小高い丘の上にたって、坂東園長は言葉を
失いました。見渡す限り広がっている緑には、
たった1種類の樹木しかなかったのです。
アブラ椰子のプランテーションは
山の稜線の向こうにまで一面広がっていました。
アブラ椰子の実からはパーム油が採れます。
パーム油は日ごろ私たちが口にする
お菓子、即席めんなどの食品や、
化粧品の原料に使われ、私たちの暮らしを
支えています。
世界中で需要が高まり、ボルネオ島では
1990年代からアブラ椰子のプランテーション開発が急速に進んでいます。
マレーシアサバ州での作付け面積は
1975年と比べて23倍、州の20%が
アブラ椰子のプランテーションに。
違法に植えられていくアブラ椰子のために
ジャングルが伐採され
野生動物の保護区が分断され続けています。