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大雪山に残る氷河期


北海道大雪山に降る雪は、日本一いや世界一美しい雪です。結晶のまま舞い降ります。
その昔、ポロシリ氷期の7~3万年前と2万年前のトッタベツ氷期の頃は、今より6~7度も気温が低く北海道の高い山々には氷河が発達し、大地には永久凍土と凍ったり溶けたりを繰り返す大地がありました。
大雪山には、数万年まえの氷河期に大陸から渡ってきたナキウサギやウスバキチョウが生き続けています。


ウスバキチョウ 大雪山でも最も気象条件の厳しい高山風衝帯(地下に永久凍土を持つ)には、国の天然記念物のウスバキチョウが生きている。
生きた化石と呼ばれる、氷河期の迷い子たち。
黄色に黒い斑点のある美しい半透明の羽をもつウスバキチョウは、1年目は卵、2年目は蛹、そして3年目にやっと成虫になります。
羽化しても1週間たらずの短い一生です。




白雲岳 日本にもある永久凍土は、日本一高い富士山と大雪山系に残されています。
標高2,230m白雲岳の山頂には、北極へ連なる太古から眠っている永久凍土が残されています。
地表から1mくらい下は、北欧のツンドラと同じ状態です。
年間の平均気温はマイナス5度位。
ひょっとすると夏が最も短いところかも知れません。
いま大雪山系では、永久凍土を始め、地球温暖化の研究のため気温の上昇と植物の生育との関係や、万年雪や地表下の氷の様子など、さまざまな研究とデータの蓄積が行われています。
大雪山のテッペンの雪や氷は、北極や南極と同じように地球環境を知るセンサーの役目を果たしているのです。



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