを押せば、サッと次のシーンに行く。

 ここらへんのことは、「DVDをご覧の皆さんへ」という注意書きに懇切丁寧に説明してある。
 この説明文も、「わかりやすさ」を念頭において、諸君との「対話形式」で書いた。終盤、ややキレ気味の口調で、購入者に対し怒声を浴びせているが、これも「わかりやすさ」の一環である。

 さて、その説明文の左下に視線を落とすと、キリトリ線の入った福助マークがある。間違っても、たくさん集めて学校へ持って行ってはいけない。我々はベルマーク運動の協賛企業ではない。あれは、今のところ「何の意味もない」。しかし、将来的に10枚ぐらい貯めた人には、何か意味があるかもしれんし、結局、何も意味がないかもしれん。こっちもわからん。とりあえず「大事にとっとけ」。

 さて、もう一枚「黒いチラシ」がある。

 次回作の予告である。02年の「ラストラン」から、一気に96年の「番組スタート」へと遡って、初期の3作品を一挙公開!となる。

 「サイコロ1」「粗大ゴミで家を作ろう」「闘痔の旅」。

 今後も、このように「年代順に」「1枚のDVDに」「いくつかの作品をまとめて」リリースする形になると思う。もちろん、「ベトナム」のように長期に渡って放送したものは、「その企画1本」でリリースということになるが、とりあえず「3時間程度」をメドに2~3作品を入れようと思っている。

 第2弾の発売は7月予定。もちろん「ローソンでの予約受付」という方式を取る。予約開始は、5月頃。

 続く第3弾は、11月発売予定。こっちはまだ編集に着手していないが、伝説の壇ノ浦レポート!「サイコロ2」、どうでしょう初の海外企画!「オーストラリア縦断」の豪華2本立て!になりそう。

 チラシには、ミスター入魂の映画「マンホール」のDVD発売情報も掲載してある。
 すでに全国のローソンにて予約受付中であるぞ!

 さぁ、パッケージ話の最後に、DISC2を取った後に現れる「onちゃん」ならぬ「藤やん」について話そう。いや、話そうったって、特に話すこともねぇか。「どうだ?びっくりしただろう」「びっくりしました」そんだけの話だ。

 では、次回、特典映像ほか、中身についてお話をしよう。本日はここまで!