「鉄道の記憶を残してほしい」来年3月廃止の根室線・富良野-新得間 沿線住民を対象とした無料乗車会
2023年11月20日 18:37 掲載
来年3月末に北海道の富良野-新得間の廃止が決まっているJR根室線について、沿線住民を対象にした無料乗車会が開かれました。
大勢の乗客で賑わう南富良野町の東鹿越駅のホームにやってきた2両編成の赤い列車。18日南富良野町が企画した貸切列車です。来年3月で廃止になる根室線の富良野・新得間について、鉄道の記憶を残してほしいと沿線の南富良野町が町民を対象に無料乗車会を開きました。
鈴木麻友記者)
「臨時列車には皆さん思い出作りにと、小さいお子さんからお年寄りまで幅広い世代の方が乗っています」。
貸切列車は東鹿越駅を出発し富良野駅との間の1往復を運行。片道およそ40分の旅に町民ら100人余りが乗り込みました。
乗客)
「高校生ぶりじゃないですかね、乗ったの。すごい感慨深いです」。
乗客)
「朝と夜は学生専用みたいな感じで」、「寝ていることが多く勉強もしなきゃいけない、テストの前には広げながらやっていた」。
富良野-新得間は40年ほど前には1日4000人以上が利用していましたが、いまでは150人程度に落ち込み赤字は年間およそ1億円。来年3月での廃止が決まっています。
南富良野町まちづくりプロジェクト推進室 佐々木智一室長)
「今年度でJRが廃止されるということで、今まで乗っていた方、本当であれば乗る方が乗れなくなってしまうというところで、町民を対象に思い出に残る記念として企画した」。
JR北海道は宗谷線や釧網線など8つの区間について「単独では維持が困難」としています。
国の監督命令に基づき北海道や沿線自治体とともに利用の向上に取り組み、2018年からの5年計画で観光列車を走らせるなどしてきました。
鈴木知事)
「鉄道ネットワークの役割や重要性を発信していくとともに、国にも強く訴えていきます」。
20日、札幌で開かれた鉄道の利用促進を検討する協議会。JR、行政、経済界などが一体となって生活、物流、観光のためにこれ以上は路線を廃止しない考えを確認しました。
来年3月の廃止後、富良野-新得間はバスに転換されます。バスの運行本数や路線については沿線自治体とバス会社の間で協議がおこなわれます。
南富良野町まちづくりプロジェクト推進室 佐々木智一室長)
「これからJRに変わるバス転換なので、それについては、皆さんの通学や通院に支障のないように、皆さんの便利になることを考えている」。
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