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北海道のボーイズグループ・NORDのワンマンライブに潜入してみた

アイドル

乗田綾子

2019/01/18

平成最後のクリスマスとなった2018年12月22日。一面に雪が降り積もった北海道で、とあるボーイズグループのワンマンライブが開催されました。

そのグループの名は、NORD(ノール)。
TEAM NACSを生んだ北海道の芸能事務所・CREATIVE OFFICE CUEの北海道男子限定オーディションから2016年6月に誕生し、まもなく結成3周年を迎えようとしている、17~24歳の男性7人組です。

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NORD:前列左から舟木健・長崎佑亮・島太星/後列左から花岡領太・瀧原光・安保卓城・枝元雷亜

「北海道を拠点に様々なエンターテイメントに挑戦する」との宣言通り、これまで一貫して地元北海道での活動を中心に行ってきている彼ら。
しかし"ローカル"といっても北海道ではテレビ・ラジオで既に複数のレギュラー番組を持っており、さらに一昨年からは、プロバスケットボールチーム・レバンガ北海道の公式アンバサダーも務めるほどの人気を得てきています。

北海道で日に日に高まっているNORDの人気は、いったいどんな姿から生まれているのでしょうか?

そこで今回は、彼らが2018年の終わりに札幌で開催したワンマンライブ「NORD X'mas LIVE 2018~かじかむ冬にHot☆Standing~」にこっそり潜入。昼夜2公演が大盛況となったライブの様子から、NORDの魅力を探ります。

オリジナル楽曲はもちろん、MCでも盛り上げる"NG無し"のライブ

この日、ワンマンライブの会場となった札幌・cube gardenには、開演前からたくさんのNORDファンが集合。
最後列まであっという間に埋め尽くされた客席で、メンバーカラーのサイリウムが次々と灯されていく様子は、NORDに対するファンの期待値がどれだけ高いかを開演前からはっきりと伝えます。

心待ちにしていたファンの興奮をさらに高めるように、クリスマスらしく聖夜をイメージしたスペシャルSEが流され、いよいよ始まったNORDのワンマンライブ。

「今日は平成最後の冬、クリスマスなので、最高の思い出を作って帰りましょう!」(花岡領太)

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©アキタヒデキ

まだメジャーデビュー前ながら、結成直後から積極的にオリジナル楽曲を発表している彼ら。
この日は残念ながら怪我の治療のためにリーダーの長崎佑亮が欠席となったものの、『僕=君・ハート♡キャッチ』や『SUNRISE』など、彼らのライブではすでに鉄板となっている人気曲でスタートを決めると、場内はあっという間に熱気の渦に包まれます。

挨拶代わりの3曲とともにメンバーの簡単な自己紹介を挟んだ後は、さらにこの日がパフォーマンス初解禁となった『キミスペクタクル』を含む、2曲のオリジナルソングを披露。

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©アキタヒデキ

そして会場の温度がかなり暖まってきたところで、続けて「NORDといえばゲームだ!!」の絶叫から始まったのは、もはや彼らのワンマンライブ恒例となりつつあるという"NORDミニゲーム対決"

実は2018年6月からYoutuberとしても活動し、現在進行形でゲーム、スポーツ、料理企画など、インターネットを通じて様々なことに挑戦しているNORD。
大泉洋や安田顕などの偉大な先輩たちから受け継ぐ"NG無し"を武器としている彼らは、この日のライブでも同じように「踊れ!震えろ!ふりふり万歩計対決!!」や「食べたのダーレ?激辛リアクション対決!!」などのゲーム企画に、文字通り体を張ってチャレンジします。

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©アキタヒデキ

それまでのカッコよさを、見事なまでにあっさり捨てていくメンバーたち。
ライブ本番中にも関わらずわさびの詰まったシュークリームを食し、ノニジュースに悶絶する様子は、それまでとはまた違った角度で、集まったファンを沸かせます。

ネクストブレイクを予感させる、最新曲『忙しい僕らの聖夜(よる)』

そしてこのゲームコーナーの後、客席の拍手の音が一段と大きくなったのは、この言葉の直後。

「今までNORDは皆さんに元気を与える曲だったり、皆さんの気持ちを後押しするような曲が多かったんですけど、次にやる曲はぜひ、皆さんにしっとりと聴いていただきたいなと思います」(瀧原光)

この曲紹介から始まったのは、2018年12月リリースのNORD初となるクリスマスソング『忙しい僕らの聖夜(よる)』

それまでフレッシュな応援ソングが多かったNORDが初めて歌った、青年の切なくも温かい恋模様は、白い息と雪景色が印象的なオール札幌ロケのミュージックビデオも話題を呼び、Youtubeでは公開2週間で早くも6万再生を突破しています。

ライブ会場でもその人気を裏付けるように、静かに聴き入るファン、そして曲終わりに自然と生まれた、ひときわ大きな拍手。

クオリティの高い楽曲、そしてファンの確かな応援に支えられながら、NORDは決して止まらず、ライブ後半も全力で駆け抜けていきます。

最高潮のエンディングと、その直後に用意されていた"本当のクライマックス"

グループの人気曲ばかりが選曲された『NORDクリスマスハッピーメドレー』で会場のテンションを最高潮にし、ライブがいよいよエンディングを迎えようとしていた、まさにその時。

会場からのアンコールで再度ステージに登場したNORDのメンバーたちから飛び出た、「ここで重大発表があります」という発言。そして同時に、いざスクリーンに映し出されたのは、なんと「2019年6月1日 札幌市教育文化会館でのワンマン決定」のサプライズニュース!

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©アキタヒデキ

これまでは2018年春に開催し、700人分のチケットを見事ソールドアウトさせたZepp Sapporo公演が最大の観客動員になっていた彼ら。しかし結成3周年を記念して行う2019年6月1日のワンマンライブでは、さらに上を目指すべく、1000人の動員を目標にすることが発表されます。

しかしファンの大きな歓声の後、メンバーの口から出てきたのは意外な言葉でした。

「正直この1000人規模のライブというのは、僕たちももちろんやったことがないですし、今は開催が決まったっていう喜びの方が大きいんですけど......きっと本番当日が近づくにつれ、本当にお客さん集められるかな、どうやって集めたらいいのかなとか、いろいろ不安な気持ちも出てくると思います」(枝元雷亜)


かつて700人規模のワンマンライブが成功に終わったのは、決して自分たち7人の力だけではなく、ファンの協力があってこそだったと振り返るNORD。だからこそさらに規模が大きくなる札幌市教育文化会館のワンマンライブを前に、メンバーは心に沸きあがる迷いや不安を、ステージで隠すことなくすべて打ち明けます。

しかし、同時にあるのは来てくれたファンを必ず笑顔にする自信。

その上で自分自身を奮い立たせるように、彼らの言葉はこう続きました。

「必ず"教文"の日は皆さんの最高の日にしますので、どうかNORDの応援よろしくお願いします!」(枝元雷亜)

最後は力強い言葉とともに、改めて願いを込めて全員で長く頭を下げた、NORDのメンバーたち。

そんな彼らの決意の姿は、どこかこの日のラストナンバーとなった『We are 革命児☆』のタイトルともシンクロ。北海道から自分たちの新しいエンターテインメントを創造していこうとする者たちの"革命"の歌声は、若さや楽しさだけでなく、とても勇気に溢れたものにもなっていました。

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©アキタヒデキ

もうすぐやってくる新時代、そして地方で密かにエネルギーを蓄えつつある、未来の若き可能性たち。ここから北海道のボーイズグループNORDは、一体どんな成長を見せるのか?

平成最後の冬に始まった彼らの新時代へのスタートラインまで、あと残り6ヶ月!

真冬の北海道を熱くした彼らのワンマンライブには、思わず次のステージも見届けたくなる、そんな若い可能性のエネルギーが、たくさん満ちていたのでした。

この記事を書いたのは

乗田綾子

北海道在住のライター。著書『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)の他、『月刊エンタメ』『週女PRIME』等でも執筆中。HTBで一番好きな番組は夜のお楽しみ寝落ちちゃん。Twitter/ @drifter_2181