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DVD第4弾「サイコロ3」の全容

藤村 | 2004/03/29(Mon) 19:47:51

 04年6月30日(水)発売、及び予約受け渡しとなるDVD第4弾。
 正式タイトルは、「サイコロ3~自律神経完全破壊~前編/後編 完全版」。

 北海道では、97年4月から5月にかけて「前編」4週、「後編」3週の計7週間放送されている。ロケに出たのは同年3月初旬のことである。

 番組開始から半年。「サイコロ1」「粗大ゴミ」「闘痔」「サイコロ2」と続き、その年の正月には初の海外ロケ「オーストラリア大陸縦断」を成し遂げ、「さらなる番組の飛躍」が期待されるこの時期にあって、しかし、我々は凝りもせず「またサイコロの旅」に出ている。それも「前編」「後編」と2週続けて。半年で通算4回のサイコロ・ロケ。半年間で4回。これは、明らかに「やり過ぎ」である。

 しかし、企画者である鈴井は、VTRの中で臆面もなくこう言い放つ。

 「まぁ、新しい企画もないことですし・・・」

 実におおらかな態度である。日進月歩、日々新しいことを模索し、進歩しないことを「マンネリ」と呼び、忌み嫌う日本にあって、それは大陸的で悠久な思想と言える。

 「新しい企画もないことだし、サイコロもウケてるようだし。まぁ、いいか」と。

 しかし、「まぁいいか」的に同じ行為を繰り返すのは、一見「進歩がない」ようで、ちゃんと進歩があり、変化も起きる。

 一方、表面的な行為で「劇的なスクラップ&ビルド」を繰り返すことが、果たして「進歩を遂げる」とは限らない。振り返ってみて「なんだ。結局変わってないじゃん」と思うことの方が多い。そう思った途端、過去の行為全てが「無駄」に感じ、また新たなスクラップ&ビルドに走る。結果、「遺産」と呼べるものはなにも残らない。

 同じことを繰り返しながらも、しかし振り返って見た時に「なんにも変わってないようで、でもずいぶん変わったよなぁ」。そう感じた時、過去の行為すべてが新たな意味を持つ。

 さて、3回目のサイコロの旅(=前編)。そして中3日を空けただけで出発した4回目のサイコロの旅(=後編)。「サイコロを振って~」という行為は同じであっても、水曜どうでしょうはここで、大いなる変化を起こす。

 今回のDVDを見た時。「前編」の冒頭、鈴井のラジオの仕事場を訪れる大泉洋の姿に、「昔の大泉さんは、こんな感じだったんだぁ・・・」そう思う人は多いだろう。そしてこの感覚は、「前編」いっぱい続く。

 しかし、「後編」が始まった途端、千歳へ向かう車中で「またサイコロをやる」と告げられた時の大泉の姿に、人はすべてを忘れ、心から爆笑する。そして「後編」をすべて見終わった時、あなたが冒頭感じた「昔の大泉洋」という意識は、いつのまにか消え去っている。

 「若き日の大泉洋」から「おもしろい大泉さん」へ。「サイコロ3・前編」から「サイコロ3・後編」。これは、97年3月の、たった8日間の出来事である。しかし、この8日間で大泉洋が、そして水曜どうでしょうが劇的な変化を遂げる。

 今回、あえてタイトルに「完全版」と銘打ったのは、「前編」と「後編」をまとめてご覧いただくこと自体が、そのタイトルに相応しい意味を持つと思ったからである。

 さて、ずいぶん勿体ぶったことを言ってきましたが、「サイコロ3」のみどころを上げておきましょうね。

 まずは、「バレンチノ」「勝負服」「雪面の飛び魚」など、一世を風靡した大泉アイテムの登場。パパパパ・パフィーに、「勝負服」で登場していたのは記憶に新しいところ。黒いウィルソンのジャージを「勝負服」と呼び、特別な存在感を示したのは、この「サイコロ3・後編」からである。

 しかし「勝負服」よりも、その「異様な形状」と「場違い感」で我々の目を釘付けにし、鈴井をして「見れば見るほど、おもしろい靴ですね」と言わしめた「雪面の飛び魚」。バレンチノより、勝負服より、実はこの「雪面の飛び魚」こそが、サイコロ3の主役であると私は思う。
 道内ロケだと聞かされていた大泉が「どうせゴミ拾いみたいなことやらされるんだから、オヤジの靴を履いていこう」と、その日の朝、軽い気持ちで手に取った雪靴。しかし、彼はその靴で飛行機に乗り、日本全土を連れまわされる。これは「悲劇」というほかない。今回は、この「雪面の飛び魚」にまつわる未公開トークをふんだんに増量。中でも、「実はこの靴は○○○製なんだよ」という大泉の言葉は衝撃の新事実である。

 そして、これらアイテム以上に「サイコロ3」を特徴付けるのが、「チューハイム」や「喧嘩太鼓」「アラスカの女」などの一連のホラ話。長時間の列車移動が多いこの旅の中で、明らかに緊張感が薄れ、半ば投げやりに展開されるこれらホラ話は、一切企画とは無関係で、普通のテレビなら当然カットされるべきシーンである。それ以前にカメラすら回されないのが普通だ。
 しかし、どうでしょうは、このバカ話を延々映し出す。これがDVDともなると、さらに未公開ホラ話を増量。中でも「大泉さんが犬ゾリに乗ってアラスカを旅していた頃の冒険談」は、必聴である。テレビという限られた時間では不可能な、贅沢なホラ話の数々をゆっくりと堪能していただきたい。

 「サイコロ3」の歴史的事件といえば、勿論「ヘリ事件」。道内の方には、昨年1月に放送した特別編「6年間の事件簿!あの日!あの時!」で、「報道事件風」に再編集されたヘリ事件をご覧いただいたが、今回のDVD版では、97年当時のオリジナル編集に、この再編集版のテイストを生かした新たな編集で、「あの歴史的瞬間」をたっぷりとご覧いただく。

 今回は「前編」「後編」あわせて、およそ「30分」の未公開シーンが挿入されている。

 そして本編以外の「特典映像」。

 まずは、昨年3月に発売された樋口了一さんのミニアルバム「1/6の夢旅人2002」にCDエクストラとして収録されていた「樋口了一と水曜どうでしょうの6年ぶりの再会」の映像を特別収録。「サイコロ3」は、樋口さんの自宅訪問とレコーディングスタジオ見学から旅がスタートしている。当時の思い出話など興味深い。

 さらに今回、DVDのジャケット内にオマケとして「あるもの」が封入されている。これは、鈴井・大泉両人をお呼びして、わざわざ撮った「ある写真」である。これを、中身が見えないような「袋とじ」のように封入しておくので、まずは皆さん、これを開けずに本編を見ていただきたい。その後「特典映像」に収録された、この写真の「撮影風景」のメイキングVTRを見ていただく。そして最後に袋を開けて「現物の写真を見ていただく」という、「ちょっと手の込んだ趣向」を用意してあります。期待に胸ふくらませ、待っていていただきたい。

 その他には、「未公開シーン」や、あまりにバカバカしい「クイズ」と「紙芝居」なんてのもあります。まぁ、こちらの方は「軽い思いつき」で作った趣味的VTRなので、気楽にみていただきたい。

 というわけで、DVD第4弾「サイコロ3・完全版」は、全国のローソン各店と道内丸井今井各店はじめonちゃんグッズ販売店にて予約受付中!でございます。

 予約をされた方には、もれなく!「オリジナル・ポストカード10枚セット」をプレゼント!でございます。果たして今回は、どのような名場面、名セリフがイラスト化されるのでしょうか。こちらの方もお楽しみに。