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Number Girl復活!「サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態」の道民がナンバガを語る

音楽

黒澤圭介

2019/04/24

やっと北海道にも春の気配が訪れ、2月に急に飛び込んできたビッグニュースに対しても、少しずつ実感が沸いてきた。

北海道が誇る音楽祭典・RISING SUN ROCK FESTIVALにおいてNumber Girlが復活をする――この吉報に対して歓喜に沸いた人々もいれば、特にピンとこなかった人もいたと思う。筆者は完全に前者だったのだが、折角なのだから、より多くの人とナンバガの復活を楽しみたい。そんな道民ライターの想いを、勢いのままに綴った。

俺たち、Number Girlをずっとずっとずっとずっと(中略)ずっとずっとずっと待ってた!!

2019年2月15日―赤いキセツ、到来

文字通り、列島を駆け巡ったこのニュース。各種トレンドまっしぐら、音楽クラスタはこの話題だけでTLが埋め尽くされたはずだ。

中でも北海道民の喜びは一塩だった。道民の誇りともいえる最高の音楽空間・Rising Sun Rock FestivalにおいてNumber Girlが復活するのだ。錯乱にも近い高揚で、頭は真っ白ーー「サッポロOMOIDE IN MY HEAD」状態になったのが2か月前。筆者が初めてナンバガを知ったのは、奇しくも1999年にRSRで彼らが「透明少女」を鳴らすライヴ映像。その何年か後、僕は赤いテレキャスターを買った。

そんな人が、たくさん、たくさんいたと思う。

2002年11月30日―札幌ペニーレーン24にて解散

彼らの解散ライヴの日。当時中学生の筆者は、数々のバンドが足跡を残してきたPENNY LANE24の最寄り駅で、「チケットください」と書いた段ボールを持って立ち尽くしていた。中には入れなかった。いつからか何度も何度もこの映像を見た。もう二度と逢えない彼らと、画面越しに交わった。

Number Girl は地元福岡でもなく、活動拠点の東京でもなく、北海道札幌市で解散をした。解散ライヴで向井が語った、北海道のミュージシャンに対する尊敬の意を示したMCはあまりにも有名で、気づけば一言一句逃さず覚えてしまった。だからこそ、札幌出身の僕にとって、Number Girl というバンドはとても特別な存在として心の中に生き続けていた。

そんな人が、たくさん、たくさんいたと思う。

解散から17年――Number Girlを知らない人へ

――という塩梅で興奮が止まらなかった私のような人もいる中で、「この眼鏡のオジサン誰?」「下北のマックの前で酔っぱらってた人じゃん」「『CHE.R.RY』の動画の人?」「エルレの復活ほどテンション上がらない」って人も当然いるかと思う。ここから先はそんな人に、恐縮ながらも、ほんの少しNumber Girlというバンドを紹介しようと思う。Sonic YouthやPixiesを独自解釈したようなギターロックに、ダブなどの他ジャンルを混ぜ込み、「ナンバガにしかない音」というものを打ち立てたバンドだ。何処か二番煎じのような、似通った音楽性に溢れる、昨今のギターロックとは完全に一線を画している。ただ正直なところ、いろいろな修飾語を並び立てて語るべきバンドではないのだ。

観て、聴いて、感じて欲しい。ナンバガは兎にも角にも「カッコいい」。

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向井秀徳Gt/Vo 眼鏡、テレキャスター、コード、諸行無常の歌詞世界、ZAZEN BOYS、KIMONOS、唯一無二、俺たちの向井秀徳。

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田淵ひさ子 Gt 日本で一番有名なジャズマスター奏者といっても過言ではない。完全に音が「キレてる」。轟音と独特のミドルの出音は誰も真似ができない。

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中尾憲太郎 Ba「鉄風鋭くなって」のイントロはあまりにも有名。変態揃いのナンバガにおいて一番手を出しやすそうだと錯覚をしてた数多のベーシストが彼のベースコピーに挑むも、そのニュアンスの再現に挫折する。

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アヒト・イナザワ Dr 普通、バンドというものでは陰に隠れがちなドラマーにもかかわらず、「omoide in my head」の楽曲が始まる時に必ず名前をコールされることもあって、絶大な知名度を持つ。手数と独特の奏法は理解不能。

(写真出典:https://numbergirl.com/biography


「福岡市博多区から参りました、Number Girlです」という向井秀徳の言葉にもあるように、彼らは1995年福岡で結成。何一つ調べずに脳内情報で書いた、雑が過ぎるメンバー紹介からも伝わるかもしれないが、余りにも全員が個性的過ぎて、いろんなバンドがコピーしてもまったくもって似ない。そんな4人が奇跡的に揃ったバンドがNumber Girlである。

2000年前後、スーパーカーやくるりなどと共に、日本における新たなオルタナティヴロックを放ち、未だにその領域に誰も辿り着けないバンドである。だからこそ、彼らの復活に対してあれだけの人が沸いたのだ。ノスタルジーだけではあれほどの熱は生まれない。

説明はここまでとして、まずは代表曲を幾つか聴いて欲しい。向井秀徳のハードコアまでを横断する衝動と、その衝動が具現化されたオルタナティヴサウンドを感じて欲しい。

「omoide in my head」

「透明少女」

「鉄風鋭くなって」

「SAMURAI」

「IGGY POP FANCLUB」


兎にも角にも、Number Girlは復活する。

「ドラムス、アヒト・イナザワ」のセリフに、石狩が揺れる日はもうそんな遠くない。そのお祭りに、あなたもぜひ参加して欲しい。

何度でも言おう、俺達はナンバガをずっとずっとずっと(中略)ずっとずっと待ってた!!(text by 黒澤圭介


向井秀徳 コメント

2018年初夏のある日、俺は酔っぱらっていた。そして、思った。

またヤツらとナンバーガールをライジングでヤりてえ、と。

あと、稼ぎてえ、とも考えた。俺は酔っぱらっていた。

俺は電話をした。久方ぶりに、ヤツらに。

そして、ヤることになった。

できれば何発かヤりたい。

※(出典:https://natalie.mu/music/news/320090

INFORMATION

■ 2019年8月16日(金) / 17日(土)

『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO 2019』

石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

開場:16日 10:00 / 17日 10:00
開演:16日 15:00 / 17日 12:30
※NUMBER GIRLの出演日は後日発表

出演者情報、チケット券種、先行予約等の詳細:https://rsr.wess.co.jp/2019/
インフォメーション:WESS 011-614-9999(平日11:00-18:00)

■ 2019年8月18日(日)

TOUR『NUMBER GIRL』

日比谷野外大音楽堂

開場:17:00 / 開演:18:00
チケット料金:6,480円(税込)
チケット一般発売日:6月1日(土)
プレイガイド:ぴあ(P-code 156-726)
インフォメーション:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00-19:00)
【チケット先行詳細】

■ 2019年9月7日(土)

TOUR『NUMBER GIRL』

なんばHatch

開場:17:00 / 開演:18:00
チケット料金:6,480円(税込)
チケット一般発売日:6月1日(土)
プレイガイド:ぴあ(P-code 156-726)
インフォメーション:YUMEBANCHI 06-6341-3525(平日11:00-19:00)
【チケット先行詳細】

■ 2019年9月8日(日)

TOUR『NUMBER GIRL』

福岡DRUM LOGOS

開場:17:00 / 開演:18:00
チケット料金:6,480円(税込)
チケット一般発売日:6月1日(土)
プレイガイド:ぴあ(P-code 156-726)
インフォメーション:BEA 092-712-4221(平日11:00-18:00 / 第2・第4土曜日11:00-15:00)
【チケット先行詳細】

■ 2019年9月27日(金)

TOUR『NUMBER GIRL』

名古屋ダイアモンドホール

開場:18:00 / 開演:19:00
チケット料金:6,480円(税込)
チケット一般発売日:6月1日(土)
プレイガイド:ぴあ(P-code 156-726)
インフォメーション:クロスロードミュージック 052-732-1822
【チケット先行詳細】

この記事を書いたのは

黒澤圭介

『MUSICA』&MASH A&Rなどの東京時代を経て、地元札幌の某メディアのひと。音楽をメインに文章を書いたり、アーティスト育成などもしてます。ポツリポツリと書きます。