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「お前だけは許さない…」クマやシカから畑や牧場を守る…「モンスターウルフ」 北海道の町工場から全国へ

クマやシカなど野生動物による被害が問題となっている中、北海道内の町工場で生まれたある装置に全国から注目が集まっています。

■鈴木麻友記者(名寄市):
「クマが1頭草むらをかけています。子グマでしょうか?」

毎年相次いでいる野生動物によるトラブル。

■渡辺里沙記者(南富良野町):
「あちらシカの姿が確認できます。大体50頭ほどいるでしょうか。草を食べている様子が確認できます。」

道内では農業被害が年間50億円以上に上るなど、深刻な問題となっています。こうした被害を防ぐため、いま全国各地で活躍しているのが…。

■モンスターウルフ:
「消え去れ!消え去れ!」

恐ろしいオオカミの姿をしたロボット、その名も「モンスターウルフ」。
動物が近づくと…。

■近江谷真由記者:
「うわっ。びっくりした。」

センサーが感知して、まるで生きているかのように首をふり激しい音と光で動物を追い払います。
その実力は?(カメラ映像)
イノシシに…シカ。さらにツキノワグマまで…。モンスターウルフに驚き、逃げ去っていきました。
音の種類はなんと50種類以上。
オオカミの遠吠えや銃声人の声など動物が嫌がる音が周囲1キロに渡って響き渡るのです。

■モンスターウルフ:
「仕方ねえ、やってやるか。」

北海道標茶町では牛を襲うヒグマ「OSO18」対策に導入したところ、その周りでは被害が出なかったといいます。以前、デントコーン畑でモンスターウルフの実証実験を行ったクマの生態に詳しい専門家は。

■酪農学園大学佐藤喜和教授:
「モンスターウルフを設置していなかった年と比べると、設置した年の方が被害の量としては減少する。特にデントコーンのような実がついて被害を受ける期間が非常に短い作物ですよね。そういうタイプの作物に対しては一定程度の効果はあると思いますね。」

モンスターウルフを開発・製造しているのは、奈井江町で部品加工を行う町工場「太田精器」です。

■太田精器太田裕治社長(65):
「手作りでやっています。ハロウィンなどで使われているマスクを探し当ててより怖いものを。目はLEDを入れてということで特殊なものとして作りました。」
太田社長がウルフ開発に乗り出したキッカケは2008年。
環境をテーマにした洞爺湖サミットが開かれ、LED照明に出会ったことでした。

■太田社長:
「LEDの強い光で動物を追い払えないかということを発想して。地域や農家の方が困っているということをよく聞いておりましたので、ものづくりで何か役に立ちたいなという考えがありましたので。」

しかし太田精器の本業は金属を研磨し機械部品の加工を行うこと。元警察官で親の跡を継いだ2代目社長の思い付きに当初は社内から疑問の声もあがったそうです。

■太田裕治社長(65):
「何を考えているの?社長はおかしくなったの?社長の道楽で何をやっているんだという声がいっぱい出まして。」
それでも試行錯誤を繰り返しながら開発を続けること7年。
多くの野生動物の天敵はオオカミだという大学教授からのアドバイスをヒントに、201
6年「モンスターウルフ」が誕生しました。

■太田社長:
「3年間ぐらい各地に設置させてください、試させてくださいということである程度回って効果を検証していただきました。所詮オオカミのかかしでしょとか言われたんですが思いのほか効果があるということで約250台ぐらい全国で使われるようになりました。
毎日農家さんが毛づくろいして「今日も頼むなと言ってやっている人がいるという話を聞いたら、ちょっとうるっときましたね。」
これまで「全く効果がない」といったクレームは1件も入っていないということです。
今年2月には林野庁もモンスターウルフを導入。鹿児島県内の国有林で、植えたばかりのスギやヒノキがシカなどに食べられる被害を防ぐため設置されました。

■太田社長:
「中々丈夫な毛で雨降ろうと北海道ですから雪が降ろうと大丈夫です。」

■地元の人:
「さすがやな。」

■林野庁北薩森林管理署藤川晃久さん:
「2か所で実証をしているんですが、1つの方は全然食べられていないです。もう1か所の方は何本か食べられているんですけど、先端部がちょこっとなんですよ。
Q効果は感じていますか?めっちゃ感じています。」

ただ一方で、その場から動けないモンスターウルフには弱点も…。

■酪農学園大学佐藤喜和教授:「モンスターウルフを設置した周辺に関しては結構被害が防げているけれども、(広い農場で)遠くなればなるほど被害は多くなるということもわかった。
侵入した時には必ず接近してきて、光と音で威嚇されるというようなことが実現するのであれば、それはやはり慣れにくいですし、効果も大きいような気はします」さらなるパワーアップ目指し現在商品化を進めているのが…。

■近江谷記者:
「見てください、見てください。オオカミが走っています。…えっ」

自動車メーカーなどと共に開発したその名も「ウルフムーバー」。
カメラやGPSが搭載され、遠隔で操作することができます。
将来的には完全な自動走行を目指しているそうです。

■太田社長:
「どんなところでも荒れた道でも動けるようになっています。(野生動物が)逃げるまでどんどん追いかけていく。究極の撃退装置になるのかなと思います。」

すでに商品化に向け、去年から実証実験も始まりました。

■太田社長:
「今年道内で実験をする予定であります。2~3年後には商品化に進めるかなと思っています。」

奈井江町の町工場が生んだ「モンスターウルフ」。今後も進化が止まりません。

■モンスターウルフ:
「お前だけは許さない。」

【スタジオ】
モンスターウルフは設置費用も含めて1台60万5000円~。
レンタルだと月2万3100円から借りることができます。

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