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2008年はドラマを作ります!

藤村 | 2007/12/03(Mon) 18:49:14

 このところ、テレビを見てバカ笑いするということが、あまりなくなりました。

 それが先日、久しぶりに吹き出すほど笑いました。テレビではありません。落語です。札幌で立川志の輔さんの落語会があり、そこで聴いた「バールのようなもの」という新作落語。これが、バカ笑いするほどおもしろかった。

 立川志の輔さん、みなさんはご存知でしょうか。NHK「ためしてガッテン」に出てますね。家庭教師のCMにも出てます。

 あの方の作る落語というのが今、私は、日本のエンターテイメントで一番おもしろいと思うのです。大げさでなく、本当に。

 志の輔さんは毎年新年に東京渋谷のパルコで、「志の輔らくご」という落語の一人会をやっています。1ヶ月ほどの長期公演でありながら、チケットは即完売でなかなか手に入らない。それほど、おもしろい。

 そのパルコで落語を聴きに行ったある方が、こんな場面に出くわしました。

 隣に座ったキャリアウーマン風の女性。キリリとした横顔。キチンとした身なり。「こんな人も落語を聴くのか」と思っておりますと、ある演目でその女性は口をあけて大いに笑い、そして、最後にハンカチを握りしめて泣き出した。「これはすごいな」「この落語はすごいな」と、その方は大いに関心したそうであります。
そして、その方はこう思った。

 「この落語のストーリーは、映画になるな」「ドラマにしてもおもしろいな」

 その方は、その方面にたいそう力のある方で、それをすぐに実行に移しました。
 映画化の話を持っていった先が、シネカノン。我々が昨年、映画館で泣き倒した映画「フラガール」を制作した会社であります。
 そして・・・ドラマ化の話を持ってきた先が、我々HTB「どうでしょう制作班」。ローカル局のバラエティー制作班だったわけであります。

 我々が作るドラマは、そう、立川志の輔さんの新作落語が原作。そして、映画との競作。

 タイトルは、「歓喜の歌」。

 主人公は、ある町の公民館の事務主任のおっさん。暮れも押し迫った12月30日。1本の電話から事件が発覚する。この主任、名前の聞き間違いから、明日、大晦日のイベントをダブルブッキングしてしまっていたのだ。そのイベントとは、ママさんコーラスの演奏会。かたや「みたま町コーラスガールズ」、かたや「みたまレディースコーラス」。確かに名前は似ているが、このダメ主任、半年も気づかずにほったらかしにしていたのだ。
 「まぁしかし、たかがママさんコーラス。なんとかなるだろ」と思っていた主任だったが、えらい剣幕で怒るお母さんたちにあっけなく撃退されて・・・さぁ、大晦日の演奏会はどうなるのか、というお話。
「公民館のおやじ」と、「ママさんコーラスのお母さんたち」が全面対決、「おっさん対おばさん軍団」という、派手なのか地味なのか、いや、画的には間違いなく地味なこのお話。しかし、大いに笑い、そして最後にはどうしたって泣けてきちゃうという、いい話なんです。

 これを、我々はドラマ化します!

 映画版の方はすでに完成し、来年2月2日から全国公開。主人公の公民館の主任役に小林薫さん。ママさんコーラスのリーダーに安田成美さん。監督は「東京タワー」も撮られた松岡錠司さん。

 こちらドラマ版は、キャスト!今のところ未定!放送日時、未定!撮影は2008年初夏を予定!原作落語を活かしつつも、時を夏、場所を北海道のある町に置き換えて、ストーリー展開にもひねりを加えてさらにバカバカしくする予定!であります。

 というわけで、これからしばらくはドラマ作りに邁進いたします。