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「コスタリカ日記」 その2

藤村 | 2001. 5/29(TUE) 13:24

 さてさて、先週は旅に出ていたので、こちらの更新が遅れました。

 「コスタリカ日記」の続きである。

3月5日(月) 15:35(アメリカ現地時間) 

        ダラス・フォートワース国際空港着

 中米、南米便に乗り継ぐ人は、なぜか一箇所に集められた。
 
 アメリカに入国をする必要がないので、手続きをしないかわりに、係員が乗り継ぎ便のロビーまでまとめて連れて行くらしい。
 
 ほとんどはメキシコのリゾート地に向かう日本人ばかり。

 サンホセ行きに乗るのは我々だけ。

 
 ずいぶん待たされた。

 
 なかなか係員が動かないし、言葉も通じないので、

 「とりあえず一回アメリカに入国して、自分たちでロビーを探して行った方が早い」

 ということになり、歩き出そうとすると係員に止められた。

 「なんだよぉ・・・うるさいことを言うじゃないかぁ」

 ふてくされた大泉さんの顔は、1週目のオープニング提供ベースに映っている。

 結局1時間近く待たされて、係員が連れて行った所は、「メキシコ行き」の出発ロビー。

「だから、おれらはコスタリカに行くっつってんだ!馬鹿野郎!」

「やっぱり藤村くん、多少英語ぐらい話せた方がいいんじゃないのかぁ?キミ馬鹿だけど、一応いい大学出てんだろう?」

 海外へ出ると必ず大泉さんから出る言葉だ。

「いやいや、おかげでどうでしょうさんの旅は、ハプニングの連続じゃぁないかぁ。もし、おれが英語ペラペラだったら、こうはいかないぞぉ。」

「あのねぇ、そういう普通なら簡単に回避できることを、ハプニングなんつっていいのかい?誰もそんなちんけなハプニング期待してないぞ。だいたいVも回ってないところで、なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだ?おい!ヒゲ!聞いてんのか!」

 大泉さんは、無類のバカだけれど、こういう所ではきっちりと正論をはく。だからこういう場合、大抵私は聞こえないフリをする。

 「おい!聞いてんのか!・・・デブ。」

 こう言われると、聞こえないフリをしているわけにもいかないので、大抵の場合、張り手で応戦する。

 びたッ!

 「おい!おい!キミまた手をあげたな!おい!」

 この後の展開は、書くのも面倒なので割愛させていただく。

 
 結局我々は、アメリカ入国手続きをし、サンホセ行き出発まで30分というところで、ようやく目的のロビーに到着した。

 着いて早々「あっちにマックがありましたよ!」

 食い物のこととなると嬉々として動き回るバカが、小走りで進駐してきた。

「やっぱりねぇ、アメリカに美味いもんはいっこもないけど、ハンバーガーは別。あれは美味い。」

 ハンバーガーを食わせろ!と言っているのである。時間がないのに。

「時間ないけど・・・食うか?」

 一応、バカにも分かりやすく「時間ないけど」という言葉を文頭に持ってきて言う。大抵こう言われると、普通の人なら、

「飛行機乗り遅れたらまずいですね。じゃ、またにしましょう」

 と、なるはずである。

 しかし、バカはバカ。

「時間ないけど、食うかって?当たり前だ!」

 説教するのも時間がかかるので、食うことにする。

「ミスターたちは?」

「いや、なんか飲み物だけで・・・」

「嬉野くんは?」

「いいや」

「食わないのか?じゃ、急いで買ってくるわ」

 バカとふたりでいそいそとマックへ向かう。

「時間ないから、あんまりたくさんたのむなよ!イモなんかいらねぇだろ?」

「ハンバーガー2つでいいよ」

「よし!おれも2つだけ・・・」

 メニューには、お馴染みのハンバーガーが写真入りでずらっと並んでらっしゃる。ご丁寧に番号もふってある。英語発音に不自由な私もワンツースリーならお手のもの。

「ナンバー4!ワン・・・エンド・・・ナンバー3、ワン・・・エンドォ・・・カフィー、ワン!エンドォ・・・大泉くんなんだ?」

「えーと、ナンバー2!ワン!エンド、ナンバー4ワン!」

「drink?」

「あっ・・・飲み物?コーク!」

「all?」

「えっ?あぁ、大泉くんもコークでいいな!」

「いいよ!」

「よし。イエス!オール!」

「thank you!」

 やがて、我々の前にでかいフライドポテトが4袋、どでーん!と置かれた。

(おっ!イモなんかたのんでねぇぞ・・・)

 ・・・しかし、事態はすぐに理解できた。

「藤村くん・・・これセットだな・・・」

「ナンバー4って・・・、これビッグマックのセットってことか・・・」

 どでーん!今度はLサイズのコーラが4つやってきた。

「藤村くん・・・持てんのか?」

 出発ギリギリのロビーで、ハンバーガーに食らいつく大泉さんの姿が画面に登場しましたが、その横では私も、山ほどのイモに食らいついていたのでした。

17:38(アメリカ現地時間) 

 ダラス発 アメリカン航空2165便 サンホセ行

 機内でも、山盛りのポテトを食う。機内食も食う。まずい。なぜこんなにまずいのだろう。
 
 食い物さえうまければ、アメリカは本当にいい国だと思うんだけど。

21:43(コスタリカ現地時間) 

 コスタリカ共和国 サンホセ到着

 日本時間では、翌日の午後1時。千歳を出たのが昼の12時だったから、ほぼまる1日かかった。
 
 やっぱりねぇ・・・遠いわけ。

 でも今回は、気が楽。だって、こんな異国の地に、1年前までいっしょに仕事をしていた仲間がいるんだから。

「早く会いたいじゃぁないかぁ・・・元気にしてたかな?」

 なんてなことを思いながら、荷物のターンテーブルをぼんやり見ていた。

「おっ!来た来た・・・あのオレンジ色のでかいバックがおれのだ・・・」

「おぉ、あの臭そうなバックか。」

 いちいち頼んでもいないのに、一言付け加えるのがバカの流儀らしい。

「来た来た・・・青いリュック。」

 次々と荷物がやってくる。全部で11個のはず。

「1,2,3・・・1個足りねぇなぁ」

 見ると、まだミスターがウロウロとターンテーブルの周りを歩きまわっている。

「来ねぇの?」

「えぇ、まだ・・・」

 結局、ミスターのでかい黒いバックは、現れなかった。

 我々は、今まで海外に何度も行き、そのほとんどで、荷物がちゃんと届いたことは「ない」。

 そう、別に我々にとって「荷物が届かない」というのは、もはや当たり前のことである。
 
 普通の方なら、全く逆だろう。

「荷物が届かないって、そりゃ一大事じゃないのよ!」

「届いて当たり前じゃん!」

 の、はずである。しかし我々の場合、

「やっぱりか・・・」

 なのである。どうだ!この運の無さ!こういうところでもねぇ「どうでしょう」さんは、きっちりとやってるわけ。

 しかし今回は、「出発便」で荷物が届かなかった。

 実はこれ、「どうでしょう」さんにとっても初めてのこと。
 
 いつもは、企画が全部終了し、ようやく千歳に着いて、

「やれやれ・・・」→「おや?」→「荷物がねぇ・・・」

 というのが常套手段。

 しかし今回は、のっけから「荷物を1個なくしておきました!」と神様も粋なはからい。

 おかげでこっちは、1時間近くも、スペイン語まじりの英語をしゃべるおっさんと紛失手続きをするハメになった。

 
 なんだかんだで、すっかり税関の検査係の兄ちゃんもいなくなって、我々は堂々フリーパスでコスタリカへと入国したのである。

 外へ出ると、懐かしい顔が待っていた。

 いよいよ「どうでしょう」さん、中米・コスタリカにやってきたのである!