第167回直木賞の発表 道東・別海町出身の作家 河崎秋子さん 惜しくも受賞逃す
2022年 7月20日 18:35 掲載
第167回直木賞の発表が20日行われました。
北海道・別海町出身の作家、河崎秋子さんは惜しくも受賞を逃しました。
先ほど発表された第167回直木賞。ノミネートされていた別海町出身の作家河崎秋子さんの作品「絞め殺しの樹」は惜しくも受賞を逃しました。
コーチャンフォー新川通り店山岡勝也さん:「・・・」
札幌市内の書店では河崎さんの受賞を期待し特設コーナーを設ける準備をしていましたが…。
「絞め殺しの樹」の舞台は根室。幼くして奉公に出され数々の苦難に直面する女性の生涯を描いた「一代記」です。
作家・河崎秋子の原点は故郷、別海町にあります。実はデビュー当時、河崎さんは「羊飼い」をしながら筆を執っていました。文字通り酪農業と執筆業の二刀流。
河崎秋子さん:「(アイデアを)メモッたりしていると時間のロスになるし下手したらメモを(羊に)食べられたりしますしね。本当に紙とか食べるので…。」
執筆毎朝5時起きで羊の世話に追われ執筆にあてられるのは夜だけ当時は睡眠時間わずか2時間半という生活でした。
河崎秋子さん:「気合です。」
羊飼いとして動物の命に触れながら筆を執ってきた河崎さん。その経験を生かした作品作りへの思いをこう語っていました。
河崎秋子さん:「人間以外のものであるとか動物や自然だったりそういう人間だけでないものと合わせて色々とこれからの文章にも生かせたらと思います。」
河崎さんが尊敬する作家の一人、釧路市出身で直木賞作家の先輩でもある桜木紫乃さんです。デビュー前から10年近くにわたって桜木さんは河崎さんの活躍を見続けてきました。
桜木紫乃さん:「デビュー本から頭抜けてオリジナリティがありましたし、はっと気付いたら3分の2を読ませるだけの力があって、すごいイイ人が出てきたと思った。」
同じ道東出身で北海道を舞台にした作品を書く者同士、こんなエールを送ります。
桜木紫乃さん:「私は、彼女の存在で自分がエールをもらっているとおもっているので、小説家は体が資本だから体に気を付けて頑張ってほしい。私も頑張る、もちろん。」