テレメンタリー2010「流氷なき〜凍らぬ海の異変〜」

2010年4月17日(土)深夜1時30分放送

※上記は北海道ローカルの放送日時です。各地域の放送日時は、テレビ朝日テレメンタリー2010のHPでご確認ください。

【流氷鳴きが響く海(2000年2月 斜里町)】
【潮騒だけの海(2010年2月 斜里町)】

かつて真冬のオホーツク海に響いていた鳴き声にも似た音
氷と氷がぶつかり合い奏でる“流氷鳴き”が聞こえなくなった…
気温上昇、衰える流氷、海の生態系の異変
潮騒だけが響く凍らぬ海
それは、“流氷なき”未来への警告かもしれない

キー、キュー、ギシギシギシ、キキー。かつて、オホーツクの海に不規則に発せられる不思議な音が響いていた。地元の人たちが“流氷鳴き”と呼んだ流氷と流氷がぶつかり軋む、鳴き声にも似た音だ。流氷鳴きが響いたあとには、海が分厚い氷に覆われ、凛とした静寂が訪れる。そんな真冬の音の情景が、いまはない。流氷が減っているからだ。

40年以上、流氷の研究を続けている道立オホーツク流氷科学センターの青田昌秋所長は「流氷勢力は100年前の半分」と分析している。オホーツクは北半球の流氷の南限。そのため流氷は環境変化を如実に反映する高感度センサーだ。青田所長は「気温が4℃上昇すると北海道で流氷が見られなくなる」と警告する。

流氷はシベリア沖で誕生し、遙かなる旅路の果てに北海道にやってくる。その途中で氷と氷が重なり合い、ぶつかり合い、大きな氷へと成長を遂げる。豊かな生態系を育む流氷が減少したことで、オホーツク海に異変が現れ始めた…。

巡視船そうやと北大低温科学研究所による流氷調査、変化が如実な羅臼のウニ漁、氷の下に潜り続けるダイバー、長年、流氷を撮り続けてきた写真家…。流氷に関わる様々な事象や人々を通して、「いま、そこにある変化」を捉え、“流氷なき”未来への警告を読み解く。

ナレーター 紺野美沙子
撮影 三戸史雄
音声 浅野光宏
編集 笹森大玄
音響効果 宮田友紀子
ディレクター 柴田遼
プロデューサー 数浜照吾
 

紺野美沙子さん

俳優・国連開発計画(UNDP)親善大使
東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1980年、NHK連続テレビ小説「虹を織る」のヒロイン役で人気を博す。「武田信玄」「あすか」など多数のドラマに出演。舞台「細雪」(原作・谷崎潤一郎)では、三女・雪子役を好演。他に、「オットーと呼ばれる日本人」(作:木下順二)、「きんぎょの夢」(原作:向田邦子)、「現代能楽集イプセン」(作:坂手洋二)などがある。テレビ・映画・舞台に活躍する一方、1998年、国連開発計画親善大使の任命を受け、カンボジア・パレスチナ・タンザニア・東ティモール他、アジア・アフリカの各国を視察するなど、国際協力の分野でも活動中。近著に、親善大使として訪れた国や人々について綴った「ラララ親善大使」(小学館刊)がある。現在、NHK教育テレビ「ギフト〜E名言の世界」に出演中。
http://www.konno-misako.com/index.html