「助けてあげたかった…悔しかった」
どんなに手を尽くしても救えない命がある。
救急医は、その命とどう向き合うのか?
1分1秒が生と死を分ける救命救急の最前線。鹿野恒医師が所属する市立札幌病院救命救急センターは、人工心肺装置(PCPS)を使った究極の蘇生法で全国トップクラスの救命率を誇る。その一方で、患者の家族が承諾し臓器提供に至るケースも全国で最も多い。救命救急が“命を救う”医療であるのに対し、臓器移植は患者の“死を前提に成り立つ”医療。患者の死は医師としての敗北を意味し、大切な人を突然失う家族に臓器提供の話を切り出すことをためらう医師は少なくない。しかし、鹿野は救命救急と臓器提供が両立することを実践していた。どんなに手を尽くしても救えない命とどれだけ向き合うことができるのか?鹿野の出した答えはICUでの看取りの医療だった。改正臓器移植法が施行され、堰を切ったように急増する脳死での臓器提供。ひとりの救急医の姿を通して、救命救急の最前線から臓器提供を考える。
■ ナレーター | 余 貴美子 |
■ 撮影 | 小林直人 |
■ 音声 | 浅野光宏 |
■ 編集 | 八重樫杏子 |
■ 音響効果 | 宮田友紀子 |
■ ディレクター | 広瀬久美子 |
■ プロデューサー | 数浜照吾 |