車は知人名義と判明 軽乗用車脱輪 女児タイヤ直撃で重体 幼稚園では保護者から不安の声 札幌・西区
2023年11月15日 16:03 掲載
札幌市で車から外れたタイヤと衝突し、女の子が重体になっている事故。
車を運転していた男が逮捕されましたが、車はこの男の知人の名義であることが親族への取材でわかりました。
事故から一夜。女の子が通っていた幼稚園に子どもを送り届ける保護者からは驚きと不安の声があがりました。
幼稚園に子を通わせる保護者)
「本当に咄嗟のことなので、どうやって防ぐかというのは難しいなと」「娘がいるから他人事じゃないし、お父さんもいたたまれない」
伊藤榮祐記者)
「現場は幼稚園のすぐ隣の市道です。坂の上にはいま前輪のない軽乗用車が止まっています」
14日午後1時半ごろ、札幌市西区平和3条8丁目で坂道を下っていた軽乗用車のタイヤが外れ4歳とみられる女の子に衝突。女の子は意識不明の重体です。
軽乗用車を運転していた西区の会社員若本豊嗣容疑者49歳。過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されました。
事故はどのように起きたのでしょうか。
黒澤圭介記者)
「女の子は幼稚園を出てすぐのこの坂を登っているとき事故に巻き込まれました。すぐ横にはガードレールもある歩道ですが、タイヤが前から転がってきて女の子に衝突したということです」
女の子は父親と5歳とみられる姉の3人で現場の坂を登っていたとみられています。外れたタイヤはガードレールの切れ目から歩道に乗り上げたとみられ、およそ70メートル転がり女の子と衝突。タイヤはそのまま転がり衝突場所から140メートル下で見つかりました。
車から外れたタイヤは非常に危険です。こちらの実験映像、時速60キロで走行する大型トラックからタイヤが外れると・・・。タイヤが直撃した人形の身体は「くの字」になり、ベビーカーとともにおよそ4メートル飛ばされました。
今回、タイヤはなぜ外れたのでしょうか。事故の直前、この車にその予兆があったのではないかと思われる様子が現場近くの防犯カメラに捉えられていました。
黒澤圭介記者)
「車は事故直前、こちらの敷地に立ち寄ったとみられています。タイヤの跡が円形にいくつもあります」
事故が起きる10分前の映像です。事故車両と同じナンバーの車が走りを確認するかのように回転しています。また運転していた人物が車を降りて左前のタイヤ周りを確認する様子も映っていました。
親族によると、かつて車の整備士として働いていたという若本容疑者。事故を起こした車は若本容疑者の知人名義のもので、若本容疑者が修理しようとしていたという情報もあります。
現場付近では外れたタイヤを締めていたとみられる部品5個が見つかっていて、警察は部品が緩みタイヤが外れた可能性もあるとみて調べています。
<スタジオ>
車からタイヤが脱落して人が巻き込まれる事故はこれまでにも起きています。
道内では去年までの10年間で10件も発生して11人がケガをしています。
非常に危険なタイヤの脱落事故。脱落しないための注意点をJAFの担当者に聞きました。
JAF札幌支部安藤純一事業係長)
「タイヤを取り付けてナットで締めるという作り、これが緩んで締め付けが不足していると走行中にこれが取れてしまってタイヤが外れる」「車ごとに定められた既定の数値でしっかり締めていただくことが重要」
タイヤが外れる前には必ず何かしらのサインが現れるといいます。
JAF札幌支部安藤純一事業係長)
「コトコトと音が出たり、ハンドルに振動が伝わったり、そういうことがあった場合はすぐに車を止めていただいて緩みがないかどうか確認していただくことも必要」
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