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番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第458回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2013年10月18日(金)
15:00~16:30
審議テーマ
HTBノンフィクション「託したものは TPPと北海道農業 参院選の記録」
2013年8月3日(月)06:00~06:30
出席委員
内田和男 | 委員長 |
新谷朋子 | 副委員長(レポート) |
烏日娜 | 委員(レポート) |
真弓明彦 | 委員 |
作間豪昭 | 委員 |
閔 鎭京 | 委員(レポート) |
西川祥一 | 委員 |
渡辺淳也 | 委員 |
福津京子 | 委員 |
髙橋留智亜 | 委員 |
会社側出席者
代表取締役社長 | 樋泉 実 |
常務取締役 | 田中英也 |
取締役 | 林 亮一 |
役員待遇CSR広報室長 | 国本昌秀 |
報道情報局長 | 寺内達郎 |
編成局長 | 川筋雅文 |
CSR広報室部長 | 岡 仁子 |
番組担当プロデューサー | 河野暁之 |
番組担当ディレクター | 北村玲奈 |
番組審議会事務局長 | 四宮康雅 |
【会社報告】
- 渡辺淳也氏・福津京子氏・髙橋留智亜氏に放送番組審議会委員委嘱状交付
- 2011年6月スタートの放送番組の種別の公表制度にのっとり、2013年4月~2013年9月の各第3週に放送した全放送番組を、所定の放送番組種別に分類し、「個々の放送番組の種別」「種別ごとの放送時間」について報告
- 「水曜どうでしょう」最新作高視聴率獲得、番組販売、VOD配信などマルチに展開
- 「CEATEC JAPAN2013」に出展
- 広報お客様センターマンスリーレポート2013年9月
【委員の意見要旨】
◇国会のねじれ解消を目論む自民党のTPP選挙戦略、TPP断固阻止を訴えつつも政権与党から揺さぶりを受ける農業団体、そして農業政策の下でブランド米を作りあげてきた農業家を中心に、農業現場を残したまま政争の具となったTPP問題を、参院選を絡めて鮮明に浮き上がらせていた。
◇政治家とそれを取り巻く人々を描いた、大変面白い人間ドキュメンタリーと感じた。議員という地位が掛る人間と、巨大な組織を双肩に背負う人間が、選挙というエゴイスティックに利害が立ち上がる状況の中で刻々と変化する様子が鮮やかに描かれていた。丹念な取材と表情を逃すまいとするカメラマンの姿勢に裏うちされた成功であろう。
◇カメラは、それぞれの人間を飛び越え、奥にある「政治というもの」、その生々しさやむき出しの姿を写しとっており秀逸。
◇参院選北海道選挙区で最大の争点TPPに、焦点を合わせ選挙の軌跡を丁寧に生真面目にまとめた作品。
◇TPP交渉参加断固阻止を掲げて大勝した自民党議員の、農業団体と太いパイプを持つ伊達氏の立ち回り方が、時系列に非常にわかりやすくまとめられている。
◇なんとしても議席を守りたい伊達議員が、最後の手段として畜産への100億超の補助金で支援を迫ると、JA飛田会長の態度が劇的に変化するシーンが大変印象的。その後、一見すると、口を真一文字に結んでいるものの、実は薄く笑みを浮かべている伊達議員の象徴的な一瞬をカメラはしっかりととらえていた。
◇大野アナウンサーのナレーションが落ち着いてとても聞きやすかった。また選挙前日の満月、翌日のビアガーデンでの乾杯シーン、未来を担う子どもたちが田んぼをのどかに歩く映像などは象徴的。
◇冒頭のナレーションでの問いかけ「何を信じて良いだろう、一票を誰に託せば良いのか?」が、全編を通して中心軸として構成され、非常に完成度の高い番組。
◇伊達議員と農家の小林さんとのコントラストが面白い。表層的には伊達議員を追って番組が構成されているが、番組の放つメッセージの骨格は小林さんにあるのではないか。彼の言葉には、米への愛、農業への哲学がこめられて、豊かな人間性が伝わってきた。
◇わかりやすいナレーション、適切なデータの利用、人間性を描き出す計算されたカメラワークなど、番組制作のお手本を見せられた思い。
◇農家の方が日々誠実に努力されている姿が大変印象深い。日本の政治や経済がどうであれ、ただただ消費者に安全でおいしいお米を食べてもらいたいという思いで農作業に専念される様子が映し出され、安らぎを覚えた。穏やかで、特定の政治団体に与せず、冷静に考え、悩み抜いて投票されていることが如実にあらわれていた。
◇TPP自体の問題にとどまらず、日本の政治や選挙のありようの本質を、客観的に、明確に、そしてコンパクトにまとめて視聴者に示している。特に伊達代議士を中心軸に据え、彼の視点で全てを解説させているとことに番組の面白さが凝縮している。
◇伊達議員の、TPP推進に舵を切った政府のもと不安を隠せない表情~補助金拠出が決まりほっとする姿~選挙情勢が好転し強気の姿勢に変わるシーン、カメラはしっかりととらえていた。選挙という代議士にとっての死活問題、自民党代議士の選挙のありようをそのまま映し出している点が非常に興味深く、作品を高く評価したい。
◇番組を見て、日本における食や環境の安全、医療・教育・社会福祉の充実、労働環境が健全であることなどの素晴らしさを実感した。
◇民主党小川議員を含め、政治家や農業団体への突っ込んだ取材を行い、選挙と政争のなかで揺れる現場と北海道農業への影響を掘り下げてほしかった。
◇選挙制度がはらむ問題、一票のはかなさを明確に突きつけられた思いが強い。政治家に市民の声を届ける、またプレッシャーを与えるためにどのような方法があるのか、私たちができる具体的な社会活動につながる提案を提供して欲しかった。
◇TPPに対する道内議員の姿勢を振り返る良い機会をなった。今後も彼らが北海道農業のためにどのような活動をしているのか検証する番組を制作してほしい。政治への関心が低い若い世代が北海道の未来を考えるきっかけにもなる。
※次回の審議会は、2013年11月28日(木)です。