森林無許可伐採 町長「極めて遺憾」 法令違反でも止められない現状に法整備強化求める声 北海道倶知安町
2025年 6月16日 18:42 掲載
北海道倶知安町で、大規模開発に伴う森林伐採が無許可で行われていた問題。16日の町議会で、町長は「極めて遺憾で指導していく」と述べました。
倶知安町・文字一志町長:「各種法令が定める手順手続きを得ずに、今回のような不法な伐採や建築工事が進められたこと、これは極めて遺憾でございます。厳しく指導を行っていく必要を、強く感じているところでございます」。
羊蹄山の麓にある倶知安町巽地区。去年の春から行われている住宅2棟の建設工事現場では、道に無許可で1haを越える森林伐採が行われていました。伐採の規模は3.9haにも及びます。また、木を切り始める時に必要な伐採届けについても、町がこれまで複数回にわたり事業者に提出を指示していますが、今も出されていません。
巽地区で、どのような開発が行われようとしていたのか。16日の町議会で、その計画の一部が明らかになりました。
倶知安町・波方真如町議:「ファイブスターホテルなどと書かれて、実際これがどこまで本気で建てようとしてたとか、そういうのは分からないですが、こういった計画もありました。何度も指導していながらも、工事が続けられてしまった訳、理由というのは、どういうことですかね」。
倶知安町・文字一志町長:「今回の場合は、建物を建てるということ自体が悪いということではなくて、それ以前の問題として法律すらも守ってくれないところが現れてしまったというところでの衝撃。実際にこういったことが起きてしまっているということをしっかりと受け止めながら、今後の対応については考えていかなければいけない」。
今回の問題の対応について、先週、鈴木知事は。
北海道・鈴木直道知事:「指導権限、工事の停止とかを法律の権限を越えて知事がその事例ごとに判断するということは、なかなか現実的な対応ではない。逆に訴えられます」。
相次ぐ法令違反にも関わらず工事が止められない現状に、議員からは法整備の強化を求める声が上がりました。
倶知安町・早川貴士町議:「北海道、国へ法整備の強化、そういったものを求めていくべきと考えておりますので、町長としてはそういったことに関して、どのようにお考えにおられるのか」。
倶知安町・文字一志町長:「現在、どういったところが結局(事業者への)抜け道になってしまったというかですね。そこまでいっちゃったというのは、今回の事例を通した中で、その辺を再確認し整理をする必要がある」。