テレメンタリー2004 『戦地へ』 〜派遣隊員は語る〜
 自衛隊のイラク派遣の先陣を切るのは、北部方面隊の中でも北海道の旭川に司令部を置く陸上自衛隊第2師団を中心とする部隊である。その部隊本隊に業務支援隊(=先遣隊)を加えると、派遣される陸上自衛隊は総勢570〜580名にのぼるが、そのほとんどが北海道からの隊員だ。続いて5月には入れ替わりに札幌に司令部を置く陸上自衛隊第11師団を中心とする部隊が現地入りする
 元々、冷戦時代の対ソ連の最前線として、4個師団が駐屯する北海道は生活レベルでの自衛隊とのかかわりは深い。中でも旭川は、日露戦争、第2次大戦でも多くの犠牲者をだした大日本帝国陸軍第7師団が明治に置かれて以来の軍都であり、地元と軍、自衛隊との関わりが深い。イラク派遣を見つめる上で、隊員としての公式発言ではなく仮面を脱いだ一国民として、彼ら派遣隊員は今回のイラク派遣に何を思うのか。そして、家族や送り出す人々は何を考えるのか。派遣の是非に国論が割れる中、「語るな」と命じられ、口を閉ざしてきた派遣隊員が番組で初めて、本音を語った。
 「不安は無い。」と話す派遣隊員が仲間との別れを惜しんで酔いつぶれた夜。「家族に本当の危険は話せない。」という告白、・・・この瞬間に語る本音のつぶやきは、今までとは違う自衛隊の姿を見せる。番組では国レベルのドタバタを横目に、淡々と準備をすすめ、戦地に向かう彼らの複雑な胸中に迫る。実際に派遣される隊員とその家族の思い、自衛隊を抱える地域の思いを通してその意義を問う。

写真
2月3日、クウェートに向かい
千歳基地を出発する本隊の先発隊

(プロデューサー) 沼田 博光(HTB)
(チーフディレクター)  齊藤 龍(HTB)
(ディレクター) 阿久津 友紀(HTB)
  坂本 英樹(HTB)
(ナレーション) 永井 くみ子
(制作) HTB北海道テレビ


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「家族に本当の危険は話せない。」 イラク派遣に自衛隊員は何を思うのか・・・ HTB制作のドキュメンタリー テレメンタリー2004 『戦地へ』 〜派遣隊員は語る〜 2月29日(日)深夜1時20分〜1時50分(※放送日違いテレビ朝日系列全国ネット)