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HTB 北海道テレビ放送 会社案内

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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第465回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2014年6月26日(木)
15:00~16:55

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審議対象番組

HTBノンフィクション「復興を喰らう~12億円を使い切った男~」
2014年4月5日(土)06:30~07:00放送

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出席委員
平本健太 委員長
作間豪昭 副委員長
真弓明彦 委員
閔 鎭京 委員
西川祥一 委員
渡辺淳也 委員
福津京子 委員
髙橋留智亜 委員
会社側出席者
代表取締役社長 樋泉 実
常務取締役 田中英也
取締役 寺内達郎
役員待遇CSR広報室長 国本昌秀
編成局長 川筋雅文
CSR広報室部長 岡 仁子
番組担当プロデューサー 山田佳晴
番組担当ディレクター 見張祐介
番組審議会事務局長 四宮康雅

【会社報告】

  • CSR報告書「ユメミル、チカラ応援レポート2014」発行
  • 6月18日、福島県にて「先生、あのね...詩集「サイロ」の50年」上映会と詩の朗会開催
  • 6月23日、豊平区との連携事業「とよひら子どもユメひろば」第2回開催
  • 7月番組改編の概要

【委員の意見要旨】

◇NPO法人「大雪りばぁねっと。」岡田元代表が、「これから逮捕されるのでしょうか」と電話をかける冒頭のシーンは衝撃的。多くの報道人が詰めかけるなか、HTBだけが自宅に入室して撮影できたのは、しっかりとした密着取材の賜物と敬服。

◇テレビメディアでなければ伝えられない表情や人柄に触れるエピソードが豊富でとても見応えがあった。地元ならではの取材力に感服するとともに、あらためて未解決であるこの事件に再び向き合い考える機会になった。

◇なぜ、岡田元代表は山田町の前町長などからあれほどの信頼を得られたのか。丁寧な取材により、彼のパーソナリティーを掘り下げて見ることでき、ある意味したたかに場面に合わせてキャラクターを演じ分けたという印象をもった。信頼の理由が少し理解できたような気がした。

◇岡田元代表が人命救助に携わることになった、彼の人生に最も影響を与えたA氏に辿りついたこと、A氏が岡田元代表の行動によって、どれほどの苦悩があったかなど取材できたことは大きな成果である。

◇第一弾では、12億円の疑惑の使い道などが主たるテーマであったが、第二弾の本作では、彼の様々な顔、犯行に関わっていることが疑われる周辺人物、横領の手口などが描かれ、この事件をより立体的に理解することができた。

◇取材陣が岡田元代表の自宅に上がりこみ、逮捕直前の虚勢と不安、岩手県警の逮捕執行前を捉えた映像に驚きというより唖然とした。喜怒哀楽が激しい容疑者および家族などと人間関係を構築し、密着取材の成功したHTB取材陣のねばりと執着心に感嘆し、敬意を表したい。これほどの臨場感や緊張感を味わった番組は記憶にない。

◇落ち着いたナレーション、地元の子どもや家族、そして竹筒に記された言葉などの短いカットも効果的で、番組全体に重厚感を与えていた。

◇番組冒頭と最後の衝撃的シーンだけでなく、早い段階から事件を記録し、国民が知りえない、復興の闇の部分に光をあててきめ細かく伝えた点で、報道の大きな役割を果たしている。

◇岡田元代表の人物像を、できるだけ映像を使い、特段の評価を与えずに見せることで、視聴者がどう考えるかは任せるという姿勢を感じた。取材する立場としては、人間の良し悪しの決めつけはしないが、さまざまに不適切な行動をとっていることをファクトとして示しながら、印象や人物像については、見る側が最終的に彫り上げるという構成は成功していた。

【疑問点・改善点】

◇冒頭から、容疑者と取材者との距離の近さに強い違和感を覚えた。通常、容疑者への取材は困難を極めるが、今回のケースは容疑者がむしろ積極的に取材に応じ、露出を望んでいるようにも見える。テレビに登場することで何をメリットと考えたのだろうか。

◇事件の構造、どんな容疑が浮上しているのか、番組の冒頭部分で説明する必要があったのではないか。容疑者取材の核の表現が手薄になっていると感じた。

◇経歴も年齢も公表しないと言われる岡田元代表の幼少期から追って、当日の知り合いを取材するなど、生い立ちの中での性格形成過程にも触れられたら、より深く彼の行動の背景など理解することが出来たかもしれない。

◇岡田元代表が俗っぽい悪人であるという切り口だけで、彼の俗悪な部分をかき集めて編集した印象をぬぐえず、事件の本質や背景に迫る、ジャーナリスティクな視点を感じることができなかった。

◇岡田元代表や、山田町の前町長、副町長などのコメントが、どの時点でなされたのか分らず混乱した。時間軸が重要な意味を持つ番組では、収録時期を表示する、ナレーションで補足するなどの工夫が必要だったと思う。

【提言・要望】

◇これから司法の場でさまざまな事柄が明らかになることと思うが、ぜひ今後も追跡取材を続けていただきたい。程度の差こそあれ同様に行政の予算を食い物にするような事案も多いと推察する。このような番組が、税金の無駄遣いを少しでも抑止することに繋がると思う。

◇復興事業全般にわたる課題や各種事業の評価・検証などについても深くメスをいれた番組を期待したい。

※次回の放送番組審議会は、2014年7月24日(木)です。