「これは遭難だ。救助を要請してくれ。みんな死んでしまう!」
中高年登山客の命を奪ったのは暴風雨だけではなかった
夏山史上最悪の遭難…「山で何があったのか?」
北海道大雪山系の奥座敷と呼ばれる“トムラウシ山”
日本百名山にも名を連ね、中高年登山客には“憧れの山”として人気が高い。
2009年7月16日、本州の登山客ら18人のパーティーが遭難。
ツアーを引率していた山岳ガイドを含む中高年の男女8人が凍死した。
暴風雨の中、パーティーはバラバラになり、自力で下山したのはたったの5人だった。
なぜ、夏山で凍死するという悲劇に至ったのか?
「風がもの凄く、針をさすように痛かった」
「記憶が全然ない、気がついたらテントの中で夕方だった」…。
生存者の証言から、生々しい遭難の実態が浮かび上がる。
強い風と低い気温で体感温度はマイナス10度以下。
どしゃ降りの雨で登山客は全身ずぶ濡れになり、次々と低体温症の症状が出始める。
それでも、パーティーは暴風雨の中、縦走ツアーを強行。
なぜ、引き返したり、ビバーク(留まる)する選択をしなかったのか?
後に、10人用のテントを意図的に山小屋に残していたことが判明した。
そこには、商業登山を実施するツアー会社ならではの問題点が潜む。
“山で何があったのか?”を、検証する。
ナレーター | 小野寺 昭 |
撮影 | 安達 真 |
音声 | 村岡義康、永井孝典 |
編集 | 馬場亮介 |
音響効果 | 宮田友紀子 |
ディレクター | 金子 陽 |
プロデューサー | 数浜照吾 |