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46歳、両側乳がんになりました㉑ 初期といわれるのがつらい、の声

コラム

阿久津友紀(HTB報道部)

2020/05/13

検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。

 今回は、ちょっとだけ遺伝子検査のお話です。ご意見の中に遺伝子検査について、知りたいよ、という声をいただきました。

 私が番組でご紹介したのは、①遺伝子検査(アッセイ)と②遺伝学的検査の2種類です。両方とも遺伝子検査、ですが、まったく違います。乳がんの腫瘍から取り出した遺伝子で見るものと、血液などで自分の本来のDNAから見るもの、です。本当に受けられる対象が限られていますので、ご自身の担当医にご相談ください。①の方はオンコタイプDXというもので、ホルモン受容体陽性でHER2陰性、リンパ節転移陰性や3個までの方が主な対象です。開発されたアメリカでは、このコロナで手術が延期されていて、最初の組織診で取りだした細胞で確認。急を要すか時間を稼げるかを判断するのにもつかわれ始めているということです。まだ、保険適用外(来年度を目指して準備はすすめられています)なので日本ではそこまで踏み込めないのではないかと思います。②については、私も検査が延期されているので、また追って。

①に関して、"初期"ってなんだ問題に少し触れたいと思います。

いただいたお便り、です。

『初期のがんと言われていても、再発転移の心配はずっと付きまといます。でも、周りからは、「初期で良かったね。」と初期だから大したことはないように言われるのがつらいです。ステージが上の人と比べれば治療方法がある、すぐに命の心配をしなくていい...客観的に見ればそうかもしれないけれど、いまだに「良かった」とは思えずにいます。』といただきました。

 まさにそのとおりで、取材中もそういった声を多くお聞きしました。もちろん、『"際限なく続く"のに大丈夫だよ』と言われて傷つく、という逆の声もありました。本当にかける言葉は難しい。

 私の場合は、両側のせいもありますが、まだもがいてます。それと、不安をあおるつもりはないのですが、初期だけで乳がんが判断できないと感じでいるのは、20回に書いたとおりです。①について、該当するステージの誰もが、そこまで医療費をかけずに検査が受けられることを祈っています。必要な治療はするべきですし、無駄な治療は受けるべきではない。念のため、、、が一番苦しいな、と感じています。進行がんですと、薬を探すための遺伝子検査もあります。こちらもなかなか適用が狭く、お困りの方も多いようです。取材を進めたいと思っています。

 そして、今、細胞診まで受けて不安でこのサイトや番組にたどり着いた、という方も多くいただきました。先ほどと同じ方なのですが、とても大事なお話だったので、こちらもシェアします。

『実は、1回目も2回目も、がん(しこり)は自分で見つけました。そして、すぐに病院に行き、検査しました。乳癌は、触って見つけることもできるのです。健診も大事、信頼できる医者にかかるのも大事ですが、自分の体を一番わかってあげられるのは自分。自分の感じた「違和感」も大事にしてほしいと思います。それから、保険の見直しも大事です。昔入った保険は、初期のがんが適応外になる場合があり、1回目の時には、私も、給付金が出るかどうか...という感じでした(結局、手術の結果レベルが上がり出ましたが)。最近は、がんも早期に治療ができるようになってきたので、それに合わせた内容に見直すことも大事だと思いました。診断を受けた時の悲しみ、治療をする上での困り感を、広く世の中の人にも知ってもらいたいと願っています。』

続いては『私は隔年の乳がん検診(エコー)で、昨年はじめてひっかかりました。麻酔なしで針を刺す細胞診で「悪性でない」という結果でしたが、本当に1回の細胞診だけで大丈夫なのか(医師を信頼していないとかではなく、細胞診というもの自体の精度が悪性の可能性も何%かはあったりするのかも・・と、ネットで色々調べれば調べるほど不安になり・・。何でも自分である程度の情報を調べられることの良さと悪さも考えさせられました。)そして、もしがんの場合は命に関わるので、できれば複数の医師の見立てを知りたい、と心配性の自分は考えましたが、検査結果を他院に持って行くことは許可されず、また悪性でなかったにもかかわらず不安からそう考える私のことを責められた感じもあり、私は一体何をやっているんだろう。結果を素直に受け取れば良かったのか・・といろいろ調べようとした自分の行為を後悔し、もう、病気について調べまくることはやめようと思い、がんのことを考えることからあえて離れていたところでした。そんななかで、今回のドキュメンタリーに出会い、治療の主体は自分だよなというところ、あらためて感じましたし、少し勇気が戻ってきました。コロナで、ガンの治療も、検診を受けるにも大変な状況ですが、今後も乳がんに関する情報発信をぜひお願いします。 』

ともいただきました。過剰に不安になることなく、多くの方が胸に関心を持ち、検診へ向かっていただけることを祈っています。

そんなみなさんの気持ちをすべては代弁できてはいませんがここからまた始めていきたいなと思っています。ありがとうございます。

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この記事を書いたのは

阿久津友紀(HTB報道部)

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