now onair

27:05

テレビショッピング

NEXT

全道、全国のどうバカ諸君へ

鈴井貴之 | 2004/11/12(Fri) 13:01:02

 この文面がアップされている頃はもう、韓国へ向けて飛行機に搭乗しているか、すでに釜山の街にいるか、どちらかだと思います。

 僕個人の我が侭、身勝手で貴重な体験をさせていただく事に、どうでしょうの藤村氏、嬉野氏、大泉氏、そしてプロデューサー四宮氏をはじめ、関係各位の方々にあらためて感謝申し上げます。

 本当にありがとうございます。

 この文章を書いている今(9日午後)の心境といいますと、正直、まだ複雑である事は確かです。各メディアに取り上げられ(こと韓国にて)ことの他大きな渦が自分自身を包み込んでいるのだなと感じております。

 得体の知れぬ重圧につぶされぬ様、頑張って参ります。

 今の心境は番組でユーコン川をカヌーで下った時に似ています。実は幼少の頃病弱だった僕は、入退院を繰り返す日々が続き、小学3年生の時などは、夏休みを挟みながらも3ヶ月間も病院のベッドで生活していました。病院と小学校が道路を挟んで立地しており、風向きによっては病室からクラスメートたちの楽しそうな声が届いて来て、寂しい思いをよくしたものです。
 そんな子供なものですから、学校通いが出来るようになっても、体育のプール学習はいつも見学でした。
 
 ですから僕は泳ぎを覚えることが出来なかった。
 今でもカナヅチです。

 そんな男にとって世界有数の河川をカヌーで下るという恐怖心は、泳げないものにしか分からないのかもしれません。

 ユーコンに向かう前日、僕は自宅の部屋を奇麗に掃除し、机の上には妻と娘にあてた手紙を書き残しました。

 少々オーバーだと思われるかもしれませんが、僕にとってカナダ、ユーコン川を下るというのは、相当キツい企画だったのです。しかも、実際に目の当たりにした河川の流れは想像以上に速く激しく、思わず凍り付いたのを思いだします。
 またガイドからの説明によれば、万が一転覆した際には1分以内に川から救助しなければ低体温症に陥り、危険であるとのこと。どう考えてもカナヅチの人間が、川に落ちて1分以内に助けられるというのは不可能です。もう本当にある意味覚悟しなければならない。
 カヌーに乗り込みオールを水面に差し込んだ時の感触は今でも忘れられません。

 何だか今、あの時のことが思い出されます。

 ただ、いつもそうですが、カヌーもカブも、スタートしてしまえば前を向くしかないのです。苦手意識を強く持っても結果的には誰よりも一生懸命になってしまう自分がいつもいます。テレビ番組であることさえも忘れ、黙々と前を目指す。何せ全ての企画において完走しているのは僕だけですから(ニャンの独走は除く)
 あれだけ恐怖心と不安が交錯したカヌーの旅でさえも、終った時の達成感、充足感は何ものにも代え難い自信になっていったのです。

 正直、僕は大泉くんや藤村さんのように『何とかなるだろう!』という考え方が出来ない人間です。用心深くいろんなケースを想定し、くよくよ悩んでしまう。
 今もその渦中にいます。

 ただ、これまで書き記したように、結果的には完走して来たという自信があるのです。今は、このような文章を書いても、来年夏、帰国した際には自信満々でいることを信じたいです。そうありたいと思います。

 では、ちょっとの間ですが、一人で旅に出て来ます。

 あらためて、すべでの関係者、そして応援してくださる皆さんに感謝申し上げます。頑張ります。

 一応、往生際が悪いので、今夜、部屋を片付け手紙を書き残しておきます。

 じゃあ、行ってきます。