北の鉄路で何が起こっているのか。安全軽視の現場、組合闘争、相次ぐトップの 自殺・・・。独自入手した内部文書や現場の声を通して、JR北海道が直面する「憂鬱」の深層に迫る。
2011年5月、特急列車の脱線炎上という民営化以来最大の事故に直面したJR北海道は、あのとき、社をあげて安全運行を誓ったはずでした。しかし今、その同じ会社は、トップ自ら「会社発足以来最大の危機にある」と語る、正に瀬戸際へと追い詰められています。
ATSの破壊や、安全の根幹に関わるデータ偽造など、単に「カネ」が足りないとい うひと言では片付けられない深刻なトラブルが多発しているのです。取材班が現場の声を丹念に耳を傾けていくと、現場と本社の乖離や複雑な組合問題など、巨大組織が抱える根深い問題が見えてきました。独自に入手した内部資料も織りまぜながら、JR北海道の闇をえぐります。