テレメンタリー2009「黄金色の大地〜中国の米作りを変えた“水稲の神”〜」

2009年1月17日(土)深夜1時30分放送〜

中国の人から、海外から来て農家に財産をもたらしてくれる神=洋財神(ヤンシャイシェン)と今、崇められている日本人がいる。その人の名は原正市。
64歳から21年間、中国に通い続け米作りを変えた。中国での活動は苦労と試練の連続だった。原さんを21年もの間、駆り立てたものは何だったのか…。

発展を続ける中国。
その陰には、「食」を支えた日本の農業技術者 原正市(はらしょういち)さんの存在があった。岩見沢出身の原正市さん(2002年没 85歳)は、1980年代初め、コメの栽培技術「畑苗移植栽培」を中国・黒龍江省に伝えた。畑で苗を育て、水田に移植する技術だ。それまで直接水田に種を蒔き、天候に左右されやすかった黒龍江省のコメの生産高は8年後の1990年には、それまでの5倍の234万トンになった。
やがてこの技術は中国全土へと伝わる。原さんは21年に渡って30の省と地区を回り、食を支えた日本人として中国国家から表彰された。
しかし簡単に進んだ訳ではない。技術者として日本人は信頼してもらえなかった。衛生環境が非常に悪く、赤痢にもかかり死ぬ思いもした。それでも21年間通い続けたのは、なぜなのか。長年疑問を持ち続けていた長男の正則さんが父親の足跡を追った。

ナレーター 野宮範子
撮影 三戸史雄 鎌田浩志
音声 谷越一也
編集 伊藤陽一
音響効果 百石仁
制作協力 中国・黒竜江電視台
ディレクター 吉見生吹
プロデューサー 戸島龍太郎