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2月21日放送 「リヤカー喜界島一周」第3夜

藤村  | 2001. 2/22(THU) 12:00


 まずは、痛恨の「白熊戦」について言及せねばなるまい。

 魔神、敗戦である。魔神降格である。

 
 今年、J1に昇格し、王者鹿島、あるいは磐田に対峙するであろうコンサドーレ札幌を応援するかのごとく、全道のみなさまの多くが、ミスターに熱いエールを送っていたに違いない。

 そして、勝利。

 ここは、素直に「初勝利おめでとう」と言っておこう。

 思えば、ミスターという人。

 甘いもの、特に「あんこ系」は、からっきしダメだが、「アイス系」は、ことのほか好物である。

 決して、それに触れることはないが、過去のVTRにも、「おまえ、いつ買ってきたのよ?」というような場面で、突然、アイス片手にトークしているミスターの姿が記録されている。

 そう。

 ロケの合間に売店なんかに立ち寄ると、4人それぞれの行動パターンがある。

 大泉さんは、まずトイレに直行し、持病の養生に余念がない。

 嬉野くんは、「地酒コーナー」に直行し、酒好きで陽気な奥様への土産をあれこれ物色している。

 私は、当然「ご当地のまんじゅう」を数箱買い求め、糖分の摂取を怠らない。

 そして、ミスターといえば、婦女子が列を作る「アイスコーナー」の最後尾に並び、「何味にするかなぁ・・・」などという風情で、ガラスケースを遠目から覗き込んでいる。

 それほど、アイスが好物なのだ。

 しかし、私も「アイス好き」だ。

 そして「白熊好き」だ。

 今でこそ、道内のみなさまに知れ渡ることとなった「白い核弾頭・しろくま」であるが、これは、はるか南国・鹿児島の天文館にある「むじゃき」という店が売り出した「ただの巨大なカキ氷」。

 鹿児島人からすれば、「なんで北海道の人が知っちょっと?」というものであろう。

 しかし、私は幼少の頃よりその「威風堂々たる白い巨塔」に魅せられ、7歳の夏、千キロ以上の距離を車に揺られ、鹿児島で白熊を食い、ひとりで飛行機に乗ってトンボ帰りしたこともある。

 その私が負けた。

 「藤村さん、おもしろいものありますよ」

 対決の直前、昼飯を買いに立ち寄った店でミスターがカップの白熊を差し出した。

 そうだ。今回の対決は、ミスターから申し込んだものだったのだ。

 「おっ!白熊じゃないの。やるかい?ミスター」

 「えぇ、まぁ・・・」

 「よーし、んじゃやるかな・・・でもちょっと寒いけど・・・」

 自信があったのだ。彼は・・・。

 「映画を撮る」とか言って、半年もの間、きっとなんらかのトレーニングを積んでいたのだ。

 結果、「キンキン」の数が圧倒的に多かったのは私の方だった。

 「白熊なら負けねぇ」というおごりから、日ごろのトレーニングが足りなかったのだ。

 あの敗戦から、私は毎夜コンビニに立ち寄り、アイスを買うことを日課としている。

 「あっ!ドラえもんアイスだ!」

 「ガリガリ君もある!あしたのおやつに食べていい?」

 かたわらで嬉しそうに妻に聞いている子供たちの声がする。

 私は、黙って新聞を読みながら、心の中で子供たちにあやまる。

 「すまん・・・全部オレのだ。」

 魔神、いや「ふじむら」がリベンジする日は、遠くない。

 「なんで対決すんのよ!」というような意味不明な場面で、突然「ミスター!対決だ!」と私が言い出すかもしれない。

 「勝ったら、なにがあんの?」

 「うるせぇ!とにかく対決だ!」

 
 理不尽と思うな。

 
 「たかが初戦に勝利したからと言ってうかれてはならない」

 コンサドーレのユニフォームを着込んだミスターに言っておく。
 
 これから長いリーグ戦が、始まると思え。