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嬉野 | 2000. 9/19(TUE) 12:04

「どうでしょうドラマ」というものが、ここ札幌の地で制作され始めてどれくらいがたつのだろう。

だいぶたつな。

だって、ずいぶんとやっているもの。

そして、「どうでしょうドラマ」というものはかつてない小規模でやっている。

スタッフ5人。

少なすぎねぇか。

だが。そうは言っても、「どうでしょう」さん、今回はちゃんとカメラマンをたてている。そこはやっぱりドラマだから。ビシット構図を切れるセンスのある人物がカメラマンとして立たねばならないのだ。いかに、小規模と言えども。この辺の采配がのしっぷりがやはり「どうでしょう」さんならではの目の配りようだ。

そのカメラマンの名は、「鈴木カメラマン」

意外に平凡な名前だ。

いや、この際名前は関係ない。問題はその映像センスだ。

そう、その映像センスは非凡だ。
彼が作り出す映像は実に美しい。
これが、あのデジカムの画かと、我が目を疑うほどに美しいのだ。

その、非凡なセンスの鈴木カメラマンが昨日我々に興味深い注文をつけた。

「実は、新しいレンズがほしいんですが」
「ほほう、どんなやつだい」
「望遠です」
「ほほう」
「このカットは、ロングからぐっと寄れる長玉(カメラマン達は 望遠レンズをこう呼ぶのです)でないとどうも…」
「だめかい」
「雰囲気がどうも」
「でないかい?」
「でません」
「分りました。買いましょう」
「よろしくお願いします」
「明日、会社に出てくる途中で買ってきて」
「へっ?」
「買ってきて。」
「ぼくがですか?」
「そう、ヨドバシ知ってるでしょう?」
「あぁ。ヨドバシ。」
「領収証もらってきて」
「あぁ、領収証…」
「お金、立て替えといて」
「へっ!」
「いま、オレら、金ないから」
「いや、ぼく、いま、ちょっと手持ちが…」
「貯金下ろせばいいでしょ。すぐ返すから」
「貯金!おろす!」
「いいでしょう。一万くらい」
「あぁ。ねぇ…。」

翌日、非凡なセンスの鈴木カメラマンが新レンズを手に出社してきました。

「レンズ、買ってきました」
「おっ。」
「3万しました。」
「えっ。けっこうしたね。」
「しました」
「よく、金、あったね。」
「貯金おろしましたから」
「あぁ。」

貯金を下ろしてまでレンズを買う男。
鈴木カメラマンの登場を得て、
ますます目が離せないどうでしょうドラマ!
いよいよ撮影快調!