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8月15日放送 「対決列島」第7夜

藤村 | 2001. 8/16(THU) 15:25


 岐阜・下呂温泉での「長野おやき対決」。

 「なにもあんたが、だまし討ちせんでも勝てるのに・・・」

 そう思った方もいらっしゃるだろう。

 甘いのだ。

 「おやきが?」

 違う。おまえが甘ちゃんだと言っているのだ。

 そりゃ「野沢菜2個」「あん2個」で真っ向勝負したって魔神が勝つに決まっている。

 しかしだ!いいか。

 「長いリーグ戦」の場合、「勝ち方」が重要なのだ。

 それにだ。なんでか知らんが、負けちゃってんだ。この魔神様がだ!5万点だかなんだか知らんが、ダブルスコアだ。

 もう、スクイズだの、犠牲フライだの、高校野球みたいなことはやってられんのだ!カブレラと中村に5万回場外へ叩き出してもらわんと、逆転できんのだ。

 「マウンドに立つことすら恐ろしい」と相手に思わせんといかんのだ。

 で、ここに「中身が見えないおやき」が4つある。

 2つは「野沢菜」。2つは・・・そうだ、おまえが嫌いな「あんこ」だ。

 「は?・・・わたくしですか?」

 ボヤッと聞いてんなよ。おまえに言ってんだぞ。

 「あ・・・すいません・・・ぼやっと読んでました」

 ダメだぞ。参加しろ。

 おまえは、「あんこ」が大嫌いだ。

 「大嫌いです」

 見るのもやだな。

 「やです。」

 じゃぁ!選べ。運が良ければ、「あんこ」は食わなくて済む。

 「じゃ、手前のふたつ・・・」

 ほぉ~手前のふたつ・・・なぜ?なぜ、そのふたつを選んだ?

 「なんとなく・・・勘で・・・」

 ほぉ~勘で・・・。そうか、キミの勘が当たるといいねぇ。キミは、強運かなぁ?

 じゃぁ、食うぞ。
 
 「はい!」
 
 レディーッ・・・ゴーッ!

 どっちだ?

 「うわっ!あんこだ!」

 うはははは!あんこか!・・・おっと!オレもあんこだ。

 「あっ・・・ということは、残るふたつは野沢菜・・・」

 そうだ。痛み分けだ。これさえ・・・こう・・・食っちまえば大丈夫だ。

 「あっ!もう食ったんですか?」

 当たり前だ。ほら、おまえも早く食え。どうだ?苦しいか?

 おっ!どうした?今、ビクッときたぞ・・・。

 ・・・よーし。食ったな。さぁ!あとは野沢菜だ。ほら、いくぞ。

 (よーし・・・見てろよ。魔神だか間男だか知らんが、いい気になりゃぁがって。一気にケリつけてやるからな・・・)

 どうした?なにぶつぶつ言ってんだ。

 「すんません・・・水一杯くらさい」

 あぁ?水か・・・ほれ、飲め。

 「うぅっ!」

 どした!どした!発作か!おまえ病気かッ!

 「それッ!」

 あっ!きたねぇ!油断させやがった!

 「ぶぁッ!・・・これも・・・これも!ぶゎんこだぁーッ!」

 ぶわんこじゃねぇ!あんこだ。あんこなんだ!それも!

 「きたねぇ!あんた!あまりにもきたねぇ!ふたつは野沢菜って言ったじゃねぇか!」

 うるせぇ!知るか。・・・ハイっ!食べましたぁ!ぼくの勝ちで~す。

 どうだ?いやだろ?こんなやつと戦うの。

 「ぜったいに勝つ気がしません。」

 そうだろぉ~。そこが重要なわけだよぉ。

 「あんた、絶対いい死に方しませんよ」

 おっ!まぁ~だ、そんなこと言える元気があるんだぁ~キミぃ。

 そうかぁ・・・じゃ、明日の朝、ぼく、キミを奇襲するから。

 「奇襲って・・・」

 なんだ?文句あんのか?

 「あんた・・・バカじゃないの?奇襲するからって、それ言葉が全然なってないですよ」

 なにが?

 「奇襲ってのは、相手に悟られず、いきなり攻撃をしかけるから、奇襲って言うんですよ。あんたみたいに、奇襲しますからって、それは、あれですよ・・・ぜんぜんダメですよ」

 おぉ・・・なんか、動揺してんじゃねぇか。キミの方が、ぜんぜんダメみたいじゃないの。

 「・・・。」

 ね、わかるでしょう?「明日の朝、奇襲します!」って、これがどんなに精神的ダメージを与えることか。

 そう、あの夜・・・。

 もうたぶん、「奇襲予告」されたミスターは、寝るに寝れなかったのでしょう。だから、「やぁやぁ!」と言ったとたん、起き上がってきたのではないでしょうか。

 「なるほど・・・」

 なんだよ。おまえ、もういいよ。

 「は・・・?」

 もういいって。文章の語尾が「です」「ます」調に変わっただろ?文体を変えたんだ今。

 「いや、せっかくだから、奇襲も体験させていただこうかと思いまして・・・」

 いいよもう。めんどくさいもん。

 「・・・。」
 
 おまえは・・・あれだろ?ずっと前、嬉野くんの「カメラ講座」にも出て来たやつだろ?シャッタースピードがどうのっていう、どうでもいい話につきあわされてたやつだろ?

 「あぁ・・・そうですけど」

 やっぱりな。だから今回は、まどろっこしい文章になっちまってるわけだな。

 「あれですか?・・・書いてるうちに、嬉野さんの文章をパクってることに気付いて、ご自分で、言い訳を・・・」

 なに?

 「図星ですか。」

 いい。帰れ。

 さぁ!そういうわけで、午前4時30分。
 
 いよいよ「甘味ストーカー」が、その本領を発揮し始めたのである。

  オープニングの提供ベース。怪しげに、ふすまを覗き込む魔神。

 本編では、明かりをつけて「やぁやぁ!」と言う所から始まっちゃいるけれど、あぁやってキッチリ「忍び込んで」いるわけである。

 甘いものが大嫌いな男の枕元に、水ようかんを2本持ったヒゲ面の男が忍び寄る。

 朝4時半にだ。

 で、「ど~ですかぁ?おいしいですかぁ~?」なんつって、目の前で、長~い水ようかんを喰っていく。

 もう・・・犯罪だ。ストーカー行為だ。

 初めこそ、小ボケをかます余裕のあったミスターも、明らかに途中から、顔が無表情になっていった。

 つるっ トン つるっ トン・・・。

 目の前では、ストーカー男が、淡々と水ようかんを減らしていく。

 ミスターは、もう、顔を上げようともしない。

 つるっ トン つるっ トン・・・。

 「・・・それなに・・・最後?」安田さんが、小声で囁く。

 つるっ・・・カタッ。

 「・・・。」

 「ハイ・・・」

 1分少々の出来事であったか。

 ミスターは、ゆっくりと水ようかんから手を離し、そして、首を1回かしげた。

 明け方の静まり返った部屋の一室。

 「あのねぇ・・・」

 ミスターが口を開いた。

 「朝っぱらから、こんなもん食えるやつ・・・おっかしいよ・・・」

 あれは、マジだ。

 なんだろう、「どうでしょう」が始まって幾年月、ぼくは、ミスターの「心の中から搾り出た本気の言葉」というのを初めて聞いたような気がした。

 「あのねぇ・・・おっかしいって、ぜったい」

 ミスターの本気かげんが、あまりに本気なだけに、声にならない笑いで苦しくなった。

 午前4時。彼は、私が来ることはわかっていた。彼なりに考えたんだろう。

 よし「やぁやぁ!」って来たら、勢いよく立ち上がってやろう。「レディー・ゴー」で小ボケのひとつもかましてやろう。2日続けて同じように、ただ「やられる」だけじゃ、つまんないからね。

 そんなことを思っていたのかもしれない。

 でも、目の前の男の食いっぷりは、予想していたものとは、大きく違った。

 あんなデカイ水ようかん、全部食うのだって一苦労だ。時間かかるに決まってる。

 それがだ。1分後には、「はい」とか言って、手を上げた。

 もう、何も考える必要はない。

 もう、こいつは「おかしいのだ」。それが、ミスターの出した結論だったのだろう。

 
 ここまで来れば、魔神も本望である。

 さぁて・・・もう書く元気がなくなったぞ。続きは、また今度書く!

 その前に、大事なことを先に言っておく。

 掲示板に「たーくん」って書くなよ!奇襲するぞ、この野郎ぉ。