北海道駅弁物語③JR札幌駅の超ロングセラー「柳もち」
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2019/10/28
10月にイチオシ!!のニュースコーナーで放送した4回シリーズ「北海道駅弁物語」をご紹介します。
このシリーズは道内各地の駅弁の知られざるストーリーをたどるため、
HTBの北海道内の支局から3件、札幌で1件、合計4つの駅弁を紹介しました。
激レアなものから驚くほど歴史の長いものまで、バラエティに富んだ駅弁の数々が集まっています。
3回目は鉄道をこよなく愛する依田アナウンサーのレポートで、
JR札幌駅でなんと明治39年誕生という超ロングセラーをご紹介します。
札幌駅構内に4か所ある駅弁の売店「弁菜亭」。製造元は札幌駅立売商会です。
20種類ほどの駅弁の中で、静かに異彩を放っているのが「柳もち」。
なめらかな十勝産小豆のこしあんに
やさしく包まれているまっ白いおもち。
道産のもち米「はくちょうもち」を使っています。
1箱に10個入って600円。
しかし「柳もち」は、ただのあんころもちじゃありません。
札幌駅に登場して今年でなんと113年!明治39年つまり
1906年誕生の超ロングセラー商品なのです。
札幌駅立売商会の洲崎社長にうかがったところ
「創業者の曽祖父が、金沢から札幌移住してきて明治39年に金沢で売られていたもち菓子を再現し、
札幌駅で売り出したのが始まりです」と話してくれました。
当時はまだ「北間屋(きたまや)」という名前の菓子店だったそうです。
今のように駅に売店がなかった時代、「立売り」と呼ばれる人たちが
駅弁やお菓子を売っていました。
北間屋はこうした人たちと「札幌駅立売商会」を作り、柳もちは
札幌みやげとしても愛されて、多い時は一日1500箱売れる札幌駅名物になりました。
作り方は、113年間大きく変わっていません。
店内でついたもちをひとつずつ手でちぎってまるめ、丁寧にあんでくるみます。
製造担当のひとり 日野千津子さんによると
「おもちの水分量とか口当たりは手作りじゃないと出せないと思います。
機械にはやはり生み出せないおいしさです。
それがやっぱり100年以上続くおいしさの秘訣だと思います」
駅にスイーツがあふれる今、柳もちの製造は1日20箱程度ですが
固定ファンに支えられ昼頃に完売する日がほとんどです。
昭和初20年代30年代にお土産として柳もちを食べた子供たちが
今70代80代ぐらいになっていて、その方がリピータとしてずっと定着してくれているとか。
数が少なくなっても手作りで今までと変わらない形で売り続けたい、と洲崎社長は話していました
この記事を書いたのは
SODANE編集部
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