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大泉先生・コスタリカ大ケツァール展への道 その3

嬉野 | 2001. 5/ 7(MON) 23:02

我々が、大泉先生共々、はるばる中米はコスタリカまで出かけて行って、その美しい姿を写真に収めようとしている大ケツァール!
和名では「カザリキヌバネドリ」と呼ばれております。
どうにも美しそうな名前じゃないですか。
事典にそう書いてあります。

この一種が存在するために新大陸に棲むほかのキヌバネドリたちは、すっかり陰の薄い存在になってしまったと、これも私の手近にあります事典にそう書いてあります!
キヌバネドリっていう仲間はたくさんいるけど、
そん中で一番美しいから「カザリキヌバネドリ」っていうんだと!

特別扱いですよ!
彼らは!

それほど大ケツァールの姿は美しいものなんだと!

その優美な姿は、見るものに恐れを抱かせ、人々はケツァールに最大の敬意を払う…と、これもまた事典に書いてあります。

事実、
ケツァールは、コスタリカの隣の隣の隣の国グアテマラの国鳥だそうです。
事典にそう書いてますもん。

グアテマラではケツァールは自由の象徴。
国家の自由が奪われればケツァールは悲しみのあまり死に絶えると現地の民には信じられている…と、またまた事典に書かれてます。
すばらしいねぇ!大ケツァールは!

そして、グアテマラでは通貨の単位もケツァールだと…。

…?

ほんとかよ…?

いや、でも、そう事典に書いてるからそうなんだろうねぇ。
事典に書いてるんだから…ねぇ…。

ちょっと、「地球の歩き方」見てみますか…。

いやいやいや。「地球の歩き方」見たら通貨の単位はケツァールって書いてあるねぇ。
1ケツァールは100センタボスって書いてある。
ケツァール銀行ってぇのもあるじゃないか!
すごい!

ちなみに我々が訪れたコスタリカの通貨単位は、というと…。
えぇぇっと…。
おぉ。ありました。ありました。
なになに…。
コスタリカの通貨単位は…コロン…。
コロンブスに由来しているらしい…と。

…。

まぁ、そんなもんか…。

さぁ!今回も大泉先生のカメラのことについて触れますが!
当然!こっからまた長くなります!

しょうがないです!
短くまとめるっていう頭がないんですから!

で、だ!
今回、気張ってレンタルしてきたPENTAXの6×7!
画質重視で借りてきたんですけど、どうも、被写体に近づけない。

普通だったら標準レンズで40センチくらいは寄れるんだけれど、
あのカメラは、バズーカはずして標準レンズ(バズーカじゃないほう)に付け替えても1メートルっきゃ寄れない。
それ以上近づくとピントが合わない。
それだから、大泉さん。
ちっこいバッタ撮るのにえらい離れて撮ってる。

ミスターの腰から上のポートレート撮るのと同じ距離、離れてバッタ撮ってる。
そばで見てるとどうにもおかしい。

ミスターがトカゲとか目ざとく見つける。
「先生!先生!」
「どうした!鈴井くん!」
「トカゲです!トカゲです!」
「よし!トカゲはオレにまかせろ!」
そう言うと大泉さん、全速力で走ってくる。

このあたりの大泉先生の動きったらすばやい!
で、えらい勢いで走ってきたのにちっこいトカゲの1メートルくらい手前でピタッと止まって微動だにしない。
なにしてるのかなって思って見てると、
トカゲの写真撮ってる。
えらい離れてトカゲ撮ってる。

トカゲからバリヤー出てんのか?
と、思いたくなるほど、近づかない。
いや、近づけない。
正確にトカゲの手前1メートルでピタっと止まって、
で、トカゲの写真撮ってる。

みんな、もう、周りでその光景を固唾をのんで見守ってる。
大泉先生は、もうすごい真剣。
1メートル向こうのちっこいトカゲに向けて必死でピント合わせてる。
あのカメラ重いから、カメラがぶれない様に脇をがっちり引き締めてる。
息まで止めてる。
汗だくになってる。

狙われてるトカゲも、逃げようにも遠いんだか近いんだかワカンナイ距離だから、タイミングが掴めず必死で戸惑いながら、じっとしてる。

ちっこいトカゲの周囲1メートルで関係者全員が、どうにも動きが取れないで、とりあえずじっとしてる。

で、突然、あの無遠慮なシャッター音が轟く。

その音をきっかけにするようにトカゲもやっと駆け出して繁みの中にささっと逃げ込んで行く。

「撮りました!トカゲを撮りました!」

大泉さんは、もう、汗だくになってる。
はぁ、はぁ、言ってる。

やっと事態が復旧して誰もがほっとする。

トカゲ一匹撮るのにえらい騒ぎ。

大泉さん、一枚撮るたんびに入魂してる。
すごく頑張ってる。

でも、札幌へ帰ってきて現像してみると。
「あれ?この写真って…何、撮ってるンだっけ?」
という言葉がよく口をついて出る。

わけのわからん写真が上がってる。

そりゃそうです。
4センチくらいのバッタ撮るのに1メートル離れて撮ってるんだもの。彼は!
「嬉野くん、これなんだ?」
「なんだって、なんだよ?」
「なんの写真だ?」
「あぁ、これはほら、藤村くん。ここにほら、バッタいるでしょう。」
「どれ?」
「これ。」
「あぁ、これ?」
「いや、それじゃなくて、これ。」
「どれ?」
「そこの葉っぱの上の黒い、ほら…。」
「これか?!」
「違う!それはゴミ!」
「なに!」
「これ!」
「どれ?!」

二人で延々やってる。
で、しょうがないから写真やさんへ行って拡大してもらう。
「すみません。ここの部分を引き伸ばしてほしいんですけど。」
「どこですか?」
「ここです。」
「あぁ、ここ?」
「じゃなくて、ここ!」
「あぁ、ここね?」
「違います!」
また、延々やってる。

ところが!だ!
二日ほど経って上がってきた写真を見てビックリするじゃないか!

引き伸ばした写真いっぱいにバッタが写ってる!

「藤村くん!バッタ写ってる!」
そりゃそうだ!だって!バッタ撮ってんだもの!
でも、驚くったらないんだ!
「おお!嬉野くん!バッタじゃないか!足6本写ってるぞ!すごい!」
「色も出てるんだゾ!」
「ほんとだねぇ。メタリックなグリーンがきれいにでてるねぇ。すごいねぇ。」
「さすがは6×7!うそみたいに伸びるねぇ。すごい情報量だ!」
「ほんとだねぇ。」
「どうだい!やっぱ、重かったけど6×7持ってって良かっただろう!」
「でも、あんた。普通のカメラ持ってって、普通に寄って撮ったら、普通に大きく撮れたんだろう?バッタ。」      

「…。」

「おっ!また黙ったな!また自分の間違いに気づいたな!」

「…。」

大泉先生危うし!

今週も大泉先生の健闘の30分間をみんなで見守ろう!
今週はすごくかわいいやつが現れます!
女性ファンとお子たちは必見!